TV Episode

2nd season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第51話-第53話までをお楽しみ下さい。
Mini Episode」もよろしく。

第51話 「宇宙300年の旅」(BY ANY OTHER NAME)

監督:MARC DANIELS/脚本:D.C.FONTANA,JEROME BIXBY/原案:JEROME BIXBY

第52話 「細菌戦争の果て」(THE OMEGA GLORY)

監督:VINCE McEVEETY/脚本:GENE RODDENBERRY

第53話 「恐怖のコンピュータ M-5」 (THE ULTIMATE COMPUTER)

監督:JOHN MEREDYTH LUCAS/脚本:D.C.FONTANA/原案:LAWRENCE N.WOLFE


第51話「宇宙300年の旅」

 遭難信号を受けたカーク達は、ある惑星に上陸した。しかし、その前に現れたロージャンとケリンダと名乗る男女は、エンタープライズの明け渡しを要求する。ベルトの中央プロジェクターの光線で硬直化するカーク達。彼等は300年前にアンドロメダを出発したケルバ帝国探査隊の子孫であった。アンドロメダが一万年以内に放射能汚染で亡びるため、移住先を探していたのだ。彼等の船は、銀河系の境界エネルギー障壁で破損し、五人がこの星へ脱出した。彼等は銀河系をその侵略目標に決定した。その知らせのためにエンタープライズが必要なのだ。

 カーク達は、牢に閉じこめられハナール、ドレア、トマールの手で占領されたエンタープライズでは、エンジンの改良が進められていた。精神交感を試み、強烈な精神にはねとばされるスポック。しかしスポックは瞬間見た----何十という触手を持つ巨大なケルバ人の実体を。

 カークの反抗を怒るリーダーのロージャンは、シェアとレスリーを小さなブロックに凝縮、もろくも崩れさるレスリー・・・・復元されるシェア。それは恐るべき戦慄の科学だった・・・・・。

 ケルバへの300年の旅が始まった。意志力による昏睡状態に入ったスポックは、病気と偽る間に船内を探り、技術部に彼等のエネルギー源を発見する。しかし、特殊な物質で守られているため破壊は不可能だった。最後の手段として立てられる自爆計画。マイナスのエネルギーを持つ例の障壁を抜ける際、動力炉をプラスのエネルギーで満たすのだ。

 しかしロージャはその捨て身の計画を看破し、不要人員を次々とブロックに変え始めた。----スポックはその頃、興味深いあることを発見する。人間になる際、元の知能を残すため犠牲にした五感や感情が彼等五人に芽生えつつあるということだ。かくて各人の攻撃が始まる。マッコイは必要だからと、何本も興奮剤を注射し、チャーリーは浴びるほど酒を飲ませ、カークがケリンダを誘惑し、ロージャンがその嫉妬に狂うと言った具合だ。

 作戦は成功し、ロージャンは自分たちが人間化したことを知る。カークは新しい人類の星を作るよう彼等を説得した。侵略ではなく、平和的移住の提案を乗せた無人宇宙船がアンドロメダへ出発したのは、それから間もなくのことだった。
 

第52話「細菌戦争の果て」

 エンタープライズは惑星オメガ4の軌道に漂う同型艦エクセターを発見する。400名を越す乗員は、水分を失い白い結晶と化して死んでいた。船医カーターの記憶から、原因が伝染病と知り愕然とするカーク。カーターは惑星へ降りろ、船に戻るなとテープに言い残していた。

 忠告通り地表へ降りたカーク達は、そこでコム族を率いるエクセター船長のトレーシーに出会った。病原菌の源はこの星であった。ドクター・マッコイは急造ラボで研究に没頭する。

 また、スポックはコム族と戦うヤン族に襲われるが、その何百という死体の間にトレーシー船長のフェイザー・パワーパックを発見した。----明白な内政干渉であった。トレーシーはこの星の住民が、一千年以上生きることを知り、マッコイの力でその秘密を探り出させようとしていたのだ。自分の行為がバレたのを知り、カーク達を捕らえるトレーシー。エンタープライズには、船長達は危篤になったと連絡、その場を取り繕った。ヤン族のクラウドとシラの牢へ入れられたカークは、何度も襲われるが自由という言葉を口にした途端、襲うのをやめた。それは神の言葉だという。

 三人は協力して牢を破るが、カークは殴られて気絶、覚醒したカークはスポックと共にラボへ向かった。マッコイは全ての原因を細菌戦争と説明した。ビールスはなお健在だが、時間と共に自然が食物や人体に免疫物質を作り出したのだ。だからこの星でなければ、どんな成分も意味はなくすでにカーク達の体内でも免疫でビールスは死んでいたのだ。

 脱走したクラウド達のため、コム族は罠にはまり壊滅的打撃を受け、カークやトレーシーはヤン族に捕らえられた。裁判所に連行される一行。

 ヤン族、それは星条旗と米国憲法を信仰する種族だった。彼等の先祖がヤンキーであり、コム族の先祖がコミュニスト(共産主義者)であることは明らかであった。戦争が全ての記録を洗い流してしまったのだ・・・・・カークは神の言葉(米国憲法)の話をし、奴等は堕天使だとするトレーシーと対立、ついには決闘で勝負がつけられることになる。

 スポックの精神交感でシラは通信機のスイッチを入れ、危機一髪転送された加藤達が全てを決着させた。カークはその書が万人のための書であることを説き、戦争をやめ、皆で新しい社会を作ることを勧めるのだった。

 

第53話「恐怖のコンピュータ M-5」

 宇宙ステーションから連絡を受けて急行したエンタープライズは、ウエズレー准将の突然の来訪を受け驚くべき任務が命ぜられた。エンタープライズがある特別な艦隊演習の標的艦に選ばれたというのだ。その演習の目的は、ディストロム博士が作り上げたコンピュータM5の性能実験であった。
 
 1/4世紀前、デュオトロニック理論を発表した博士は、弱冠24歳でZマグニー賞を受賞した----近代コンピュータの生みの親とも言うべき天才科学者だった。そして、彼が最近完成したM5こそ究極コンピュータの一つで、それ一台でパトロール船のコンピュータ活動を総括コントロールし、船内の全作業を代行する能力を保持していた。操艦に必要な人間はゼロで、まさにワープ航法以来の大発明であった。

 エンタープライズは、カーク達20名の重要メンバーを除く総員が退艦、博士自らの手でM5複合装置がセットされテスト演習が開始された。エンタープライズを襲う攻撃部隊を指揮するのは、ウェズレー准将である。果たしてM5はどこまで実力を見せてくれるのであろうか・・・・・

 M5は楽々とエンタープライズを操り、惑星アルファ・カリーナの軌道に乗せ、上陸班の人選を行った。当然ながら論理的なその人選は、カークやマッコイの上陸を不必要とみなし、その中に加えなかった。

 ディストロム博士は気むずかしい人間で、カークは気に入らなかったがA7コンピュータ一級技官の資格を持つスポックは、全面的な敬意を払っていた。博士の論理は、一通り目を通しているスポックだったのだ。

 その頃、各デッキが停電を始める。M5が余剰電力を自分に回すため、宿泊施設等不要な箇所の電源を切っているのだ。マッコイも診療室を追い出される始末だった。

 そんなとき、突然同型艦のエクスキャリバーとレキシントンが攻撃してきた。ウエズレー准将による予定外の奇襲作戦だ。即座にスクリーンを張り、見事に反撃するM5。その結果、操船の的確さと反応速度に於いて、M5は機械の優位性を証明した。ウエズレーがM5への賛辞とともに、カークをからかう通信を送ってきた。ダンセル船長によろしく----宇宙艦隊士官学校の候補生達が使う言葉で、無駄な存在という意味だ。カークは船が人手に渡ったような寂しさと、自身の無力感を感じていた。

 しかし、前方に古い無人鉱石輸送船ワルデン号が現れたとき、カークはその感慨を全面的に撤回せざるを得なくなった。M5は全面攻撃態勢で、狂ったように暴走を始め、コントロールを譲ることを許さず、フルパワーの光子魚雷で輸送船を木っ端みじんに吹き飛ばしてしまったのだ。

 カークは驚いて演習を中止し、M5のスイッチを切る指令を出すが、M5は電磁スクリーンで防衛し、スイッチを切ることは不可能になってしまった。エンタープライズは、完全にM5の手中に納まってしまったのだ。

 基本回路を外そうとした隊員が消滅し、M5はワープエンジンと直結して無限のエネルギーを取り入れ始めていた。茫然となるディストロム博士----スポックとチャーリーは苦心の末、回路閉鎖機をセットするがM5はあざ笑うかのように回路をいち早くバイパスとしていた。生きた回線に見せかけた陽動作戦だったのだ。

 M5は人間の思考パターンを機械に与え、増幅することによって大脳神経細胞に酷似した作用を持つに至った考える機械なのだ。カーク達がそのことに気づいたとき、エンタープライズは演習空域に突入した。無防備の艦隊四隻に最高レベルのフェイザーが次々と襲いかかる。

 レキシントン、エクスキャリバーから多数の死傷者を奪ったM5は、退却するフッド、ポテムキンを追撃する。カークは博士にM5の説得を要求した。M5は博士の思考パターンが与えられていた。説得できるとしたら博士しかいない。だがそれは、自分を説得するのと同じで、博士はあまりの出来事に精神分裂に陥ってしまった・・・・もう望みはないのか。

 一方報告を受けた司令部は、エンタープライズの破壊を許可し、ウエズレー准将は、攻撃のため艦隊を整えつつあった。

 カークは、M5の狂気が若くして最高位を究めた博士の焦燥と、強迫観念をもとにした死への恐怖や、保身本能であることにようやく気づいた。生命の尊厳を知るM5に、彼が犯した大量の殺人をつきつけ、罪の意識を持たせようとするカーク----説得が功を奏し、良心に目覚めたM5は、自らの生命を絶った。----停止すると同時に、船の防御スクリーンを解除させるカーク。間一髪、それを見たウエズレーは攻撃を中止した。

 カークはよく知っているウエズレー准将の人間性に賭けたのだ----それは、機械にない、人間だけがもつ感情であった・・・・。