TV Episode

1st season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第22話-第24話までをお楽しみ下さい。

第22話 「宇宙の帝王」(SPACE SEED)

監督:MARC DANIELS/脚本:GENE L.COON,CAREY WILBUR

第23話 「コンピュータ戦争」(A TASTE OF AEMAGEDDON)

監督:JOSEPH PEVNEY/脚本:ROBERT HAMNER,GENE L.COON/原作:ROBERT HAMNER

第24話 「死の楽園」 (THIS SIDE OF PARADISE)

監督:RALPH SENENSKY/脚本:D.C.FONTANA/原作:NATHAN BUTLER,D.C.FONTANA


第22話「宇宙の帝王」

 モールス信号を受信したカーク達は、宇宙に浮かぶDY100クラスの宇宙船を発見した。1990年代の地球の船である。歴史学者のマーラ・マクガイバーと共に乗り込んだカーク達は、冬眠装置に眠る大勢の男女を発見する。内12名が死亡、女性30名を含む72名が眠っていた。その一人が目覚め始める。

 この船S.S.ポニター・ベイ号のリーダー・カンであった。カークは乗船手続きをしてカンをエンタープライズに収容する。カンの時代は謎に満ちた「優生戦争」の最中だった。優生学的に作られた、一握りのスーパーマンが40以上の国を征服し、地球統一を目指して独裁制を敷いた暗黒の時代であった。カンの体力は、現に常人の体力を遥かに上回り、彼こそ重要な歴史の生き証人だった。カンはカークの質問を避け、エンタープライズの構造に興味を持った。

 ポニター・ベイの記録だが、どの資料にもその記事は記載されていなかった。そんなとき、マーラの提案で20世紀風歓迎パーティが開かれた。その席上、怒らせて情報を得ようとするスポックやカーク達の考えは、カンに簡単に見破られてしまった。マーラはカンの磁力のような魅力に圧倒され、完全な恋の虜になっていた。

 やがてカンの正体が1992年から96年までアジアから中東に及ぶ地球の1/4を支配した独裁者、優生人類の旗手カン・ノエニン・シンであることが判明した。カークはカンの監禁を命じるが、脱走。仲間を次々と蘇生させたカンは、エンタープライズを制圧してしまった。生命維持装置を切られ、窒息してバタバタと倒れるエンタープライズの乗組員----古の悪魔が過去を脱走した権力の亡霊が蘇ったのだ。

 捕らえられ見せしめのため、減圧室に入れられるカーク。だが、意外にもカンの助命を嘆願するマーラがカークを救った。コントロール回路を切り、船内に麻酔ガスを充満させるカーク。追いつめられたカンは、エンタープライズを爆破せんとするが、駆けつけたカークが一騎打ちでカンを破った。

 査問会を開いたカークは、優生人類をアルファ恒星系の未開拓星・第五惑星へ送ることを決定する。同行を選ぶマーラ。カンは惑星を征服し、すばらしい帝国を築いてみせると豪語した。あたかも「我、天国に仕えるより地獄をこそ支配せん」と叫んだ「失楽園」の魔王ルシファーのように。

 

第23話「コンピュータ戦争」

 高度な文明を持つ星団NGC321と外交を開くべく、惑星連邦の特使・ロバート・フォックス大使を乗せてエンタープライズはその主要惑星エネミア7に向かっていた。しかし、エネミア7は宇宙通信710を発してきた。近寄れば、破壊も辞さないという厳重な警告である。フォックスの命令で、警告を無視しエンタープライズはエネミア7の周回軌道には行った。妨害はなく、フォックスに先立ちエネミア7のコントロール地域にカーク達が降り立ち、穏やかな歓迎を受けた。

 メアと言う女性に案内されて、最高評議会に対面したカーク達は議長アナン7から奇怪な事実を聞かされた。エネミア7は、元植民地の三等惑星ベンディガーと600年にも渡る交戦状態なのだと言う。年間戦死者が100-300万人にも達し、その話にカークはただ驚くばかりであった。と、その時突然敵襲を知らせる警報が鳴り響いた。

 今、この街の中心に熱核爆弾が命中したという。だがショックも何もなく、エンタープライズもトリコーダーも何の反応も示さなかった。今の攻撃で50万人が死んだと言うアナン。攻撃は全て連動した双方のコンピュータで数学的に行われ、犠牲者を作り出す、いわばコンピュータ戦争であった。死を登録されたものは、分解マシーンに入り、文明を守るという恐るべき政治戦争だったのだ。

 そして、軌道に入ったあの瞬間、エンタープライズも三価コバルト衛星爆弾の攻撃で破壊されていたのである。故に乗組員の全員の死が確定し、アナンは音声コピーを使って、カークの声で全員の上陸を命令した。

 チャーリィはその命令が罠だと悟り、電磁スクリーンのレベルを上げると、エネミアの分解光線がエンタープライズに襲いかかった。外交を開く任務を重んじるフォックスは、反撃を許さず、操作ミスというエネミアの通信を了承した。その頃、スポックのテレパシーで牢を脱出したカーク達は、今まさに分解マシーンに入ろうとしているメアを救出、マシーンを破壊した。やってきた大使を守り、他の分解マシーンを破壊するスポック。カークはついにコンピュータを破壊し、協定破りから両星が宣戦布告するように持ち込んだ。本当の戦争に恐怖する両星人---カークは真剣な死への恐怖があれば、平和は必ず生み出せると説得し、和平交渉に大使も協力することになって、エネミア7の平和を確立した。
 

第24話「死の楽園」

 エンタープライズは、オミクロン・ケティ3番星の周回軌道に入った。この惑星には、サンドバル隊長の下農地開拓者グループが三年前に移住していたが、動物の細胞を分解するという宇宙のバーソルド光線が照射されていることが判明し、全員が死亡していると考えられていた----しかし、地表に降り立ったカーク達は、死んだと思われていたサンドバル隊長に出迎えられたのである。彼等はバーソルド光線にまったくやられていず、それどころかマッコイが健康診断をしてみると、全員完璧の健康状態であったのである。

 カーク達は、この驚くべき謎の解明に乗り出すが、この星には動物や虫が一匹もいないという事実と、サンドバルの切り取ったはずの盲腸まで再生されているという以外何の成果もあがらなかった・・・・。

 宇宙艦隊司令部と連絡を取ったカークは、開拓者全員の宇宙基地への撤去を命令されるが、サンドバル達は頑としてその命令を聞かなかった。

 その頃、スポックは以前に地球で知り合った女性ライラに出会い、彼等が生き延びた原因を尋ねていた。スポックを愛するライラは、秘密の場所へ連れていきある植物の花粉をあびさせ、スポックを感情のある、彼女と同じ人間に変えてしまった。

 この植物は、人間の体内に微粒子の胞子を送り込んで生命を維持する代わりに、人間に完璧な健康と、心の平和を与える生物であった。つまり、胞子を送り込まれた人間は、その惑星を楽園と信じて、そこで平和に暮らそうと思いこんでしまうのである。

 彼等の仲間になったスポックは、ライラと愛を語りカークの命令を無視した。また、エンタープライズの乗員達も、持ち込まれた花のために次々と虜になり、惑星に降りていった。一人残されたカークは、胞子を浴びながら虜にならない原因を探り、それが激しい感情のためである事に気づいた。

 カークはスポックをエンタープライズに呼んで罵倒し、怒らせて胞子の影響を取り払った。そして正気に戻ったスポックとカークは、通信装置を使い全員にイライラを起こすように策略し、乗組員と開拓者を皆正気に戻すことに成功する。

 胞子の為に得られた心の平和----それはスポックが経験し、そして失った初めての気持ちであった・・・・。