TV Episode

2nd season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第36話-第38話までをお楽しみ下さい。
Mini Episode」もよろしく。

第36話 「惑星パイラスセブンの怪」(CATSPAW)

監督:JOSEPH PEVENEY/脚本:ROBERT BLOCH

第37話 「不思議の宇宙アリス」(I.MUDD)

監督:MARC DANIELS/脚本:STEPHKN KANDEL,DAVID GERROLD

第38話 「華麗なる変身」 (METAMORPHOSIS)

監督:RALPH SENENSKY/脚本:GENE L. COON


第36話「惑星パイラスセブンの謎」

 惑星パイラス7を調査中のチャーリー達上陸班が消息を絶ち、唯一ジャクソンだけが冷たい死体となって帰還した。その死体の口から恐ろしい呪いの言葉が吐かれる。

 カークはスポックとマッコイを連れて、惑星に上陸した。荒れ果てた薄暮の世界に風がなぎ、霧が渦巻いている。すると、その中から虚ろな妖怪の顔が三つ怪しく浮き上がる。「帰れぇ・・・」と、顔は呟くような声でカーク達に呼びかけ、ゾッとするような笑い声を残して消えていった・・・・。

 先には、中世風の古城があり入り口には黒猫の姿があった。地下牢、断頭台と城の中は幽霊屋敷さながらであり、人類の悪夢の固まりであった。床が抜け、カーク達は奈落の底へと転落していった。

 手足に枷をされ、地下牢に幽閉されたカーク達はようやく加藤とチャーリーに再会する。しかし二人は謎の男コロブに操られていた。カーク達は食卓に招かれ、コロブが杖を振るうや、山のような宝物やごちそうが出現した----まるで、魔法だ。続けて黒猫のような妖艶な美女シルビアが現れた時、カークはチャーリーの銃を奪って、攻撃に転じた。しかし、シルビアは静かにエンタープライズの形をしたブローチを取りだし、炎の上にかざした。たちまち焦熱地獄と化す本物のエンタープライズ・・・・・カークはその力に抵抗を断念した。コロブ達は科学や宇宙に関する何の知識も持っていなかった。すべて人間の潜在意識を利用した思念の恐るべきパワーであった。

 チャーリー達に続き、マッコイまでが彼等の貪欲な知識欲の犠牲になった。彼等の乱暴な 精神交換は人間を廃人と化してしまうのだ・・・・シルビアは続いてカークを招き寄せた。次々と美しく変身し、彼を誘惑するシルビア。カークは危険を覚悟で協力を拒否する。しかし、意外にもコロブが彼等を救った。コロブは人の心に触れる刺激と興奮の魅力に狂うシルビアを恐れていたのだ。カーク達を逃がしたコロブは、黒猫と化したシルビアに打ち倒された。

 全てのエネルギーの元であるトランスミュータの杖を手に入れるカーク。人間に戻り、止めようとするシルビアの前で、杖は打ち砕かれた。途端カーク達は何もない荒野に立っていた。目の前でまるで昆虫のようなヒヨワな生き物が二つ、哀れっぽく鳴き、そしてぺしゃんこに潰れて動かなくなった。

第37話「不思議の宇宙アリス」

 エンタープライズにノーマンという男が乗り込んできた。スポック以上に論理的な男だ。マッコイは精密検査を嫌う彼に疑問を抱く。そんな時、方向制御装置が何者かに壊され、艦は宇宙地図にない未知の惑星へと進み始めた。無理に制御しようとすれば爆発する、ノーマンの仕業だった。彼はカーク達を惑星へ連行すべく派遣された精巧なアンドロイドだったのだ。

 四日後、惑星についた彼等をハリー・マッドが出迎えた。宇宙の山師と呼ばれる男であり、20万からのアンドロイドを治めているという。お気に入りの美女アリスを500人も侍らせて、王様気取りである。惑星デネブの刑務所を脱獄して不時着した惑星に人のいいアンドロイドが大勢待っていたというわけだ。

 創造主アンドロメダ人の爆発したため、彼等は主人を失ったまま文化を維持してきたが、ハリーはその人間研究用の対象として迎えられたのだろう。が、ここの生活にも飽きたハリーは、カーク達を身代わりに奪った船をハーレムに仕立て、アリス達と共に宇宙を遊び回ろうと考えたのだ。一方マッコイはチャーリーは、ここの研究設備に魅せられ、ウラは脳を埋め込めれば5万年生きられるという機械の身体と永遠の美に惹かれてカーク以外の全乗員がこの惑星の虜となっていった。

 その間にもアンドロイド達は、着々と入れ替わり遂に船は占拠された。だが、ハリーが乗ろうとするや従順だった彼等が突如背き始める。恐るべきことに、彼等は人間に仕えている様に見せかけて、その実自分たちなしでは生きられないようにさせ、逆に人間を支配しようと企んでいたのだ。人間去勢による宇宙制覇の野望を知って、ハリーとカークは手を結ぶが、彼等の指令センターがつかめない。そんなときカークは不合理な質問をされたアリスが、ノーマンに問い合わせる事に気づく。彼等自身がノーマンを中心に連動した巨大なメカニズムの単位だと知ったカークは、アリス達への個別攻撃を開始する。

 歌い、踊り、愛し、憎しみ、嘘をつき、暴力をふるい、気まぐれに行動する。不条理かつデタラメなカーク達の行動や言動に引っ張り回され、アリス達は次々と倒れ、遂にノーマンも混乱し停止した。

 カーク達は船を取り戻し、再びハリーが惑星に残った。ただし、今度はうるさ妻のステラ型に何人も待たれ、アンドロイド達に悪い人間の見本を示すために・・・・。

 

第38話「華麗なる変身」

 カーク、スポック、マッコイの三人は病に倒れた連邦コミッショナー次官ナンシー・ヘッドフォードをエンタープライズで治療すべく、ガリレオで運んでいた。だが、その途中で不思議なガス状物体に捕まって、小惑星に強制着陸させられてしまう。

 小惑星には人間がいた。彼の名はゼフラム・コックレイン。150年前に死んだと考えられていた高名な科学者だった。彼は宇宙で遭難したとき、87才の老人だった。しかし、今カーク達の前にいるのは若々しい青年である。それは全てコックレインがコンパニオンと呼ぶガス状物体の仕業だった。

 コンパニオンは重傷を負ったコックレインを小惑星に連れて帰り治療し、若返らせたのである。以来彼は若さを保ったまま、コンパニオンに養われて生きてきた。だが、孤独に耐えられぬ彼が解放されることを望むと、コンパニオンは逆に彼の孤独を慰めるため、カーク達を連れてきてしまったのだ。

 その間にもナンシーの病状は悪化していく。カーク達は急いで小惑星を脱出しようとするが、コンパニオンはガリレオの機能を停止させてしまう。カーク達はコンパニオンを倒そうとして失敗した。次に宇宙翻訳機で交信を図った彼等は、コンパニオンの精神パターンが女性の物であることを知る。だが彼女はコックレイン以外の人間には考慮を払わず、カーク達を解放しない。

 カークは彼女の態度や様子から、彼女がコックレインに愛情を抱いていると考えた。だが、コックレインはこの考えに反発と嫌悪感を示す。カークは彼女に二人が本質的に異なる存在で、真の愛情はありえないと説得するが、それを聞いたコンパニオンはナンシーに乗り移ってしまった。

 仕事一筋に生きてきたナンシーは、愛情も知らず、孤独のうちに死にかけていた。だが、コンパニオンと合体したことで健康を取り戻し、愛情を知ることもできた。今や彼女はナンシーであり、コンパニオンでもあった。しかし、彼女は合体したことによってその能力を失ってしまった。

 コックレインはなおもためらうが、彼女の流した涙を見て彼女の払った犠牲の大きさと、愛情の深さに気づく。そして彼女が小惑星を離れれば、死んでしまうと知り二人でこの地に留まることを決心したのである。
 こうしてカーク達は、この愛の物語を胸に残して小惑星を離れたのであった----。