前景の自動切出し

・顔検出による自動切出し

 画像の顔を検出して検出した顔を含む体全体を前景として切出す事ができます。
 体全体は予め決められたデータ(切出しデータ)を基に検出した顔の位置や大きさに従い前景とします。
 この切出しデータは、いくつか用意されているので対象の画像によって変更する事もできます。
 なお顔検出は正面の顔にしか対応していないため横顔や角度がある顔は検出できない事があります。
 また切出しデータは直立しているデータを基に作られていますのでいろいろなポーズには対応していません。

・顔検出コマンド

 画像の顔検出をして顔を含む体全体を前景として切出します。
 顔検出による前景の切出しはツールバーのアイコンか編集メニュの顔検出コマンドで行います。



 顔検出が成功すると検出した顔を赤い矩形で囲まれます。
 同時に顔検出結果ダイアログが表示されますので検出結果が正しければOKボタンを押してください。



 顔の位置や大きさに基に前景の切出し領域が自動的に計算され前景のマスクが表示されます。



 通常のマウス操作で切出された領域と同様に立体画像の作成を行います。
 自動切出しによる切出し領域は通常の前景の切出し操作で修正する事ができます。

 顔が検出されない場合は「顔検出に失敗しました。」というダイアログが表示されます。
 その場合は画像が顔検出に適していないか顔検出のパラメータの設定が間違っている事が考えられます。

・複数の顔検出





 顔が複数検出された場合は顔検出結果ダイアログの「切出し領域を分ける」にチェックする事ができるようになります。
 チェックをつけずに切出し領域を作成すると次のようにひとつの切出し領域に全員分の切出しマスクが重ねて書かれていきます。



 チェックを付けると検出された顔の数の切出し領域が作成されます。
 各切出し領域には検出された顔による切出し領域がひとつづつ定義されます。
 個々の人物の遠近感を変えたい場合はチェックを付けて切出し領域を作成してください。

 それぞれの遠近感は検出された顔の大きさにより自動的に設定されます。
 検出された顔領域が大きいほど前にあるとして大きな値を設定します。顔の大きさに比例して0〜8の間で値を割り付けていきます。
 なお実際の顔の大きさの違いで実際の位置と異なる場合があります。
 自動的に割りつけられた遠近感を変更するには遠近設定で変更してください。
 チェックを付けた場合、ひとり分の切出し領域しか表示されません。
 編集ツールバーのアイコンを押すと切出し領域が変更されるので全員分の切出し領域が確認できます。  この時、遠い(検出顔領域が小さい)順に表示されます。

・検出領域の修正

 画像によっては正しく顔検出ができない場合があります。
 顔以外の部分が検出されたり本来、検出されなかった顔が検出されなかったりします。



 その場合は顔検出結果ダイアログのOKボタンを押す前にマウス操作で修正する事ができます。
 不要な検出領域は矩形の枠の内側をマウス左ボタンでクリックします。
 検出領域を追加する場合は検出されなかった顔の中心(鼻の少し上)をマウス左ボタンでクリックします。
 追加される顔領域の大きさは他の顔領域の大きさから計算(平均値)されます。

・顔検出設定

 顔検出のパラメータを変更する事ができます。
 顔検出のパラメータ設定は設定メニュの顔検出設定コマンドで行います。
 顔検出設定コマンドを実行すると次のダイアログが表示されます。



 本プログラムの顔検出はOpenCVのcvHaarDetectObjects関数を使っています。
 この関数の第4引数〜第6引数を変更する事をできます。
 スケールファクターはスキャン毎に探索ウィンドウがスケーリングされる際のスケールファクタで標準は1.1です。
 最小近傍は(これから 1 を引いた値が)オブジェクトを構成する近傍矩形の最小数で標準は3です。
 エッジ検出器を用いるをチェックすると検出時にCanny のエッジ検出器を用います。この値をチェックすると検出速度が向上します。  静止画の場合、あまり検出速度は向上させる必要はないので通常はチェックを外しておきます。標準はチェックなしです。
 最小ウィンドウサイズは0を指定すると学習に用いられたサンプルのサイズ(学習ファイルに記述されている値)が設定されます。標準は0です。

 学習ファイルは顔検出の際に用いられるデータファイルで本プログラムではOpenCVで提供されているものをそのまま提供しています。
 学習ファイルを変更する場合は右端の変更ボタンを押してファイルダイアログで指定します。  本プログラムで提供している学習ファイルはすべてauto_dataというディレクトリに含まれますが他のディレクトリのファイルも指定できます。

 切出しデータは切出し領域を作成される時に用いるデータで予め人間の体(直立)のデータが定義されています。
 本プログラムでは次のデータが提供されていますので必要に応じて対象となる画像に適したものに変更してください。



 切出しデータは左からbody_data_man.wmf(男性用データ),body_data_woman.wmf(女性用データ),body_data_child.wmf(子供用データ)です。
 標準はbody_data_default.wmfが使われますがこれはbody_data_woman.wmfと同じものです。
 切出しデータを変更する場合は右端の変更ボタンを押してファイルダイアログで指定します。  本プログラムで提供している切出しデータはすべてauto_dataというディレクトリに含まれます。

 標準に戻すボタンは全ての顔検出パラメータと学習ファイル、切出しデータを標準の値に戻します。

 
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