飼い方
GOGOめだか組へ
メダカ通信
研究の経過


基調提案
子どもと共に学ぶ環境教育



(1)入口はメダカボトル

 話をより具体化していきましょう。ここに、いわゆるペットボトルがあります。こ
の中でメダカを飼ってみるのです。そんなことはもう実践されたという方があるでし
ょう。本会で提案したいのは、メダカをペットボトルで飼うことを通して、環境問題
について考える子どもを育てたいのです。単なる飼育として飼い、オス・メスの違い
や発生を教えたいのではありません。もちろん、それも入りますが、メダカから環境
問題に何が発信できるかを調べたいのです。本当にメダカにとって住み易い環境はど
んなものか考えさせ、工夫させたいのです。
 導入としては、先生方が、これから作る「ヒメダカの小さな世界」を提示するのが
よいでしょう。小さな世界とはどんなものかと申しますと、ペットボトルにふたがし
てあるのです。餌も与えなければ、水も取り替えません。子どもたちはそれを見て、
きっと「先生、メダカがかわいそうだよ」ということでしょう。それでも先生はがん
として受けつけず、何日か机の上に放置します。毎朝登校してくると、関心のある子
は、メダカは大丈夫かなと見に来ます。すると、いつになってもメダカは気持ちよさ
そうに泳いでいるのを見て、おかしいな、どうしてだろうと考え始めます。ペットボ
トルの中をよく見ると、水草がたくさん植えてあり、下には砂が敷いてあることに気
がつきます。なるほど、自然に近い状態にしてあるのかと気がついたらしめたもので
す。それでも、なぜ餌をやらず、ふたを閉めっぱなしで平気なのかはわかっていない
と思います。
 そこで、みんなも自分で飼ってみるかいと投げかけてみてください。子どもたちは
喜んで飛びついてくることでしょう。やりたい子にやらせるのがいいと思います。そ
んな中から、容器の大きさに対する適当な数がわかってくるかもしれません。水草は
どんな種類がいいのか何人かで比べることにより発見があることでしょう。砂の種類
や量、発生のメカニズムについて調べる子がいるかもしれません。子どもが自分なり
に飼う中で、問題を意識し、それについて考え調べ始めたとしたら、それはもう総合
的な学習の入口に立っているといえるのではないでしょうか。


(2)出口は1枚のレポート

 つまり、メダカやペットボトルは一つの道具であり、それらを使って何を学習させ
ることができるのかを我々教師が調べようというのです。先生がやる自由研究と言い
換えてもいいと思います。メダカから環境に何が発信できるのか、答えは見つかって
いません。今お集まりの先生方一人一人が見つけだせる可能性をもっているのです。
今の提案は、高学年向きで、低学年の担任の私にはできないと考えられた方がいるか
もしれません。そんなことはありません。発達段階に応じて、子どもがどんな反応を
示したかを記録するだけで、立派なデータになります。何年生では、こんな反応を示
した、何年生のこの教科のこの単元で授業に使えたというものもでも結構です。1年
間観察日記を付けるようになった子がいたという報告も聞いています。自然のシステ
ムやよさについて考えた子もいたようです。
 共同プロジェクトは、1年間といわず、2学期末を目安にしています。実践はまと
めが大切になってきます。一人一人の子どもにレポートを書かせて下さい。A4、1
枚で結構です。形式は自由。絵を中心にして図工的にまとめる子や社会の経験を生か
して新聞風にまとめる子、観察日記のように国語の力を生かしてまとめるものがあっ
ていいのです。三尻小の佐国先生が先行実践されていますので、レポートの例を後で
紹介してくれます。子どもたちが実践を通してどんなまとめをするのか今から楽しみ
です。また、先生方が一人の大人として実践された場合、先生がレポートを書いて出
して下さっても結構です。最後に、レポートを見比べて、よいものを冊子にまとめる
計画もあります。


(3)計画は子どもとともに広がりを大切に


 スタートはメダカボトルですが、実践を重ねていく中で、子どもたちの意識がどん
どん広がっていってかまわないと思います。入れ物をペットボトルから他のものに代
えたい、飼育するものをメダカから違う生物に代えてみたいという発想を妨げる必要
はないと思います。大きなテーマは総合的な学習であり、環境教育であるわけですか
ら。その変容も教師はしっかり記録しておけば、これも貴重なデータとなります。先
生があらかじめ考えていたものと、子どもが実際にどんな反応を示し高を図に表して
みて下さい。


                       
 

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