TV Episode

1st season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第7話-第9話までをお楽しみ下さい。

第7話 「コンピューター人間」(WHAT ARE LITTLE GIRLS MADE OF?)

監督:JAMES GOLDSTONE/脚本:ROBEAT BLOCH

第8話 「400才の少女」(MIRI)

監督:VINCE McEVEETY/脚本:ADRIAN SPIES

第9話 「悪魔島から来た狂人」(DAGGER OF THE MIND)

監督:VINCE McEVEETY/脚本:SHIMON WINCELBENG


第7話「コンピュータ人間」

 エンタープライズはロジャー・コービー博士の生死を確かめるべく、惑星EXO3の軌道上に位置していた。博士は宇宙考古学的医学のパスツールと称される偉大な人物だが、5年前にこの惑星から消息を絶っていたのだ。やがてエンタープライズは、奇跡的にもコービー博士との交信に成功する。博士の婚約者であり、もともと彼を捜すために宇宙軍に入ったクリスチン・チャペルの胸の中の不安と期待は、大きな喜びに包まれた。カークは博士の希望によりクリスチンと二人だけで惑星に降り立った。しばらくすると、博士の助手ブラウンが姿を現し、二人を地下の洞窟の奥に案内した。

 博士の研究所にはこの惑星の先住生物が洞窟内に残した一種の遺跡でもあった。そこではアンドレアという美女とコービー博士がカーク達を出迎えた。カークは直ちにエンタープライズと連絡を取ろうとするが、ラックという男に銃を向けられ妨害される。クリスチンは恋人の別人のような挙動に当惑する。

さらに驚いたことに、ブラウンとアンドレアは博士の作ったアンドロイドであり、ラックはこの惑星の科学文明の遺産を守っていたアンドロイドだった。博士は連絡を絶った5年前にここで先住生物の遺産を発見し、その科学技術を受け継いでいたのだ。博士はここで作ったアンドロイド達を、人類の住む植民星に少しずつ送り込んで、来るべき世界をアンドロイドによる永遠のユートピアにしようと企てていた。

 カークとクリスチンの目前で、カークのアンドロイドが作られる。全てのデータをプログラムされた完全なアンドロイドである。カークは博士の計画が人類にとって危険であると判断した。だが二人が会っていた博士もまた博士の姿と心をコピーしただけのアンドロイドだった。

 本物の博士は事故にあって体が不自由になったとき、この分身に自らの生命を託していたのだった。やがてその頃、カーク達人間の訪問という予期せぬ出来事に当面して、すでに頭脳コンピューターの思考プログラムの限界を超えていた他のアンドロイド達は、その結果としてアンドロイド同士殺しあってしまう。この意外な結果と、クリスチンに本物として認めてもらえなかったコービー・アンドロイドは遂に自爆をとげた。カーク達は駆けつけたスポック達に無事救出され、クリスチンは哀しみの惑星をあとに、再び任務に就いた。

第8話「400才の少女」

 銀河の果てで地球タイプの救難信号を受信したカーク達は、そこに地球と全く同じ形をした惑星を発見した。発信源は、その地表の荒涼とした街並みで、400年前の地球がそのまま残ったような街であった。そこで出会う怪物化した人間---彼はすぐ絶命したが、子供の精神を持つ人間で何かの病気にかかっていたらしい。
 そして、カークやスポック達は街の建物の中で、一人の少女と出会った。カーク達大人をグラップと呼び、怯える少女ミリの話によると、この星が廃墟と化したのは伝染業のためによるらしい。そしてスポックを除くカーク達全員にも、その初期症状である青アザが現れ始めたのだ。

 400年前、この惑星の住民は、数種の病気を体内で混合してビールスの連鎖反応を利用して人体細胞の生命を半永久的に延ばす「生命延長計画」に着手した。しかし、計画は失敗し、生み出された病原菌が彼等を壊滅させたのだ。
 子供達は発狂し、殺し合いをした大人を嫌悪し、遊びながら400年を生きてきたのだ。ミリの友人は、グラップに近づくミリの姿にまゆをひそめた。

 高熱、激痛、幻覚、そして発病後一週間で発狂して絶命する病気をたたきふせるため、マッコイは研究を続けていた。
 ところが、仲間を呼び寄せられることを恐れた子供達が、コミュニケーターを奪ってしまった。エンタープライズのコンピュータが使えなければ、できたワクチンのテストは不可能で使用できない。

 カークにほのかに恋するミリは、カークが泣き崩れるジェニーを慰めるのを見て、嫉妬の炎を燃やし、ジェニーを仲間に誘拐させた---。しかし、思春期を迎えたミリにはもう、青アザが出始めていた。泣きながらグラップになったことを認め、協力にうなずいてくれるミリ。だが、彼女の仲間は耳を貸そうとせず、カーク達に襲いかかった。カークは血だらけの顔をあげてたずねた。このグラップの血を流したのは誰なのかと。君たちも暴力的なグラップと同じだと。

 ---その頃、待ちきれないマッコイは自らの体で人体実験を試み、ワクチンは成功を見た。こうして400年間この惑星をおおっていた黒雲は排除され、子供達の未来も救われた。カークを熱い眼差しで見送るミリ---それは400才の少女が知る始めての恋であったのかもしれない。

第9話「悪魔島から来た狂人」

 フィモ植民星---それは通称悪魔島と呼ばれる流刑星である。ここでは犯罪者達の人間改造と、社会復帰教育が行われている。エンタープライズは、この悪魔島と補給物資の転送交換を行い、無事終了した。ところがその後、悪魔島から運ばれた荷箱に隠れて凶暴な囚人が船内に侵入したことが判った。エンタープライズは非常警戒体制に入り、囚人を逮捕する。

 囚人は狂人のような男で、カークを脅して悪魔島へ送り返さないでくれと懇願した。しかも彼は囚人などではなく、悪魔島の指揮官アダム博士の助手サイモン博士だったのだ。カークはアダム博士と連絡を取り、サイモン博士が自ら危険なテストの実験台となって狂人になった事情を聞かされた。カークは精神科医の女医ヘレン博士とともに悪魔島の調査に降り立った。

 アダム博士は20年もの間、悪魔島で偉大な業績を残してきた人物である。二人は博士の歓待を受け、治療室へと案内された。カークはそこで精神中和装置と呼ばれる機械を見せてもらうが、サイモン博士を狂わせた機械はわからずじまいであった。アダム博士は、サイモンの事故を自業自得だと説明した。カークはその晩ヘレンとともに悪魔島で過ごすことになった。

 その頃、エンタープライズでは、スポックが古代からバルカンに伝わる能力でサイモンの心の深層を探っていた。やがてふたりは感応し、スポックはサイモンの狂気がアダム博士によってもたらされたものであったことを知る。

 深夜、カークは先の精神中和装置の効果を確かめるべく、ヘレンと共にこっそりと治療室へ忍び込んでいた。そしてカークはアダム博士の陰謀の全てを知った。

 精神中和装置、それは人間の脳に刺激を与えて洗脳する装置であり、アダム博士はこの機械を使って犯罪者達を自分の奴隷に変えていたのだ。洗脳の途中だったサイモンは、すきを見て脱走したのである。

 全てを暴露され、正体を現したアダム博士は、カークも洗脳しようとする。だが、ヘレンと事実を知り、かけつけたスポックの活躍で無事救出された。
 アダム博士は自らの機械にかかり、命を捨てた。そして、その後アダム博士の後任には、もうすっかり回復したサイモン博士が着任したという。