本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULE」をご覧下さい。
ここでは第59話-第61話までをお楽しみ下さい。
「Mini Episode」もよろしく。
第59話 「悪魔の弟子達」(AND THE
CHILDREN SHALL LEAD)
監督:MARVIN CHOMSKY/脚本:EDWARD J.LAKSO
第60話 「美と真実」(IS THERE IN
TRUTH NO BEAUTY?)
監督:RALPH SENENSKY/脚本:JEAN LISSETTE AROESTE
監督:VINCE McEVEETY/脚本:LEE CRONIN
惑星トリアカスの科学植民地から緊急連絡を受けたエンタープライズは、急遽トリアカスへ向かいカークとスポック、マッコイ達がその地表に降り立った。そして、そこでカーク達が見たのは驚くべき光景----集団自殺の現場だった。
生き残っているのは子供達だけで、しかも子供達は親の悲劇を何も知らぬかの如く、楽しそうに遊び回っている。マッコイの意見通り、あまりの悲しさが彼等の心を変えてしまったのだろうか----それとも。
子供達をエンタープライズに収容したカークは調査を開始し、集団自殺を遂げた探検隊の聡明なリーダー、スターンズ教授の記録から何か、目に見えない不思議な力で何者かの手先にされそうになり、彼等が自ら死を選んだ事を知った。だが、子供達は何故何事もなかったように笑い声をたてているのか----これは誰にも解けぬ謎だった。事件の全ての鍵は、あの子供達がにぎっていると考えたカークの判断は正しかった。
トリアカスの文明は、常に戦いを好み略奪を繰り返していた。しかし、その悪魔の文明も遂に亡びる日が来た----ただ一人、洞窟に逃れ実体を失いながら媒体となる者を待ち、その者に取り付いて再び宇宙を支配せんとした一人を除いて。この星域に語り継がれたこの恐るべき伝説は真実だったのだ。
子供達は悪魔ゴーガンの甘言につられて力を与えられ、手先となっていたのだ。ゴーガンの目的は、やがて全宇宙に自分の王国を建設することだったが、その第一歩としてトリアカスで子供達を手先とし、エンタープライズを占領して人口何百万というマーコス12へ飛ぼうと企んだのだ。ゴーガンはその星で、百万の手先を作るつもりであった。----この計画は成功し、子供達は悪魔に与えられた「恐怖で心を操る力」で加藤やチャーリー達乗員の皆を自由にし、船をマーコス12へと向かわせた。
しかし、恐怖に打ち勝つずばぬけた意志力の持ち主もいた。カークとスポックである。二人は子供達とゴーガンに対決、両親達の集団自殺のフィルムを見せて、あやつられている子供達にゴーガンの真実の姿を気づかせた。子供達の流す涙の中に光る、人間の心の前にゴーガンは敗北し、力を失い次第に醜くなって消えていくのだった。
エンタープライズは宇宙会議に出席したメデューサ代表を母星へ送り届ける任務を受ける。メデューサ人は銀河系において最高に思考能力の発達した種族であるが、その形態は人類とは全く異なる。人間がそれを肉眼で見れば、あまりの醜悪さに発狂してしまうといわれる生物であった。そのために特別の容器に入れられており、つきそいとして美貌の女性心理学者ミランダ・ジョーンズ博士が同行していた。
ミランダは、生まれつきテレパシーの持ち主でメデューサ人と精神的に交流するため四年間、バルカン星で訓練を受けたのだが、バルカン人の血をひくスポックに出会い彼の能力に大きな敵対心を燃やすのだった。
一方メデューサ人が開発した恒星間航法の研究のため、同行していた技師のマービックはミランダに恋しており、彼女に冷たくされたのを恨んでメデューサ人のコロス大使を殺そうとするが、その姿を見て発狂してしまうのだった----。狂ったマービックは、機関室に入って暴れ始め、でたらめに操作し始めたためエンタープライズは銀河系を飛び出してしまい、未知の時空をさまよう結果になってしまった。
エンタープライズを元の銀河系の軌道に戻すためには、より進んだメデューサ人の航法を取り入れるしかなく、スポックはバルカン人の精神融合でコロス大佐と一体化することをカークに申し出た。しかし障害があった。ミランダである。
自分の方がその役割にふさわしいと強硬に反対するミランダだが、マッコイは彼女が盲目である事実を明らかにし、宇宙船の操縦は無理だと彼女の意見を押さえつけた。メデューサ人と融合したスポックは、見事な操縦で無事エンタープライズを銀河系に戻すが、融合を解いたスポックがうっかりバイザーを忘れてコロス大佐を見たため、精神錯乱を起こしてしまった。
スポックは暴れ、フェイザーの麻酔で捕らえられミランダによってバルカン式の精神治療が加えられた。しかし、ライバルのスポックの治療に熱意を見せないミランダをカークは激しく責めた。盲目のため、心がかたくなになり、心の目までも閉じてしまっているのだ。ミランダは自分の過ちに気づき、全力を尽くしスポックも全快する。ミランダは、人間の心に目覚め、スポック達に祝福され任務へと旅立っていった。
エンタープライズは、地球が属する惑星連邦の船が一度も訪れたことのないメルコト星と、平和な関係を樹立するために初の使節としてメルコト星に向かっていた。しかし、メルコト星の宇宙ブイは、エンタープライズに去ることを警告。最初にして最後の警告と返信に何の応答もなかった。
カークは接近を強行してスポック、マッコイ、チャーリー、チェコフを率いてメルコト星へと降り立った----霧に包まれた地表。メルコト人が出現し、警告を無視した以上死を宣告すると、カーク達のいいわけを聞かず、五人をある場所へと移動させるのだった。----そこは地球なのか?
カーク達五人は、今アメリカの開拓期西部の街にいた。1881年10月26日、アリゾナのトムストーンの街、中途半端な作りはどうやら地球のデータが無いからで、カークの記憶から引き出したらしい。しかし、罰にはこれで充分ということなのだろうか。五人は腰にフェイザーの代わりに開拓時代の銃を下げていた。そして、街に入った五人は街の人間が自分たちをクラントン一家として見ていることに気がついた。
カークは思い出した。この街はOK牧場の決闘があった街で、今日の午後5時起こるその決闘でクラントン一家がワイアット・アープ達に殺されることを。
街から出ようにもバリヤーが張られ、誤解を解こうとするカーク達だが、その途中、チェコフが無惨にも射殺されてしまった。哀しみに沈みながらも、歴史が変えられる可能性(チェコフが間違われていたビリーは、本当の歴史では決闘で殺されなかったのだ)に気づいた四人は、手製の麻酔用の手投げガス弾を作り上げた。しかし、効果は完璧なはずなのに何の影響もない。
スポックは気づいた。全てが思いこみによる幻想だということを。弾丸が当たったと思ったからチェコフは死んだのだ。
OK牧場にアープや、ドク・ホリディが迫る中、カークはスポックにバルカン催眠術をかけさせ、これは幻想だと信じさせ、この決闘での死者を危機一髪でゼロにしたのである。----次の瞬間、カーク達五人はエンタープライズ内にいた。自分達の危機にも相手を殺すまいとするカーク達の行動に、メルコト人も歩み寄りを見せ、惑星連邦との交渉を承諾したのである。