TV Episode

1st season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第10話-第12話までをお楽しみ下さい。

第10話 「謎の球体」(THE CORBOMITE MANEUVER)

監督:JOSEPH SARGENT/脚本:JERRY SOHL

第11話 「タロス星の幻怪人(前編)」(THE MENAGERIE PART1)

監督:MARC DANIELS/脚本:GENE RODDENBERRY

第12話 「タロス星の幻怪人(後編)」 (THE MENAGERIE PART2)

監督:ROBERT BUTLER/脚本:GENE RODDENBERRY


第10話「謎の球体」

 エンタープライズは銀河を出た宇宙で、宇宙地図の作成に当たったが突如謎の立方体がその姿を現し、エンタープライズの行く手を遮った。通信にも物体は反応せず、18時間静止を続けた後、カークはエンタープライズを脱出させようとする。しかし、ピタリと距離を保ちながら放射能を出し始める立方体---カークはその放射能が危険レベルに達したため、フェイザー砲で攻撃をかけ、立方体を宇宙に粉砕した。

このまま進めば、謎の立方体を派遣した知能を持つ生物の報復手段を受ける危険性もあったが、カークは予定通り調査飛行を続けることを決意した。

 やがて恐れたとおり、今度は巨大な球体がエンタープライズの前に現れ、破壊された宇宙ブイの報復と、宇宙侵略に対して攻撃を宣言した。誘導光線につかまり、エンタープライズの身動きは不可能となった。カークは自分たちの真意と事情を話して攻撃を中止させようとするが、聞こうとしない第一連合の宇宙艦隊旗艦フェサリアス号のベイロック司令官。カークはやむなく、エンタープライズにはコーボナイトと呼ばれる特殊兵器が装備されていて、攻撃を受ければそのエネルギーをそのまま相手にたたきかえす能力があると、ハッタリでおどしをかけた---はたしてベイロックは攻撃を中止し、小型宇宙船によってエンタープライズを彼等の星へ連れ去り始めたのである。小型宇宙船の能力には、無理な役割のためしだいに距離が離れたエンタープライズは、戻っていたエネルギーで直ちに脱出を開始し、小型宇宙船をふりきることに成功する。

 無理な脱出はエンタープライズのエンジンを故障させ、小型宇宙船のエンジンにもいちじるしい損害を与えたらしい。小型宇宙船から救助信号が発信され、生命が危険な状態だと言うのである。

 誤解が元でこのようなことになってしまったと悲しむカークは、異星人の生命を救うため、マッコイとベイリーを連れて、小型宇宙船に転送された。しかし、そこに待っていたのはメイン・パネルに映ったベイロックの人形と、本人のベイロックであった。彼はエンタープライズの真意を探るため、こんな一芝居をうったのだ。小型宇宙船が本船で、大型宇宙船こそ操られた船だったのだ。一人で孤独だったベイロックは、カーク達との出会いを喜び、共に乾杯する!!

第11話「タロス星の幻怪人(前編)」

  エンタープライズの元船長パイク大佐からの緊急信号を受け、カーク達は急遽宇宙基地M11に到着した。しかし、基地側は大佐が連絡するはずがないという。古い練習船の事故で、子供を守ろうとしたパイクは大量のデルタ光線を浴びてしまったのだ。変わり果てたパイクに再会し絶句するカーク。パイクは今では機械の箱から焼けた首を出して脳波に連動してイエス・ノーを示すだけしかできぬ身体になっていたのだ。

 では一体何者がカーク達を呼んだのだろうか?コンピュータには何の記録もスポックが受信した事実すらなかった。スポックを信じるカーク。しかし、スポックはパイクに反逆計画をつぶやいていたのだ。基地司令室に忍び込んだスポックは、エンタープライズのコンピュータに直接命令を発した。その頃、カークはパイク大佐の経歴を調べ、13年前パイクの乗るエンタープライズが、今では訪れただけで死刑が決まっている、宇宙指令7号による禁断の星、タロス4番星を調査したことを発見していた。コンピュータの命令で、カーク以外の乗組員を収容したスポックは、エンタープライズをM11の軌道から発進させた。

 秘密任務のため、自分が船長代理になることを宣言するスポック。そして、船内にはパイク大佐の姿もあったのである。

 スポックは進路をタロス4番星に取った。そしてカークが基地司令官メンデル准将とエンタープライズを追跡していることを知るや、二人をエンタープライズに収容し、マッコイに自らの逮捕を命令した。指揮はカークに移るが、エンタープライズの進路はロックされ、変更することは出来なかった。反逆罪で軍法会議にかけられるスポック。タロス星へ行く理由を問われ、スポックはあるモニターを提出する。それは13年前タロス星を訪れた克明な記録であった。

「SSバリアント号が18年前に発した遭難信号を調査するため、パイク達はタロス4番星を訪れた。11年間、パイクの下にいたスポックの姿も見える。そして、パイク達はそこで予想しない生存者を発見する。だが、彼等が幻であるとスポックが気づいたとき、パイクが洞窟に幽閉されてしまったのだ。

 映像はなんとタロス星から送られていることが判り、カークは解任され、スポックの死刑は確実となった。禁断の惑星タロスに死をかける何があるというのか!?

第12話「タロス星の幻怪人(後編)」

 スポックの審議のため、13年前のパイク船長の物語が今、始めて明らかにされる。
「目覚めたパイクの前に二人の異星人が立っていた。彼の心を読む異星人。つかみかかろうとしたパイクは、自分が透明スクリーンで塞がれた部屋にいる事を知った。彼は動物実験室に入れられていたのだ。そして異星人により、ある実験が始まった。

 百姓娘と化したコロンビア号生き残りのビーナを守り、剣と鎧を身につけた野蛮人と戦うパイク。明らかにライジェル7番星の幻なのだが、感覚上ではまさに現実であった。野蛮人を倒すと、パイクは檻に戻っていた・・・・言い寄るビーナからパイクは、タロス星人の素性を聞いた。何十万年もの昔、戦争で荒廃した地上を逃れ、地下へ潜った彼等は、精神力の開発に力を注いだ。だが、そのために機械文明の全てが失われ、彼等はにのみ生きる種族となってしまったのだ。創造性のない想像力、今や標本達の思考だけが彼等の滋養であった。繁殖による永遠の思考供給と、文明復興のためパイクはコロンビア号唯一の生存者ビーナの夫として、選ばれたのである。

 読心力をもつ彼等の前には、パイクの抵抗など児戯に等しかった。しかし、パイクは遂に憎悪、殺意等の原始的感情が読心を妨害する事を知った。

 ビーナと故郷に帰るパイク。しかし、ここは檻の中なのだ。アラビア風の舞台で魅惑的に踊るオリオンの奴隷女ビーナ。まさに猫族のしなやかさだった。その時エンタープライズから転送されたメンバーのうち、女性だけが檻の中に姿を現した。ビーナに満足しないパイクのため、タロス星人が花嫁候補として送り込ませたのだった。その夜、パイクはエネルギーの切れた銃に手を伸ばす誰かに襲いかかった。怪物---と思いきや、正体を現すタロス星人。壁に銃で開けられていた大穴も、その姿を現した。

 人間が自分たちの望みをかなえてくれないと知り、開放するタロス星人。しかし、ビーナはこの星に残る。タロス星人は、墜落したときバラバラだった彼女の肉体を蘇生したが、地球人の形を知らなかったのだ・・・。

 カーク達はスポックの真意を探る。司令部も全てを知り、特に今回の上陸を許すこととなった。ビーナとパイクは、幻の幸福をつかんだ。タロス星人はカークに言う。
「あなたの現実にも幸あらんことを・・・」