TV Episode

2nd season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第33話-第35話までをお楽しみ下さい。
Mini Episode」もよろしく。

第33話 「イオン嵐の恐怖」(MIRROR,MIRROR)

監督:MARC DANIELS/脚本:JEROME BIXBY

第34話 「死のパラダイス」(THE APPLE)

監督:MARC DANIELS/脚本:GENE L.COON,MAX EHRLICH/原案:MAX EHRLICH

第35話 「宇宙の巨大怪獣」 (THE DOOMSDAY MACHINE)

監督:MARC DANIELS/NORMAN SPINRAD


第33話「イオン嵐の恐怖」

 カークは、チャーリー、マッコイ、ウラ中尉を連れ、今惑星ハルカンにいた。ハルカン国から地球が属する惑星連盟に強力なエネルギーを持つディリシューム・クリスタルを提供してもらうための外交交渉である。しかし、ハルカン国はその提供を認めない。悪用されれば、永い平和の歴史が終わり、ハルカン文明が終わるからだ。カークは議会に再びの検討を依頼してひとまずエンタープライズに帰還した。

 惑星の周囲は、激しいイオン嵐が吹き荒れている最中であった。相当のショックが予想される中、カーク達上陸班がエンタープライズに帰還する。しかし到着したエンタープライズには、ある異変が・・・・「船長、いかがでしたか?」そう語りかけるスポックにはヒゲが生えており、その制服に
も微妙な相違が。そしてハルカンが非武装とカークに聞くや、スポックは惑星ハルカンへの攻撃を進言するありさまであった。

 カーク達の着ている服も違っている。カーク達に挙手の敬礼をし、見送る乗組員。乗員も船体の構造も変わってしまっていた。エンタープライズに何が起こったのか?

 転送のときめまいを感じた。あるいはイオン嵐の影響で、別の宇宙に存在する別のエンタープライズに飛びこんだのではないか・・・この事態は、そうとしか考えられなかった。カークは三人にそれぞれ調査を命じた。

 ウラはブリッジに戻り、本部の命令を確認する。チャーリーは、ハルカン星攻撃を防ぐため、フェイザー砲回路をショートさせる作業にとりかかっていた。ウラに言いよる加藤は、まるで別人の野蛮な性格の持ち主であった。

 カークはブリッジに戻った。元のエンタープライズに戻れる方法が見つかるまで、彼ら4人が別世界の人間であることを、悟られてはならない。ハルカン星を攻撃しようとする本部命令をなんとか回避しようと試みた。

 カークがもう一度、ハルカンと交渉するという話しに、もう一人のスポックはマユをひそめた。本艦隊は、他の惑星のみせしめにしろという命令を与えてきているのだ。それは重大な命令違反であった。

 ハルカン星の長老が通信に現れ、要求の拒否を伝えて来た。カークは12時間の猶予を与えるが、その先例の無い長時間の待機に、もう一人のスポックの疑いは深まった。カークは、チャーリーとマッコイを部屋へ呼び、エレベータにチェコフと同乗する。チェコフが無気味なことを言う。あなたが死ねば、我々の階級が上がるのだ。本艦隊の命令にそむいた船長を殺しても誰も問題にしないし、罪にもなりはしない。このエンタープライズでは、将校が手下を率いて自己の階級を上げるため、上官を殺すことなど日常茶飯事だったのだ。

 しかしさらにチェコフの手下のファーレが自分の手柄にするため、チェコフを裏切ってカークを助け出した。油断も隙もなくカークはファーレも共に監禁される。この世界を支配しているのは暴力と恐怖であった。

 状況を報告しあう三人。加藤はまるでゲシュタポのようであり、エンタープライズの乗員は全て凶悪な性格の持ち主と化していた。カークはコンピュータに元の世界に戻る可能性を計算させる。戻れる望みはわずかにあるという。

 その頃もう一つのエンタープライズでは、凶悪なカーク達がスポックの手で監禁室に閉じこめられていた。
 スポックは入れ違い現象に気付いていた。暗殺されないで幸いでしたと言うひげのスポック。彼はむしろ技術の方を担当していた方で、その方が暗殺される可能性も少ないと言う。いかにもスポックらしい論理的な考えだ。スポックは、バルカン攻撃を強く進言しつづけた。

 命令違反を続けるカークの立場は、しだいに危険になりつつあった。自室に戻ったカークを待っていた女性マルナ。どうやらもう一人のカークの情婦らしい。マルナはカークに抱きつき、その唇を合わせた。スポックからカークに連絡が入った。本艦隊からスポックに個人通信が入り、4時間以内にカークがハルカン攻撃をしなければ、彼を殺して船長となり、攻撃せよという命令だった。スポックは命令違反を承知で打ちあけたのだ。

 カークに決断の時は迫っていた。マルナはかつてカークが前船長のパイクを始め、敵を次々と殺して来たマジック・ウインドウを示して、これを使ってスポックを監視することをすすめた。捕らえた科学者に秘密裏に作らせたそのマジック・ウインドウは、ボタン一つ押すだけで船内の誰でも殺すことが出来た。スポックを殺しましょうかというマルナを止めるカーク。カークはこのスポックに興味があったのだ。

 元の世界に戻るために、転送装置にエネルギーを注入する準備がチャーリーとマッコイの手で進められていた。しかし、そのエネルギー移動は加藤の席に表示となって現れてしまう。頼みの綱はウラ中尉であった。ウラは彼女をくどこうとして果たせず、いらだっている加藤の席に近づき、加藤に甘い言葉をかけた。目をそらした瞬間、エネルギー注入が行われ、ウラはナイフで加藤を脅してその手を振りきることに成功する。

 カークの様子がいつもと違うことに気付いていたスポックは、転送室でカークを捕らえた。ハルカンから戻る途中で、何かが起こったことをスポックは気付いていた。医療室へ連行するスポックだが、カークに殴られ失神する。

 二つの宇宙の間に磁場が発生し始めており、あと15分で転送は不可能になる。しかし、マッコイはスポックを治療すると言う。スポックだけはあまり変わっていず、マッコイは彼を見殺しにはとても出来なかったのだ。その時医療室に部下を率いた加藤が現れた。本艦隊から艦長暗殺の命令が出ていることを知った加藤は、スポックが倒れた今、自分がカークを暗殺しエンタープライズの船長となろうという野望に燃えていたのだ。
 カークをあざ笑う加藤、しかしカークの空手チョップが加藤を凪ぎ倒した。

 その頃マッコイの治療を受けていたスポックは、その強力なテレパシーでマッコイの心と自分の心を結び付けていた。全てを知るスポック。そしてマルナもまたカークと共に彼らの世界へ行きたいと言い出した。しかし転送のエネルギーは4人分しかない。しかも転送まで時間はあと5分しかなかった。あせるチャーリー、そして誰が転送機を操作するのかも問題であった。

 カークは自ら操作し残ろうとするが、マッコイと共に現れたスポックが自分がやろうと言い出した。スポックはカーク達を転送すれば、自分達の船長が戻って来ると確信していたのだ。

 カークはこの戦いは非論理的だ、船長の部屋にあるマジック・ウインドウを使って船長になり、戦いを回避することをスポックに勧めた。「この宇宙がどうなるかは君次第だ。戦いは必ず賢い者が勝つぞ」カークはスポックを励まし、転送機に入った。異様なめまいが再び4人を襲う。

 カーク達は元のエンタープライズに戻っていた。にこやかに出迎えるスポック。カーク達のエンタープライズは、ハルカンの衛星軌道上にあった。カークがふと気付くと、ブリッジにマルナがいた。聞いてみると先週配属されたばかりのマルナ・モンロー中尉だと言う。マルナのもう一人の存在であった。

 

第34話「死のパラダイス」

 カーク達は、惑星ガンマー6号に上陸し、その調査に当たっていた。しかし、楽園のような外見とは裏腹に、花は毒の刺で隊員を射殺し、岩は投げただけで爆発した。そしてカークを救おうとしてスポックまでもが毒の刺に倒れてしまった。カークは急ぎ転送を命じるが、エンタープライズはその時、大変な事態に陥っていた。

 地表から発せられるエネルギーが、エンジン内部の反物質を分解し、軌道すら維持できない状態だったのだ。転送のエネルギーなどとても不可能であった。
 
 マッコイがスポックの治療を続けている中、カプランが落雷で消滅、マロリーが石につまづいて爆死した。----死が隣り合わせの恐るべき世界であった。完治したスポックが、尾行者を発見、捕らえられる原住民アクタ。彼は自分こそ部落の神バールの代弁者だと名乗った。

 一方、エンタープライズは地上からの牽引ビームに最大出力で対抗していたが、長くは持ちそうもなかった。アクタの案内で、カーク達は惑星の支配者バールに会った。赤い目、大きく開いた口に白い牙、巨大な怪獣の頭の石像と言った感じだ。バールは10メートル四方に防御スクリーンを張り、耳飾り上のアンテナで原住民を操っていた。アクタ達は、例の不安定な爆発する岩を貢ぐ代わりに食物と不老不死を保証されていた。

 事実、住民の身体は完全な健康体で、いかなる老化、硬化現象もなかった。年齢不詳の人々、しかしそれが果たして幸せだろうか。住民には一人の子供も、愛の概念すらしなかったのだ。マーサに愛を語るチェコフを見て、ぎこちなく真似る原住民サヤナとマカラ----エンタープライズの大気圏突入まで後45分に迫っていた。

 カークはバールを倒す計画を立てるが、当のバールはタブーを住民に教えたカーク達を怒り、アクタ達を攻撃に向かわせていた。ところが逆に全員を小屋に監禁するカーク達。鉱石を運ばせず、バールのエネルギーを絶つためであった。エンタープライズの逆噴射にエネルギーを消耗し、鐘を鳴らして住民を呼ぶバール。エンタープライズはフェイザー砲を発射し、防御スクリーンで防ぐバールは全てのエネルギーを使い果たして、滅びていった。住民達は自由というりんごを得た代わりに、楽園を追放されたのである。「じゃ、私は悪魔なのか?」とカークは誰かさんに似ているスポックに尋ねていた。
 

第35話「宇宙の巨大怪獣」

 連続的に発信された遭難信号を受信し、エンタープライズは高速で発信現場へと急いでいた。正確な発信位置はどの太陽系か判らず、通信もコンステレーションという一語がかろうじて判る程度であった。L370太陽系の中へ入るエンタープライズ。しかし7つの惑星と太陽は消滅しており、ただ破片と小惑星しか存在していなかった。太陽系一つが完全に破壊されていたのだ。

 隣のL374太陽系も同様に破壊されていた。エンタープライズは通信が言っていた同型艦U.S.S.コンステレーションを探していた。その時、ただ二つ残っている惑星のそばに、遭難している宇宙船が浮かんでいるのを加藤が発見した。

 U.S.S.コンステレーションであった。船長はマット・デッカー准将だ。何者かに攻撃されたらしく、船は破損しており通信には何の応答もなかった。カークはマッコイとチャーリーを連れてコンステレーションに乗り込んだ。ブリッジは破壊され、生存不可能だが他の場所ではまだ人間が生存できた。船の機能は停止しており、死体も生存者も見あたらない。全員付近の惑星に降りたのかとカークは思ったが、二つとも人間の住める惑星ではなかった。航星日誌を見ようと副司令室に入ったカークは、失神したデッカーを発見した。

 正気づいたデッカーは、カークに恐るべき怪物について語った。太陽系破壊の事実を知ったコンステレーションは、救助に急行、そしてその怪物に出会った・・・・船は破壊され、乗組員は惑星に退避せざるを得なかった。そして、転送不可能になり、ひとり船に残ったデッカーの眼前で乗組員は惑星ごと怪物に破壊されてしまったのだ。長さ1キロ以上、巨大な口から反用紙エネルギーを出す怪物。スポックは自動操縦の一種のロボット兵器と推測した。

 惑星を破壊し、その破片を食べて燃料とし、宇宙が存在する限り破壊を続ける自動マシーン。別の銀河系から来たと思われるその怪物は、一種の最終兵器で、他の宇宙の戦争で使われその文明が滅びた今も活動していたのだ。

 エンタープライズはスピードアップし、怪物との間に距離を置いていた。突然怪物の口からエネルギー光線が発射され、エンタープライズに命中する。光線は一撃で転送装置を破壊し、カーク達はコンステレーションに釘付けにされてしまった。

 急ぎ進路を変えるエンタープライズ。通信障害が激しくなり、カークとの連絡も取れなくなってしまった。カークはコンステレーションの修理を命じ、エンタープライズは、怪物からの脱出に成功する。

 怪物は今、ライジェル植民星群に向かっていた。復讐を決意するデッカー准将は、軍旗をタテに上級士官である自分がエンタープライズの指揮権をにぎることを宣言する。反対するスポックだったが、確かに規則では誤りではなかった。マッコイは強硬に反対、しかし軍規は軍規であった。しかし、怪物の表面は堅牢な超高密度物質ニュートロニュームで覆われている。エンタープライズ一隻ではその破壊は不可能であった。デッカー准将は接近戦を命令した。

 エンタープライズは電磁スクリーンのレベルを上げ、フェイザー攻撃のために怪物に接近していった。電磁スクリーンのレベルが攻撃で受けた故障で下がり始める・・・・デッカーは攻撃を命令し、フェイザーが怪物を直撃した。

 フェーザー砲の総攻撃を受けながら怪物はビクともせず、エンタープライズに向かっていた。スポックはすみやかに退却することを提案するが、デッカー准将は提案を却下、攻撃続行を命令する。フェイザーの攻撃が続いた。

 カークはコンステレーションのスクリーンを修理し、怪物に近づくエンタープライズの無謀な行動に驚いていた。しかし、いくら連絡を送ってもエンタープライズとは通信できない。カークはエンジンの修理をチャーリーに急がせた。電磁スクリーンが吹き飛び、故障個所が続出するエンタープライズ。怪物は攻撃を中止し、エンタープライズを引き寄せ始めていた。攻撃続行を命令するデッカー。60秒以内に脱出しなければ、全ては終わりであった。

 スポックは指揮権解任をタテに、デッカーに脱出命令を出させた。全エネルギーを注入し、脱出行動を開始するエンタープライズ。しかし、怪物の誘導光線の力はすごく、エンタープライズは刻々と怪物に引き寄せられていく。

 チャーリーは補助エンジンを修理し、フェイザー砲のエネルギーを蓄積した。怪物に近づいていくコンステレーションからフェイザー攻撃が開始された。ターゲットを変えた怪物から、エンタープライズはからくも脱出する。さらにエンタープライズの攻撃で、コンステレーションも脱出、遠く離れた怪物は、別の目標に向かって進み始めた。ようやく連絡がつきデッカーの指揮を知ったカークは、その解任を命令しスポックが指揮することを命令した。

 エンタープライズはワープ使用不能、電磁スクリーン故障、転送装置は修理中という満身創痍の状態であったが、指揮がスポックに移り士気は上がっていた。コンステレーションとのランデブーに向かうエンタープライズ。医療室に向かっていたデッカーは、護衛のモンゴメリを殴り倒して船の最後尾の宇宙艇ドックへと向かった。発信していくデッカー准将。デッカーは怪物に体当たりするつもりなのだ。デッカーは、宇宙艇を怪物の内部に突入させ、中から爆発で怪物を倒すつもりなのだ。部下を全員殺してしまったデッカーは、死ぬ覚悟を当の昔につけていたのだ。

 人間は誰でもミスをおかすというカークの言葉に、デッカー准将はこう答えた。「指揮官は部下の生命に責任を持たねばならん。オレが殺したんだ・・・・あの時・・・・俺も死んで当然だった!」いまや怪物は目の前であった。デッカー准将は、カークの言葉も聞かず、一直線に怪物の口へと宇宙艇を突進させた。

 ・・・・爆発、消滅する宇宙艇。マット・デッカー准将、U.S.S.コンステレーションの船長の命が今、宇宙に散った。

 カークはマットの行動にあるヒントをつかんだ。宇宙艇のような小さなものではなく、コンステレーションののエンジンをオーバーヒートさせ、核爆発で内部から破壊するのだ。威力は約97メガトン・・・・カークはチャーリーに命令し、副司令室に時限爆破装置を取り付けさせた。ニュートロニュームで覆われた内部構造を知ることは出来ない。破壊できるかどうか、これは一種の賭であった。転送装置が直り、チャーリー達はエンタープライズへ戻る。カークは船の針路を怪物に向けた。

 カークが時限爆破装置を押せば30秒でコンステレーションは大爆発する。ところが、なんと再び転送装置が故障してしまう。転送できなければ、カークも船もろとも自爆の運命であった。もう進路が変えられぬ程コンステレーションは怪物に近づいていた。戻れなくても、カークはこの怪物の内部で爆発するつもりであった。転送装置は直ったが、まだ距離は遠すぎた。

 高速で怪物に近づくコンステレーション。転送装置は不安定でいつ故障するか判らぬ状況であった。カークは転送命令を出したが、再び転送装置が故障する。爆破スイッチはすでに押されていた。

 後20秒、刻々近づいてくる怪物。チャーリーは必死で修理を急いでいた。危機一髪、転送は成功した。怪物の口の中に突入したコンステレーションは、オーバーヒートしついに爆発を起こした。

 怪物の口から爆発のエネルギーが噴出した。果たして倒すことが出来たのか?息詰まり見つめるカーク達の目前で、怪物はその活動を停止した。死を巻き散らす破壊の徒が今、ここに滅びたのだ。

 カークは怪物を倒すヒントを与えてくれた友人、マット・デッカーの冥福を祈った。全てを破壊する宇宙の死神は倒れた・・・・・しかし、宇宙のどこかで、まだあのような怪物がさまよっているかも知れないのだ・・・・。