TV Episode

3rd season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第65話-第67話までをお楽しみ下さい。
Mini Episode」もよろしく。

第65話 「キロナイドの魔力」(PLATO'S STEPCHILDREN)

監督:DAVID ALEXANDER/脚本:MEYER DOLINSKY

第66話 「惑星スカロスの高速人間」(WINK OF AN EYE)

監督:JUD TAYLOR/脚本:ARTHUR HEINEMANN/原案:LEE CRONIN

第67話 「恒星ミナバの生体実験」 (THE EMPATH)

監督:JOHN ERMAN/脚本:JOYCE MUSKAT


第65話「キロナイドの魔力」

 エンタープライズは未知の惑星より救難信号を受け、カーク、スポック、マッコイの三人がその地表に降り立った。しかし、惑星上には生物が存在する形跡が無く、ただエネルギー源として非常に貴重なキロナイドの鉱床を発見するのみであった。

 いぶかしむカーク達は、姿を隠していた住民の出迎えを受ける。この惑星の王が傷つき、その助けを求めるため救難信号を発したのだという。
 この惑星の住人プラトン人は奇妙な種族であった。彼等は大昔、母星のサンダラが新星に変わったとき、その災害を逃れ地球に移住したが、それはちょうどソクラテスやプラトンの時代に当たっていた。彼等はギリシア文明を賛美し、その文明が滅びるとこの惑星に移り、自らプラトン人と名乗りギリシア文明を存続させていた。

 王ペルマンは、足の傷を化膿させ苦しんでいたのだが、彼は強力な精神操作力を持ち、錯乱状態でも周回軌道にいるエンタープライズをゆるがす超能力を発揮してカーク達を驚かせた。

 マッコイの治療で、ペルマンの傷は速やかに回復したが、その便利さのため王はマッコイに惑星へ残ることを命じたのである。----そして、それに反対するカークとスポックは精神操作で操られ、歌い、踊らされ、あらゆる屈辱を味わされてしまった。

 宮廷の道化としてこき使われていた小人のアレキサンダーは、三人に同情し王がエンタープライズを釈放する意思などなく、皆殺しを謀っていること、プラトンの歴史等を閉じこめられた三人に教えてくれた。

 アレキサンダーの話から、カークは惑星に大量に存在するエネルギー源キロナイドを摂取することでプラトン人が精神操作能力を身につけたことに気がついた。----マッコイに凝縮キロナイドの溶液を作らせ、スポックと共に注射を受けるカーク。ところが、その効き目が現れる前にペルマンと王妃は、カークとスポックを宴会に引きずり出し、船からウラやクリスチンまで呼び寄せ散々になぶり物にするのだった。

 しかし、やがてキロナイドの効果が現れ、カークはペルマンの力を精神力で屈服させると、この惑星の堕落敗退した文明に愛想をつかしたアレキサンダーを連れて、エンタープライズへと戻ったのである。----

第66話「惑星スカロスの高速人間」

 惑星スカロスより救難信号を受信するエンタープライズ。しかし、周回軌道からの探査では住民のいる気配はなく、整然とした美しい都市が見られただけであった。そのため、カーク船長以下調査班がその信号の発進地点へと転送されていった----
  
 生命反応は存在するが、きわめて特殊な反応で形態や位置がまるっきりつかめないという不可解な物であった。その時、調査中のコンプトンが突然消失した----その行方が捜査されるが、何の手がかりもなく、やむなくカークは調査班を一時エンタープライズへと退避させた。

 ところが、その直後からエンタープライズの各機能に異常が現れ、生命維持装置に未知の機械が連結されているのが発見された。----船に目に見えない侵入者がいるのだ。カークはその対策に頭を悩ますが、会議中コーヒーを飲んだ直後今度はカーク自身がその場から消失してしまった。

 それは加速された次元に入ったためで、カークはディーラと名乗るスカロス人の女王に出迎えられた。かつては、スカロス人も並の人類型宇宙人であった。ところが、ある時起きた火山の大爆発がその文明を絶滅に追いつめた----水は汚染され、放射能が漏れていつしかスカロス人は加速された世界に生きるよう変化してしまったのだ。子供は全滅、女性の大部分は子供が産めなくなり、男性も生殖能力を破壊され、結局生き残ったのはディーラ達五人の人間だけであった。

 それで、種族保存のため宇宙船が来る毎に救難信号で呼び寄せ、新しい男性を捕らえていたのである。しかし、次元の差で外部の人間はすぐに老化する運命であった。わずかの傷で老死するコンプトンを見てカークは愕然とするが、ディーラは配偶者として今の地位に甘んずるようカークを説得する。しかし、例の未知の装置でエンタープライズを凍結させ、男性の保存庫と化そうとしていることを知ったカークは、転送機を故障させて時を稼いだ。

 一方マッコイとスポックは、カークの飲んでいたコーヒーを分析し、消えた原因がスカロスの水である事を知り、その中和剤を完成させた。----中和剤を携え、加速された次元に突入したスポックは、カークを助け彼女らスカロス人を惑星へと転送し、エンタープライズを救ったのである。
 


第67話「恒星ミナラの生体実験」

 注:日本での放映タイトルは「恒星ミナバの生体実験」だったが、他の資料にもって本誌は本文のようにタイトルを変更した----と参考にしている本に書かれていました。


 エンタープライズは、ミナラ恒星系第三惑星に到着した。このミナラ恒星系は以前から新星に変わる兆候を示しており、その観測のため六ヶ月前調査ステーションが作られた惑星であった。しかし、恒星の終焉が間近に迫ったため、調査員撤退の指令が出てエンタープライズがその収容にやってきていたのだ。ところが、何の応答もなくカーク、スポック、マッコイの三人がステーションへと降り立った。----そこには、調査員の姿もなく、記録装置には怪光線で彼等が消える場面が残っていた。そして、カーク達も又同じ怪光線で惑星の地下に運ばれてしまった。

 そこには人類に似た女性がいたが、彼女は口をきくことが出来ず、カークに触れただけで傷を治したことから他人と敏感な神経で心を触れあわせ、その傷や病気を治す特殊なエンパス能力者であることがわかった。

 さらにバイアン人と名乗る異様な人物が二人現れ、カーク達を呼んだのはある実験を行うためであることを説明した。カーク達は、このバイアン人の理不尽なやり口にジェムと仮に名付けた女性を連れて脱出をはかるが失敗。他の三人の釈放を条件にして、自らカークは実験体に志願するのだった。しかし、バイアン人は約束を破りカークだけの実験では満足せず、もう一度の実験体を求め、四人に迫った。

 カーク、スポック、マッコイはお互い自分が犠牲になろうとするが、マッコイは二人に薬を注射して自分を実験体とした。
 気がついた二人が駆けつけたときには、マッコイは瀕死の状態で、怒ったカークはバイアン人に実験の真の目的を詰問した。

 バイアン人は、彼等がこの恒星系で宇宙航行のできる唯一の種族で、ジェムの種族が生き残るに値するかどうか、つまりカーク達の持っている生存への意欲や、仲間への愛情、同情など「人間の心」を持っているか、あるいは持ちえるかで彼女の種族を助けるかどうかを決定する実験だと説明した。

 はじめ自己保存の本能で迷っていたジェムも、遂にマッコイの傷をわが身に受け倒れ伏した。カークは実験の非情さを責め、お前たちこそ愛情や思いやりが判るのかと詰問、実験でジェムの種族の可能性を知ったバイアン人はカーク達を釈放し、ジェムを連れていずことなく姿を消したのである。