TV Episode

1st season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第25話-第27話までをお楽しみ下さい。

第25話 「地底怪獣ホルタ」(THE DEVIL IN THE DARK)

監督:JOSEPH PEVENEY/脚本:GENE L.COON

第26話 「クリンゴン帝国の侵略」(ERRAND OF MERCY)

監督:JOHN NEWLAND/脚本:GENE L.COON

第27話 「二つの宇宙」 (THE ALTERNATIVE FACTOR)

監督:GERD OSWALD/脚本:DON INGALLS


第25話「地底怪獣ホルタ」

 ベルジューム生産ステーションから緊急連絡を受け、カーク達は鉱物資源の宝庫・植民星ジェナス6へと向かった。連絡によると、ロボット機械を溶かし作業員を黒こげにする怪物が出現し、地下から次第に地上へ近づきつつあるというのである。目撃者によると、フェイザーも効かないと言う。この星の採掘中止は、数千の惑星に影響を及ぼす。カークは、責任者のバンデルベルグから事情を聞き、惑星の地下を縦横に走るトンネルの調査を開始した。怪物が一匹だとすれば、襲撃場所と時間から推定して恐るべき早さで地下を移動しているになる。マッコイは、遺体の状況を強酸に投げ込まれたような科学的腐食と形容し、スポックは怪物が出現したと同時期に採掘されたシリコンの固まりに興味を覚え始めた。

 その時、何者かがPXKペルジューム原子炉のメイン循環ポンプを奪うという事件が起こる。このままでは、全員が放射能をあびるか窒息死する危険があった。急増ポンプも48時間がやっとで、またこの鉱山が廃止されれば、数千の惑星でエネルギー危機が起こってしまう。

 カークは、ポンプを持ち去ったであろう怪物の早期発見を命令した。しかし、一人スポックは、怪物の正体にある疑念を感じていた。保安部員を殺し、逃走する怪物。しかし、スポックの計器は常時正確にその位置を捕らえ、遂にその怪物とカーク達は遭遇する。フェイザー攻撃で傷つき、岩を溶かし地底へ逃げる怪物。削られたその切片から怪物の正体がシリコン生命体であることが判った。

 トンネルの各所に迷路のように出来た穴は、腐食性物質で岩を溶かし地中をまるで水中のように移動するあの怪物の通り穴だったのだ。射殺すべく怪物を追うカークは、落盤に巻き込まれ、岩石のようなその怪物と対峙した。ハッとするかーくだが、怪物にはまるで敵意が感じられなかった・・・・。

 駆けつけたスポックがテレパシー交信した結果、怪物は五万年周期で子供を生む、このジェネス6の原生生物ホルタであり、襲撃は何千もの子供を採掘で殺された母親の復讐であることがわかった。あのシリコンの固まりは、彼女の卵だったのだ。元々平和的なホルタは、安全を約束することでポンプを返し鉱山側と和解した。やがて卵がふ化し、採掘に協力してくれるようになりジャナス6は宇宙一の鉱夫を迎えたのである。
 

第26話「クリンゴン帝国の侵略」

 クリンゴン帝国との和平交渉が決裂し、連邦軍の密命を受けカーク達は惑星オルガニアへ向かう。戦略的重要拠点にあるこの星を、相手よりも先に押さえるためだ。

 牧歌的な生活を営むオルガニア人は、カークとスポックを歓迎するが連邦の庇護下に入ることは柔らかく拒絶した。過去何万年何一つ変化せず、停滞した文明のため、今の危機が理解できないに違いなかった。

 その頃、エンタープライズは飛来するクリンゴン大艦隊を前に撤退を余儀なくされる。コール司令官の下、たちまちオルガニアを手中にするクリンゴン。二人は占領軍の真っ只中に取り残されてしまったのだ。長老エイルボーンは、二人をオルガニア人とバルカン商人に化けさせるが、微笑みを絶やさない長老達の中で二人の硬い表情は注意を引いてしまう。スポックを心理探知機にかけるコール。しかし、スポックはバルカン式精神防御スクリーンでその追求を逃れた----しかし、カークがやられれば・・・・。

 だが、コールはカークをそのまま連絡係に指名した。歯ごたえのない住民に比べ、反抗的なカークは、まだしも理解できる相手だったからだ。圧制への絶対服従を認める長老達。カークとスポックは、無抵抗な彼等の目を覚ますべくレジスタンスを企てた。暗闇に乗じて弾薬集積所を爆破したのだが、住民は蜂起しなかった。即刻逮捕される二人。二人は監視されていたのである。

 長老はカーク達の正体を明かし、投獄される二人だが、そんな彼等を助けたのもまた長老であった。怒ったコールは、200名の住民を広場で処刑し、二人を渡すまで殺し続けると宣言した。カーク達二人は絶望的な戦いを挑んだ。

 死線を越え、ついにコールをその慮とする二人。なだれこむクリンゴン兵士・・・その頃、宇宙でも両艦隊がその銀河系の運命をかけた戦いを始めようとしていた。その時、艦隊を始め全惑星上の武器が高熱を発し始めた。カークとコールの前にそしてクリンゴン地球上へ同時に姿を現す長老エイルボーン。彼は両軍を武装解除し、宇宙に平和を呼びかけた。その姿は仮の姿であり、彼等は何億年もかけ実体のない純エネルギー、純知性まで進化した偉大な人類だったのだ。

 両種族が手を結ぶ未来を予言して消えるオルガニア人。その後には原生生物のような二つの国家が茫然と取り残されていた。

 

第27話「二つの宇宙」

 宇宙地図未記載の惑星を測量中、突如襲った衝撃は、重力界、磁界、時間、放射能全てを乱し、銀河系全宇宙が震撼した。震源地はどうやらこの惑星らしい。カークに全権が委ねられ、100パーセク以内の宇宙艦隊は全て撤退した。調査に地表へ降りたカーク達は、衝撃後突如現れた謎の男、ラザラスを連れ帰る。彼は生に逆らい、全てを破壊する悪魔を追ってきたのだという。

 再び惑星に降り立つ一行。そこで急にラザラスは何らかの力と格闘を始め、再び例の衝撃が襲った。負傷し、半狂乱で収容されるラザラス。しばらくして、マッコイは彼の傷が跡形もなく消失しているのを発見した。同じ頃、スポックはリチウム結晶を利用して、放射能の源である、惑星上にある空間のひずみを発見した。狂喜するラザラス。リチウム結晶で罠を作ろうと言い出し、ラザラスは是非結晶を分けて欲しいという。カークは同意しない。結晶は重要な動力源だからだ。

 時を移さず、リチウム結晶が盗まれ、地表へ降り立ったラザラスを追うカーク。しかし、ラザラスは否定し彼の宇宙艇からも結晶は発見されなかった。逆にラザラスは落石からカークを救い、自分が負傷する始末であった。

 治療中、彼は自分が地球人だと告白した。地球を死の星と化した悪魔を、タイムシップで追う未来人だというのだ。カークはスポックとこの問題を検討し、宇宙のあらゆる物を探知分析できる船の装備が、放射能源を解明できないのは、それが異次元宇宙の世界----平行する二つの宇宙の接点だからではないかという仮説を得た。同様にラザラスも二人いると仮定すれば、理知的と狂気的な性格、消えた傷跡の説明もつく。二人が別世界の同一人物なら物質と反物質に当たる。もし二人が出会えば、宇宙に存在する全てが壊滅する。

 ラザラスは結晶を奪って逃走し、異次元の扉を開けんとする。追ったカークは、可変空間の歪み、二つの世界の爆発を防ぐ安全弁の回廊に潜り込み、理知的なラザラスにあった。彼の説明でカークは外のラザラスは、己の影を殺そうとする狂人だと知った。指示に従い外のラザラスを回廊に落としこみ、即座にエンタープライズのフェイザーで宇宙艇は破壊された。

 こうして回廊に殺人鬼とラザラスは永久に封じ込められ、二つの宇宙は救われた。ラザラスの尊い犠牲の上に・・・・。