本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULE」をご覧下さい。
ここでは第42話-第44話までをお楽しみ下さい。
「Mini Episode」もよろしく。
第42話 「復讐!ガス怪獣」(OBSESSION)
監督:RALPH SENENSKY/脚本:ART WALLACE
第43話 「惑星アルギリスの殺人鬼」(WOLF
IN THE FOLD)
監督:JOSEPH PEVENEY/脚本:ROBERT BLOCH
監督:JOSEPH PEVENEY/脚本:DAVID GERROLD
カークとスポック等上陸班は、未調査の惑星でダイヤの21倍も硬い鉱物・トリタニュームの鉱脈を発見する。その時、カークは背後に甘い芳香を嗅いだ----忌まわしい記憶が甦り、カークは急いでリッツォ少尉達にダイキロニュームの反応を探させた。
そしてガス状の雲を見つけたら、すぐフェイザー攻撃を命令を与えた。スポックは、ラボの実験にしか使わない物質に何の用があるのかと・・・。しかし、反応を見つけた途端、奇妙な雲に包まれた二人の隊員は全身が真っ白の死体と化し、リッツォ少尉もまた重体となった。
カークは一つの確信を得、エンタープライズに全員を退避させ事件の調査を開始することを命じた。驚くスポックやチャーリー。今のエンタープライズには七時間後にヨークタウンとランデブーし、惑星セータ7に届ける緊急医薬品を届ける重要な任務があったからだ。時間通りに運ばないと、ワクチンは分解する恐れがあると忠告するマッコイ。
しかし、カークは11年前に宇宙艦隊で同様の事件があり、何としてもこの事件の犯人を捕らえる覚悟であることをマッコイに説明した。隊員の死因は、全ての赤血球を奪われたことで、リッツォ少尉も密のような匂いと言い残して死んでいった。
カークはリッツォの親友ガロビック少尉を出頭させ、特殊爆破用フェイザーで武装した上陸班を編成、再び地表に降り立っていった。ダイキロニューム反応を探るカーク達だが、例の雲が現れたとき、驚いたガロビックの発砲が遅れたため再び隊員が死亡してしまった。自分の責任と思い詰めるガロビックに、カークは非情とも思える自室謹慎を命じた----いらだっていくカーク。カークはどうしたのだろうか。
一方、カークに聞いた過去の宇宙艦隊の記録テープを調べていたマッコイは、一人の若い士官の記録を発見した。11年前、その少尉はファラゴット号でガロビック船長のもと、フェイザー砲を担当していた。そしてタイコム恒星系第4惑星で例の怪物雲にファラゴット号が出会ったとき、彼の発射が一瞬遅れたため船長以下200名が死亡してしまったのだ。少尉の名はジェイムズ・T・カーク----死亡した船長は、ガロビック少尉の父親であった。カークの執念にも似た行動の理由を知ったマッコイは、スポックと共にカークに休息を勧めた。しかしカークは頑として悪魔とも言うべき怪物を抹殺する決意であった。
そんなとき、怪物が宇宙へ向かったことが判り、追撃させるカーク。だが怪物は身体の構成要素を物質とエネルギーの中間に変化させ、重力を推進力としてすさまじいスピードで進んでいた。ワープ8ですら一向に近づけず、エンジンが爆発しかけたためやむなくワープ6に減速させるカーク。
その頃クリスチンは自室で沈み込んでいるガロビックに食事を持っていくが、壁に投げつける始末だった・・・・。戦いは長期戦かと思われたが、怪物は速度を落とし攻撃に転じた。フェイザーと光子魚雷で総攻撃をかけるエンタープライズ。だが、全ての武器はガス状となった身体を突き抜けてしまい、怪物は船の電磁スクリーンに取り付いた。平然とスクリーンを突破する怪物・・・
カークは全ハッチと換気口の閉鎖を命じるが、敵は第二補助エンジンの排気口から侵入し、乗員二名を襲い換気装置に潜り込んだ。放射能廃棄物を投下させるカーク。しかし、それで倒れる相手ではない。
その時、ガロビックを訪ねて彼を慰めていたスポックは、換気口から侵入する怪物に気づいた。先程投げつけた食器が換気スイッチを壊していたのだ。----少尉を逃がし、扉を閉めたスポックの身体を包み込む怪物。即座にカークは室内に減圧をかけ、怪物を吸い出す。幸いにも人間と違う緑色の血が嫌われたのか、スポックは無事であった。残臭の微妙な変化に気づいたカークは、わざと逃げ道を作り敵を逃がした。
怪物は、たちまちレーダーの範囲外に逃げ去った。急ぎダイコム星系へ向かう命令を出すカーク。怪物の匂いから直感的にカークは繁殖のため「故郷」へ帰る怪物を感じたのだ。あの怪物が何千にも増える可能性に愕然とするカーク。
カークは遂に30グラムでコバルト爆弾の一万倍の破壊力を持つ反物質の使用を決意した。ガロビックを助手として、反物質と餌の血液を手に第4惑星に降下するカーク。しかし、血液はたちまち吸収され、自分の身体をエサにしようと争うカークとガロビック----その時出現する怪物。カークは爆破を命じ、二人の転送と惑星の半分が揺らいだ超爆発と、ほとんど同時のことであった。恐ろしい衝撃波の中で必死に転送回路を操作するスポック。二人はやっと宇宙の中から掻き集められ、復元した。カークの長い、執念の戦いが、今ようやく終わったのだ。
カーク達は星ぐるみ巨大な歓楽街として知られる、別名”快楽の星”アルギリスを訪れていた。女性渇望賞に侵されているチャーリーの治療がその目的だ。それは、一種の神経症で、高じると女性を憎むようになる病気だった。治療は順調で、船長の紹介で酒場の踊り子カーラを知ったチャーリーは、陽気に彼女と腕を組み、夜霧の街に消えていった。
次の瞬間、女の悲鳴が起こり駆けつけたカーク達は、めった刺しで殺されているカーラと、血に染まったナイフを持ち、死体の側に立つチャーリーを発見した。何の記憶も無いというチャーリー。200年ぶりの殺人事件で、捜査は惑星リーゲル出身のヘンギスト市長の指揮下で行われることとなった。
他の容疑者二人は、被害者の父タークと、婚約者モーラでやはりチャーリーが一番怪しかった。カークは心理分析を女性隊員のトレーシー中尉に行わせるが、再びチャーリーと二人の時に、彼女は殺されてしまう。現場は行政長官ザリスの家であり、ザリスはこの連続殺人事件を解明するため、妻シーボの家に古くから伝わる感情移入の儀式を試みた。
一同が闇の中で手をつなぎ、炎をにらむシーボは、ベラティス、ケスラ、レジャックという悪魔の名をつぶやき----そして三度チャーリーの腕の中でシーボは死体と化していた。
重要な宇宙基地となるこの星との国交断絶とも叫ばれる事態に、カークはコンピュータによる調査を要請した。審理の場はエンタープライズに移り、シーボ夫人の言葉の意味が判明した。レジャックとは切り裂きジャックの別名であり、ベラティス、ケスラも共に有名な銀河系の殺人鬼の名であった。地球とその殺人が起きた星は、一直線に並び、そこにはアルギリスもあった。一年前の事件はリーゲル4号で起こっていた。カークはヘンギストに疑いの眼を向ける。はたしてカークが彼の正体をあばくと、殺人鬼であったヘンギストの正体は、エンタープライズのコンピュータに乗り移ってしまった。
自由落下、酸欠と恐怖を食べる化け物は、次々と乗組員を脅すが、マッコイの精神安定剤が皆を陽気にし、恐怖は生まれなかった。パイ(π)の計算をされて、コンピュータから追い出された化け物は、再び市長の死体に戻った。カークはヘンギストを拡散転送し、化け物ごと何十億という分子にして宇宙空間にばらまいたのである。
破滅を意味する第1級救難信号を受信したカーク達は、全速で宇宙ステーションK7へ急行した。23年前のドナテュー5号戦争以来、シャーマン惑星の領土権をめぐる地球連邦/クリンゴン間の紛争が続いている地域だ。
が、通信はシャーマン惑星開発計画を指揮する連邦宇宙次官バリスが、麦の貯蔵室警備を依頼するために発したものだと知る。カークは怒るが、惑星をより有効に開発した方に領土権が依託されるとオルガニア平和条約にある以上、惑星で唯一生育可能な地球穀物クアドロトリティケールの搬出に、クリンゴン側の妨害工作が予想されるのも事実だった。
カークは、ルリー所長の顔を立て、保安員を二人派遣して、全員に休暇を出した。買い物に余念がないウラは、怪しげな行商人シラノからゴロゴロと喉を鳴らす可愛いトリブルをプレゼンとされて大喜びである。そんなとき、K7上空にクリンゴンが現れコロス艦長一行が休養と称して上陸してきた。
24時間監視態勢を敷くカーク。一方ウラの持ち込んだトリブルは、いつのまにか増えて、艦内の人気を集めていた。マッコイの調査の結果、両性を有するこの奇妙な球体は、新陳代謝の50%が繁殖用で生まれながらに子供を持ち、自由に生むことが出来るのだった。トリブルはK7でも爆発的に増えていたが、クリンゴンにだけは怒ったような声を立てて近寄らず、クリンゴンもこの動物を嫌っていた。
折りもおり、船を侮辱されたチャーリー達がクリンゴン相手に殴り合いを演じ、両者の緊張は一気に高まった。このような精神状態に安らぎを与えるのがトリブルなのだが、廊下や水差しからあふれるようになっては大混乱である。シラノが敵の工作員と疑われるのも当然であった。
その時カークは、恐ろしい想像に襲われる。バリス達を連れて貯蔵庫へ急行するカーク。と、見よ!開けるや否や何百万という満腹のトリプルが転がり出たではないか。かき散らすバリス。が、スポックはトリブルの大半が死んでいるのを発見する。この謎を解くために関係者が一室に集められた。
何故トリブルは死んだのか?と、遅れて来たバリスの助手ダービンにトリブルが毛を逆立て、クリンゴンの工作員と判明した。ダービンは、血液の養分吸収を阻止する毒性ビールスを麦に注入していたのだ。敵の工作は発覚し、チャーリーは船中のトリブルを敵艦へ転送して鬱憤を晴らしたのだった。