TV Episode
本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULE」をご覧下さい。
ここでは第68話-第70話までをお楽しみ下さい。
「Mini Episode」もよろしく。
第68話 「トロイアスの王女エラン」（ELLAAN
OF TROYIUS)
監督：JOHN MEREDYTH LUCAS／脚本：JOHN MEREDYTH LUCAS
第69話 「宇宙の精神病院」（WHOM
GODS DESTROY)
監督：HERB WALLERSTEIN／脚本：LEE ERWIN／原案：JERRY SOHL,LEE ERWIN
監督：JUD TAYLOR／脚本：OKIVER CRAWFORD／原案：LEE CRONIN
宇宙艦隊司令部の極秘任務に就いたエンタープライズは、宇宙の彼方にある惑星連邦に属する恒星系に赴き、トロイアス星でペトロ大使を収容し、更にエラス星で王女エランと副官のクライトンの一行を収容した。この時始めて大使の口から任務の内容がカーク船長に明らかにされる。
エラス星とトロイアス星は宿敵とも言うべき関係で、何世紀も争い続けてきたが、これ以上争っては両星とも自滅してしまうと悟り、平和共存の道を選択したのだ。そのステップとして、エラス星の王女エランと、トロイアス星の国王が結婚することとなった。しかし、エラス人は乱暴で傲慢なため、エンタープライズでエラン王女をトロイアス星へ運ぶ途中、ペトリ大使が王女に礼儀作法を教え込む計画だったのだ----時間を掛けて到着するため、ワープ・エンジンを使わず、補助エンジンで進むという入念さであった。
だが、大佐は政略結婚に怒る凶暴なエラン王女に手を焼き、ついには短刀で刺されて重傷を負うということになってしまった。もし、この結婚が行われないときには、惑星連邦にとっても重大な事態を迎えるため、大使に代わってカークが自らエラン王女の教師役となった。
もちろん王女の個人としての権利も判るが、王女としての義務を果たすべきだと、わがままを許さぬカークの教えに、次第に従順になっていくエラン。そして、彼女はいつしか男性としてのカークに惹かれていくのだった。なんとカークもエランの涙に触れ、彼女を愛するようになる。エラス星の女性の涙には、触れた男性を虜にする特殊な物質が入っているのだ。
一方エランとの結婚を望んでいた貴族のクライトンは、今度の政略結婚にクリンゴンのスパイと化し、エンタープライズに爆薬を仕掛け、怪しまれるや、自決して果てた。その後、後をずっとつけてきたクリンゴン戦艦が攻撃を開始し、爆薬の被害で動きの取れないエンタープライズは降伏寸前まで追いつめられた。
しかし、エランがトロイアス星から受けていたこの星系の平凡な宝石が、貴重なエネルギー結晶体と判り、（クリンゴンはこの宝石を狙い、この恒星系に来ていた）カークはその宝石のエネルギーを利用して敵艦に大損害を与えた。
やがて、自分の義務と責任に目覚めた王女は、カークに別れを告げ、引き裂かれる思いを残してトロイアス星へと降りていったのである。
エンタープライズは惑星エルバ2の周回軌道に入った。この惑星は、有毒性の大気を持ち、矯正不可能の危険な精神病患者の隔離病棟として使われている惑星であった。カーク達の今回の任務は、精神病の治療に革命をもたらすという新薬の運搬であった。カークとスポックは、その新薬を院長のコーリー博士に届けるべく、惑星に赴いた。----出迎えるコーリー博士。
コーリー院長によると今、入院患者は15名で一番新しい患者はイザール星人の元宇宙艦隊の司令官であったガースであるという。カークはそのガースを知っていた。惑星連邦の開拓時代、英雄とも呼ばれた彼等の大先輩で、宇宙艦隊士官候補生の皆が手本にした人物であった。カークはたっての望みで面会を許されるが、そのガースは実は偽のガース（院長のコーリー博士）であり、院長こそ変装したガースそのものであった。ガースは負傷して精神異常をきたしたのだが、アントス星で治療を受けたときその細胞再生の技術を盗んで自由に変身する方法まで改良、その技術で医者を騙し、入れ替わってしまったのだ。
ガースは宇宙の支配者になるという妄想を抱き、そのためカークに変身してエンタープライズを乗っ取ろうとするが、万一に備えてカークが決めた合い言葉が言えずに乗船することが出来なかった。----地団駄を踏むガース。一方エンタープライズでは地上の異常事態に気づき、チャーリーは救助班を送ろうとするが、惑星を包む強力な力場のため転送は不可能であった。
ガースは他の14人の患者を手下に使い、拷問、誘惑でカークを責め、合い言葉を吐かせようとするが果たせず、唯一の女性患者であるマータがカークに好意を寄せたのを知るや、彼女を外の大気の中へ押し出し、無惨にも爆死させてしまうのだった。
そして、最後の手段としてカークに化けて、スポックに合い言葉を話させようとするが、本物のカークと格闘することになり、スポックもどちらが本物かは決めかねた----
しかし、スポックは持ち前の論理の力でガースの正体を見破り、力場のスイッチを切るのに成功した。
チャーリー達救助班が到着、院長も無事救出され、持ち込まれた新薬の力でガースを含めた患者は全員正気を取り戻した。エンタープライズは危機を脱して、正規の任務へと復帰したのである。
宇宙貿易ルートの中継地として、重要な位置を占める惑星アリアナスが恐るべき病原菌に汚染された。エンタープライズはその減菌の命令を受け、アリアナスへと向かっていたが、その途中宇宙艦隊基地から盗まれていたシャトルクラフトを宇宙空間に発見して収容する。
中にはただ一人、顔の左が黒く、右が白い人間型の異星人が乗っていて、彼は自分の名をセロン惑星のロカイというばかりで、何故シャトルクラフトを盗んだのか何も答えようとしなかった。
ところが更に未知の宇宙船が接近、宇宙空間で分解すると、セロン惑星の反政府活動取り締まり局長ベレと名乗るやはり顔の左右が黒白の異星人がブリッジへと乗り込んできた。ベレはロカイを逃亡を続ける破壊分子の政治犯と名指して、身柄の引き渡しをカークに迫った。
カークが要求を拒否すると、ベレはエンタープライズの制御装置を思考力で自由にしてセロンへと向かわせるが、カークが自爆装置をプログラムしたため、やむなく船の指揮権をカークに返還した。カークは艦隊司令官に指示を仰ぎ、ロカイを司令部で詰問する旨の返信を受け、ベレも渋々その命令に同意する。----エンタープライズは、急ぎアリアナスへと向かっていた。
一方ロカイは政治亡命の権利を要求して、ベレ達支配階級がいかに弾圧しているかを演説してエンタープライズの乗員をその味方にしようとする。ベレの話から、このセロン人の憎しみと争いの原因が、単に顔のどちらの半分が白か黒かということに過ぎないと知ったスポック達は、種族間の偏見の争いは惑星の滅亡をまねくと警告する。----かつてバルカン星もその偏見の戦いによる危機を迎え、それを救ったのが理性と論理にもとづいた信念だったのだ。しかし、ベレ達はそんな話を聞こうともしなかった。
アリアナスでの任務が終わり、基地へ向かうエンタープライズだが、ベレは自爆装置を破壊して再び思考力で自由にして、セロンへと向かわせた。
しかし、セロンは二種族の争いですでに滅亡していたのである。それを知ったベレとロカイは、憎しみを更にむき出しにして最後の闘争を続けるべく、セロンへ降りて戦い続けるのだった。もう二人には、ただ、戦いだけしか残されていなかったのだ・・・・。
