TV Episode

2nd season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第48話-第50話までをお楽しみ下さい。
Mini Episode」もよろしく。

第48話 「カヌーソ・ノナの魔力」(A PRIVATE LITTLE WAR)

監督:MARC DANIELS/脚本:GENE RODDENBERRY/原案:JUDD CRUCIS

第49話 「地底160キロのエネルギー」(RETURN TO TOMORROW)

監督:RALPH SENENSKY/脚本:GENE RODDENBERRY

第50話 「エコス・ナチスの恐怖」 (PATTERNS OF FORCE)

監督:VINCE McEVEETY/脚本:JOHN MEREDYTH LUCAS


第48話「カヌーソ・ノナの魔力」

 クリンゴンと地球連邦が不干渉協定を結んだ未開の惑星を、13年ぶりに訪れたカークは、以前来たときは鉄の使用を始めたばかりの文明が、早くもフリントロック式の銃を使っているのを見て愕然となった。

 かつてカークは、地球の報告書にこう書いた。「住民は多くの面で地球人に優り、いずれ豊かな文明社会に発展する」と。個人でも部落間でも争いはなく、静かな平和な世界だった。ところが今では、村と山の二手に別れて抗争を繰り返していたのだ。何が起こったのだろうか?

 抗争に巻き込まれ、村の部落の銃弾でスポックが倒れた。急ぎ船に戻ったカークは、重傷のスポックを治療に専念させ、惑星周辺の調査を急いだ。惑星の反対側の軌道にクリンゴンの宇宙船を発見、カークはクリンゴンが協定を破り、村の住民に銃の製造法を教えたのではないかと考え始めた。

 カークはその調査のためにマッコイと共に惑星に戻るが、怪獣ムガートに襲われその毒牙を受けて重傷を負ってしまった。エンタープライズは軌道を離れているため、連絡がつかなかった。カークは山の部族にタイリーという知り合いがいるのを教え、マッコイは山の部族へとカークを運んでいった。

 タイリーは今や山の部族の長であり、彼の妻ノナはムガートの毒を消せる呪術師の一族カヌーソの一員であった。ノナは好戦的で、夫タイリーの平和を愛する気持ちと対立し、力で争いを解決しようと考えていた。

 カークはカヌーソであるノナの治療で、ムガートの毒から助けられた。そして、その見返りとしてノナが要求したのは、火を吹く筒----銃であった。カークはさらにこの世界に武器を与えることを憂慮し、固くその要求を断った。カークは村に出てクリンゴンが武器を作る技術を渡していたことの証拠の数々をつかんだ。

 カークは熟考の末、この星の二大勢力のバランスをとろうと銃の協力に踏み切ることにした。しかし、ノナの望みは銃以上のフェイザーであった。現れたムガートとの戦いで失神したカークからフェイザーを奪っていくノナ。しかしその結末は死であった。妻の死に戦うというタイリー。フリントロック銃百丁を重い心でタイリー達に渡すカーク----楽園に新たなヘビがまかれ、戦いは永遠に「死」まで続くのか・・・・。

第49話「地底160キロのエネルギー」

 謎の救難信号を受信したエンタープライズは、発信地へ向かったがそこは一匹の生物もいない不毛の惑星であった。カーク達を呼び寄せたのはサーゴンと名乗る存在であった。彼に導かれ惑星の地下に降り立ったカーク達は、サーゴンが球形の容器に閉じこめられた純粋エネルギーであることを知る。

 サーゴンも過去には体を持っていた。彼の種族は地球人によく似た肉体を持ち、宇宙船を駆っては多くの惑星に植民していた。----地球人やバルカン人は、彼等の子孫かもしれない----だが、彼等はお互い同士で争い始め、50万年前に大戦争を起こして滅亡してしまったのだ。

 少数の生存者は、自らを純粋なエネルギーに変え、いつか子孫の訪れる日を待って眠りについたのである。サーゴンとその妻クラッサ、そしてヘノックの三人はその生き残りだった。

 サーゴン達の希望は、カーク、スポック、及び宇宙生物学者アン博士の肉体を借りることだった。三人の肉体に乗り移って彼等が恒常的に移住し、生活できるアンドロイドを作りたいというのだ。カークは、彼等から得られる知識を考え承諾する。

 球体が船内に運び込まれ、転移が行われるが、サーゴンらのエネルギーが強すぎスポック以外の体は転移に耐えきれなかった。そこでスポックに転移したヘノックは、他の二人に新陳代謝減少薬を作り、ダメージを和らげるが生身の体を出ることを望まぬヘノックは、サーゴン暗殺を企んで薬に細工をした。そしてタラッサを仲間に引き込もうと図り、彼女に生きた肉体のすばらしさを吹き込んでいった。

 ヘノックの薬のためにサーゴン・カークは倒れた。嘆くタラッサ。だが生きた肉体の魅力に惹かれた彼女は、マッコイに夫サーゴンを裏切りカークを甦らせる変わりに、アンの体を譲るように迫った。拒否するマッコイにタラッサは怒りを爆発させるが、やがて怒りも静まり自分を取り戻した。----他人の体を奪うことは出来ない・・・・。

 一方サーゴンはエンタープライズ自体に転移して生きていた。彼はタラッサと協力してヘノックを倒そうとする。ヘノックはエンタープライズを乗っ取ろうとしていたのだ。サーゴン達は、球体を打ち壊し、毒を注射したとヘノックを偽って彼をスポックから追い出して、殺すことに成功した。

 人間の間に留まることはできないと悟ったサーゴンとタラッサは、カーク達に別れを告げ忘却の中へと消えていった・・・・。
 

第50話「エコス・ナチスの恐怖」

 エンタープライズはセオン星を越え、エコス星に接近していた。五年前に秘密裏に文明発展を見守るオブザーバーとして、エコス星に派遣された地球の歴史家ジョン・ギルが連絡を絶ったためだ。ところが、接近するや熱原子核爆頭ミサイルの攻撃を受けた。カークとスポックは万一のことを考えて体にトランスポーターを埋め込んで、エコス星へ降下した。

 そこに二人が見た物は、第二次世界大戦のドイツそのままにファシズム吹き荒れるエコス・ナチスの世界だった。

 総統と鉤十字の旗の下、隣の惑星ゼオン人の掃討作戦を行っていた。そしてその総統こそ、ギル教授その人であった。

 二人は軍服を奪い、司令室へ侵入しようとするが、スポックが見破られ捕らえられた二人は親衛隊の厳しい拷問にさらされた。スパイとして収容所に入れられたカーク達は、そこでゼオン人イサックからギルの赴任とナチの台頭が時期を同じくすることを知らされる。三人はスポックのトランスポーターから急造したレーザーで牢を脱出、研究所へ向かうが通信機も銃もすでに分解された後であった。

 車を奪ったカーク達は、セオン人の地下組織と接触した。ナチの第二書記にして抵抗運動の女闘士ダラスの協力で、カークとスポックは総統誘拐を計画、大胆にも報道記録班に化けて司令部の演説会場へ潜入した。しかし出会ったギルは、薬物で屍同然であり、ナチの実体が副総統のメラコンであることをカークは知った。カークは修理した通信機でマッコイを呼び、その頃編集されたギルの演説が会場を流れ、満場は熱狂の最中だった。

 メラコンはゼオンに戦線を布告、マッコイの刺激剤とスポックの精神接触でようやくギルは覚醒した。時すでに遅く、最終兵器を積む宇宙艦隊がゼオン目指し発進していった。野蛮な星エコスを指導するため、教授は禁じられている内政干渉を侵し、ずばぬけた能力を持つナチの国家形態からサディズムを抜き、有用な面を生かそうと考えたのだ。しかし、全てメラコンに利用されてしまった。カークは国民に真相を知らせるべく、総統と共に放送室へ向かった。親衛隊でも彼等を助けたエニッグ議長の協力と、スポックの時間稼ぎが成功し放送が開始された。

 メラコンは逮捕され、ギルもまた力つきて倒れるのだった。歴史の過ちは、二度と繰り返してはならないと言い残して。