TV Episode

2nd season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULE」をご覧下さい。

ここでは第30話-第32話までをお楽しみ下さい。
Mini Episode」もよろしく。

第30話 「バルカン星人の秘密」(AMOK TIME)

監督:JOSEPH PEVENEY/脚本:THEODORE STURGEON

第31話 「神との戦い」(WHO MOURNS FOR ADONAIS?)

監督:MARC DANIELS/脚本:GENE L.COON,GILBERT RALSTON/原案:GILBERT RALSTON

第32話 「超小型宇宙船ノーマッドの謎」 (THE CHANGELING)

監督:MARC DANIELS/JOHN MEREDYTH LUCAS


第30話「バルカン星人の秘密」

 カークは廊下でマッコイに呼び止められた。スポックの様子がおかしく、地球人で言えば神経症のようで、三日も食事をしていないというのだ。さして、重要なこととも思えなかったが、食事を持っていったチャペルを追い返し、食器をたたきつけるのを目撃するに至っては、さすがのカークもただ事ではないことに気づいた。そして、突然スポックは休暇を願い出、バルカン星に帰りたいと言い出したのだ。

 スポックの部屋でカークはその理由を尋ねた。何も言わぬスポック。できるだけ急いで帰らねばならず、今向かっているアルター6号で休むのではダメだという。カークはやむなくバルカン星へ進路を変えるが、アルター6号の大統領就任式が一週間早まり、その日までにつかねばばらぬ命令を受けバルカン経由は不可能となってしまった。

 しかし、スポックの様子が気にかかり自室にいたカークは、バルカンに寄る可能性を検討しようとしてチェコフに連絡をすると、すでにスポックの命令で船がバルカン星に向かっていると聞かされた。驚いたカークは、スポックに説明を求めた。

 スポックは変えさせた記憶は無いという。しかし、やったかもしれないとも言う。スポックは、これから先は説明できないと言い、カークは彼を医務室へと向かわせた。スポックを診察したマッコイの話はカークを驚かせた。一週間以内にバルカン星に戻れなければ、スポックは死んでしまうというのだ。何かのために身体の代謝機能が停止しようとしているのだ。

 カークは、スポックに他言しないことを約束し、その原因を話させた。その話はカークにとっても驚くべきものであった。
 バルカン人の生理は特別で、交配期の今、バルカン人の誇りとする理性は失われてしまうのだ。妻の選び方すら古い因習と、生理で奪い合い文明という装いがはがされてしまう。それが、バルカン人の交配期なのだ。幾多の動物や魚のように、その時期生まれ故郷に戻らなければ、死ぬしかないと言う。カークはなんとかバルカンに送り返す決意を固めた。

 司令官は変更を認めなかったが、カークは親友のため命令違反を承知で進路変更を決定した。ワープ8の全速でバルカン星に向かうエンタープライズ。スポックを救うために。

 スポックはある儀式の参加をカークとマッコイに頼む。このバルカンの儀式は、友人の立ち会いが認められていたのだ。カークとマッコイは、スポックと共にバルカン星に降り立った。クナ・タリフィが行われるスポックの家へやってくる三人。すでにプリングは妻だったが、共に暮らしたのはほんの少しであった。もう一度式を挙げ、二人はやり直すつもりだったのだ。

 花嫁のプリングが、式を司るパオと多数の従者を連れて現れた。パオは惑星の連盟である地球連邦に加盟を拒んだただ一人の女性だ。カークは、彼女がスポックの家族と知り、いささか驚いていた。

 バルカン・サインを交わすスポックとパオ。他星の人間を連れてきたことにパオは気づくが、友達としてスポックが許したことを知り、その立ち会いを了承した。パオは儀式の終わりまで見ることを依頼する。
 式がパオの「カリフィー」という声で始まった。鈴が鳴り、プリングは「決闘」を選択した。両手をあわせ、黙想するスポックはよろめくように式場のはじへと歩いていく。スポックは今、病気にかかり怖じ気付いている。来るべき物に耐えられなければ、スポックは二度と話せなくなるだろうとパオはカーク達に言う。

 プリングは、決闘の相手としてカークを選んだ。抗議するストーン。本当は彼が決闘するはずだったのだ。抗議を却下するパオ。スポックはカークは何も知らないからいけないとパオに懇願した。しかし、受けるカーク。身体が衰弱したスポックを心配するカークは知らなかったのだ。この決闘が敗者の死をもってのみ決することを。

 リルパという刃物で戦う両者。スポックの血は燃え、本気で戦いは始まった。リルパで胸を切られるカーク----マッコイは熱さに負けそうなカークに栄養剤を注射したいと申し出た。注射後、今度はアーウンというロープで戦いが始まり、カークの死をもってスポックは勝利した・・・・・。

 船にカークの遺体と共に戻るマッコイ。スポックは伝説の人の妻であることに耐えられず、決闘を選んだプリングをストーンに譲り、友を殺した失意の中船に戻っていった・・・・。しかしカークは生きていたのだ・・・

 その姿を見て「ジム!」と喜びの感情をもあらわに叫ぶスポック。マッコイの機転で、失神薬を注射したのだった。スポックの表情は明るい。親友が生きていたことが、何よりもうれしかったのだ・・・。

第31話「神との戦い」

 エンタープライズは、惑星フォルクス4号の軌道に乗り周辺の宇宙地図の作成中であった。付近に生物のいる惑星はない。

 突然、船の前方に何かが出現した。それは、巨人の手をしておりエンタープライズをしっかりとつかんでしまった。

 歓迎の通信が入る。「愛する子孫たちよ、よくぞ来てくれた。お前達を待っていた。」カークはスクリーンに現れた顔と話し、船の解放を命令した。反抗を怒る相手は、強力な圧力をかけてエンタープライズを握りつぶそうとする。

 敗北を認めたカーク達を、相手は地上に招待した。ただひとり、スポックを除いては。血路を見い出すためマッコイ、チャーリー、チェコフ、歴史学者の女性キャロリンを連れて地上に降り立つカーク。大理石の神殿状の建物で、カーク達を待つ青年。彼は自らをアポロと名乗った。五千年前地球を訪れた彼は、ゼウスやヘレナとともにオリンポスの神として崇められていたのだ。当惑するカーク達。この男の言うことは本当なのだろうか。アポロは、カーク達に永遠にこの世界で暮らし、自分を神として崇めなければならないと言う。反論するカークの目の前で、巨大化するアポロ----転送装置も通信機もすでに効力が無くなってしまった。

 アポロは、キャロリンの美しさに惹かれ、キャロリンを連れて空中へ消えていった。皆のフェイザーは溶け、殴りかかろうとしたチャーリーはアポロの指先からの光線ではじき飛ばされてしまった。

 アポロのエネルギー源を探らせるカーク、そして軌道上のエンタープライズでもスポックがウラに不能となった通信装置の直結化を、そしてエネルギーの弱い部分をスクリーンの中に探していた。アポロと愛を語り合うキャロリン。アポロは神は人からの崇拝が必要なのだと言う。

 アポロは反抗するカーク達を苦しめるが、疲れた気配を見せたことから、そのエネルギーをすべて使わせる作戦にとりかかった。そして、愛するキャロリンがカークの説得でアポロを実験動物のように扱ったため、アポロの怒りは爆発する。キャロリンを救うため、復帰した無線で攻撃を命じるカーク。探り出したエネルギー源の神殿がエンタープライズのフェイザーで粉砕され、アポロはただ愛そうとした人間の仕打ちに、涙を流して風となって消えていった....。

 

第32話「超小型宇宙船ノーマッドの謎」

 エンタープライズは、救援連絡を受けて惑星アルリアへ向かっていた。しかしいくら連絡しても応答がなく、何の生物反応もないことから惑星アルリアの40億の人間は全滅したとしか考えられなかった。そしてエンタープライズもまた、謎の飛行物体の攻撃を受けはじめた。

 敵意は無いと名を告げて連絡するカーク。すると飛行物体は攻撃を中止し、船内へと乗り移って来た。

 そのノーマッドと名乗る飛行物体は、高さ1メートル、重量五百キロの鉛筆上の形をしており、完全な生物を探すこと、不完全な生物を抹殺する任務を語った。そして奇妙なことに、カークを創造主と呼びだし自分は地球から発進したと言いはじめたのだ。

 ノーマッドは、21世紀に打ち上げられ隕石に衝突して破壊された生物探査用の宇宙船の名だ。製作者は”考える機械(シンキングマシン)”の研究者として知られるジャクソン・ロイカーク博士だ。衝突で記憶バンクに損傷を受け、ノーマッドはカークをロイカークと間違えたのだろうか。だが、本来ノーマッドには不完全な生物を抹殺するという目的も、能力も無かったはずだ。それがなぜ・・・・

 ノーマッドはエンタープライズの調査を始め、”不合理な行動”をとったウラの記憶を消し、チャーリーを殺してしまった。怒るカークの命令でチャーリーを蘇生させるノーマッド・・・・しかし”怒り”には完全であるはずのノーマッドの創造者としては、不合理な行動であり、ノーマッドはカークに疑いを抱き始める。一方、スポックはノーマッドと精神接触を行い、破壊されたノーマッドが宇宙を漂う中、異星の宇宙船と出会ったことを知る。その船はある惑星の有害な細菌を絶滅させるために作られたもので、回収され、その宇宙船と合体したノーマッドは、その相手の指令をもゆがめてプログラムに取り入れてしまったのだ。

 ついにノーマッドは、カーク達を不完全と判断し抹殺したのち、地球に戻ろうとする。もし地球に戻れば、ノーマッドは人類をその恐るべき力で全滅させるに違いない。

 カークは自分がロイカークと別人であることを明かし、ノーマッド自身間違いを犯す不完全な存在だと決めつけた。動揺、混乱するノーマッドは、その隙に宇宙へ転送された。そして、自らを不完全な存在であると認めたノーマッドは、その使命に従い自爆の道を選んだのである。