TV Episode

3rd season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第77話-第79話までをお楽しみ下さい。
Mini Episode」もよろしく。

第77話 「未確認惑星の岩石人間」(THE SAVAGE CURTAIN)

監督:HERSCHEL DAUGHERTY/脚本:GENE RODDENBERRY,ARTHUR HEINEMANN/原案:GENE RODDENBERRY

第78話 「タイムマシンの危機」(ALL OUR YESTERDAYS)

監督:MARVIN CHOMSKY/脚本:JEAN LISSETTE AROESTE

第79話 「変身!カーク船長の危機」 (TURNABOUT INTRUDER)

監督:HERB WALLERSTEIN/脚本:ARTHUR H.SINGER/原案:GENE RODDENBERRY


第77話「未確認惑星の岩石人間」

 惑星表面が溶岩で、有毒の大気を持つ無人惑星を探査中エンタープライズは、炭素系の未知の生命体反応をキャッチしていた。しかも、その部分には人工の力がファクター7で働いており、かなり高度の文明があることも予想された。しかし、通信に応答が無く地表にも降りられぬ為、カークは探索を諦めかける。その時である、探査光線と共にブリッジのスクリーンにリンカーン大統領の姿が現れ、乗船許可を求めたのは。

 疑惑を抱いたまま、カークはその要求に応じるが乗り込んできたリンカーン大統領は本物そっくりで、スポック共々惑星へ降りることを要請されると、カークは何故かそれに応じる気持ちにさえなってしまった。溶岩と有毒大気の中に千平方キロの地球そっくりの環境が作られていた。ここに二人を呼び、何をさせようというのだろうか。

 カークとスポックは転送されるが、フェイザーとトライコーダーが転送されなかった----そして地上でスポックは、バルカン文明の父ともいうべき伝説の人物スラクに出会い、息をするのも忘れるほど驚いていた。やがてこのドラマを全て用意したこの惑星の住民がその姿を現した。

 それは岩石状の生物で、ヤルネクと名乗りここエクセルビアの住民が皆、今見つめていることをカーク達に告げた。カークを呼んだのは人間の相反する二つの観念「善と悪」の対決を行うためであった。

 善はカーク、スポック、リンカーン、スラクであり悪は新たに呼んだジンギスカン、21世紀に地球全滅を計画したグリーン大佐、惑星のティビュロンで生体実験を行ったゾーラ、クリンゴン帝国の独裁制の基礎を作ったカーレスの四人であった。----善悪の観念がまるで異質でヤルネク達はこの実験でいずれが強力か、確かめるつもりだったのだ。

 カークは戦いを拒否するが、エンタープライズが破壊されそうになり、勝利すれば釈放を条件に戦いを承諾した。勇敢なスラクとリンカーンの犠牲、そして正面攻撃で悪は敗れ「新しい物を知りたい」宇宙人の要求は満たされ、カーク達は釈放された。歴史上の人物は全員カークとスポックの心のイメージを元に岩石生物が同類の肉体を再編成したものと判った。

 カーク達の知識欲の旅もまた再開する。 
 

第78話「タイムマシンの危機」


 恒星ベータ・ニオペは三時間半後に新星に変わる。その星系の惑星の中、人類が生存しているのはサプレイドンだけであった。しかし、エンタープライズからの捜査では生命体は一つも認められず、記録によると宇宙飛行の能力もない星だった。集団自殺なのか、カークはスポック、マッコイを連れて惑星中唯一の動力源が動く地点へ降り立ったのである。そのライブラリーのような場所に、エトスと名乗る男がいた。三人を住民と間違えて避難するようにアドバイスを繰り返すエトス。

 どこへ避難したのか不審がる三人に、エトスはアタバクロンのディスクを見せるのだった。それをビューアで見ていたカークは、女の悲鳴を聞いて声のする方へ走り、そのまま見知らぬ世界へと送られてしまう。そして続いて後を追ったマッコイとスポックも同様で、二人は今、吹雪の吹きまくる別世界にいた。スポックは気づいた。彼等の通った入り口は、一種のタイムマシンで惑星の住民は皆、あのアタバクロンで過去へ避難していたのだ。

 カークは中世に似た世界にいた。そして氷河時代に入ったスポックとマッコイは、その寒さに倒れるが思いがけなく現れた人物によって暖かい洞窟へ救出された。その人物は、惑星の専制君主に反抗して、ただ一人永遠にこの世界へ追放されたザラベスという若い女性だった。カークの声を聞いて救出せんとする二人にアタバクロンの時の門を逆に通ることは不可能だと、絶望を込めて彼女は語りかけるのだった。

 カークが未来人である人間に会っていた頃、スポックは美貌のザラベスに自分でも思いがけぬ愛情を持ち、孤独だった彼女の心もスポックを得て一気に愛へと燃え上がっていった。時を越えたことで、スポックは先祖帰りの現象を起こしていたのだ。

 カークはからくも未来に戻ることに成功。恒星の爆発が近づいたため、逃げようとするエトスを引き止め、スポック達を必死に発見せんとする。そして発見、救出が迫る中スポックは残ろうとするが、来たときと同じに二人でなければ時を超えられないことが判り、ザラベスに燃えるような別れを告げて現代へと帰還した----「彼女は死んでいます、もう大昔に一人で」、そうつぶやくスポックの心の哀しみは、もう先祖帰りが直り、誰にも判らない。三人はエンタープライズに帰還し、恒星の爆発が宇宙を白白と染めて輝き続けた---- 


第79話「変身!カーク船長の危機」

 エンタープライズは、惑星ケイマスIIの遺跡を発掘していた調査隊から遭難信号を受信した。報告に寄れば、生存者は医師のコールマンと調査隊長ジャニス・レスター博士の二人のみで、残る調査隊は全滅したという。現場へ到着し、放射能を浴びて重体だというジャニスに付き添っていたカークは、他の者が座を外した隙に彼女からフェイザー攻撃を受け、不思議な装置にかけられジャニスと人格を交換されてしまう----ジャニスはカークの昔の同僚で、女性であるために船長の地位につけず、その不満からカークを憎み続け、ケイマスIIの遺跡発掘中に見つけた人格交換機を利用して、カークになりかわる計画を考え出したのだ。

 ジャニスの身体に閉じこめられたカークは、危うく自分の身体に殺されかかるが、皆が戻ったためからくも助かり、一行と共にエンタープライズへと戻っていった。コールマンの策謀で眠り続けるカーク。

 カークの肉体を奪ったジャニスは、邪魔になった元の身体とカークを始末しようと辺境の惑星に向けて飛ぶことを命じ、スポックの疑惑を招いた。いったい何故そんな惑星に向かうのかと考えるスポック。
 マッコイも感情的な言動の多くなったカークを気遣い、強制的に検査を受けさせるが何の異常も発見できなかった。

 しかし、意識を回復したジャニス(実はカーク)と話したスポックは、信じられない話しながら彼自身のカークは別人ではないかという疑惑と一致するその話に、真相を一人確信するのであった。

 スポックが自分の正体に気づき始めた事を知ったカーク(内部に潜むジャニス)は、反乱罪にスポックを陥れて軍法会議を急ぎ開廷した。しかし、そこでスポックに正体を言われヒステリーの発作を見せたため、チャーリーとマッコイもカークが偽物である確信を得た。次々と反乱するスポック達三人に遂に死刑を宣告するカーク(実はジャニス)だが、そのあまりの行動ぶりに加藤やチェコフまでもが命令を受け入れず、ジャニスの半狂乱は頂点に達した。

 その興奮が人格交換のバランスを崩し、カークとジャニスの人格はそれぞれの身体に戻った。半狂乱でわめき続けるジャニス----彼女の心は、憎しみですでに完全に破壊されていたのである。