本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULE」をご覧下さい。
ここでは第4話-第6話までをお楽しみ下さい。
第4話 「魔の宇宙病」(THE NAKED
TIME)
監督:MARC DANIELS/脚本:JOHN D.F.BLACK
第5話 「二人のカーク」(THE ENEMY
WITHIN)
監督:LEO PENN/脚本:RICHARD MATHESON
監督:HARVEY HART/脚本:STEPHEN KANDEL/原案:GENE RODDENBERRY
エンタープライズは太陽を失い、今や年老いて亡びんとする惑星サイ2000の周回軌道上にあった。惑星の崩壊作用を観察中の科学班を収容に地表へ降りたスポックとジョーは、生命維持装置を切られ、その場で凍りついたような科学班六人の死体を発見する。カークは観察を続行させながら、六人の死因解明を急いだ。観測は低い軌道で行うため、エンタープライズは激変する引力や質量、磁界の影響を受け、カークは船内全部署に非常態勢を命令した。
同じ頃、娯楽室でジョーは、ナイフを抜きとめる加藤やライリーを振り切り、自分の腹部を刺すという事件が起こる。自責の念にかかりやすかったジョーは、しかも軽傷にもかかわらず生きる意志を喪失して死んでいった。---何かの宇宙病がエンタープライズを襲ったとしか思えなかった。
ライリーは自分をアイルランド王の子孫だと思いだし、加藤はダルタニアンと化し、剣をふるった---急速に凝縮を始めた惑星は、引力を増大させエンタープライズを地表へと引きつけ始めた。脱出しようとした時、エンジンが停止する。船長になったと本人が思いこんでいるライリーが、エンジン室に閉じこもりエンジンを止めてしまったのだ。陽気に歌うライリー・・・病魔はチャペル、スポックと次々と妄想の世界へと引き込み始めていた。
カークはエンジン室に突入するが、冷えたエンジンのエネルギー充填には30分はかかる。しかし、大気圏に自由落下するエンタープライズはあと8分で燃え尽きてしまうのだ!
マッコイはようやく病魔の正体をつかんだ。超高分子となった惑星の水が人体の発汗作用で体内に入り、血液中でアルコールに似た酩酊状態を作るのだ。マッコイはその血清づくりにやっきになる。---その頃、カークは成功率1万分の1とも言うべき制御爆発を起こし、エンタープライズの再点火を決意した。しかし、かんじんの方程式をにぎるスポックは、今やクリスチンとの愛に悩む男性であった!!説得するカークもまた病魔にむしばまれるが、幸いにスポックが正気づき、反物質操作を命令した。
エンタープライズは生き帰り、想像を越える爆発のパワーはタイムワープを引き起こし、エンタープライズは三日前の時にはじき飛ばされた。全員の病気も血清で全快し、エンタープライズはサイ2000を離れた。
エンタープライズは今、惑星177の周回軌道上にあった。地上にはカーク、加藤を始め鉱石標本を採取する作業班が降り立っていた。その採手中地質作業班のフィッシャー技師が軽傷を負い、エンタープライズへと戻っていった。続いて転送されるカーク船長だが、カークは異様な目まいをおぼえた。そしてカークが転送室を立ち去ったと、もう一人のカークが転送室に実体化したのである。
全てはフィッシャーの衣類にこびりついていた黄色い磁気鉱物のためであった。その磁気鉱物が転送板に落ちたため、転送機が狂い始めてしまったのだ。
医療セクションに現れ、強硬にブランデーを要求し、一気にビンごと飲み干すカーク。マッコイの報告でカークの様子を見に行ったスポックは、ごく普通の様子のカーク船長をブリッジに認めていた。
その頃一角獣を転送したチャーリィは、始めてその転送機の異変に気づいた。一匹だった一角獣が二匹になって転送されてきたのだ---しかも性格は対照的で、一匹はおとなしい普通の一角獣、他方は凶暴なはげしい気性に変わっていた。チャーリィは驚いて転送機の修理を開始し、加藤ら惑星上にいる地上班の回収は延期されることとなった。
一方、凶暴なカークはジェニーの部屋へ入り込み、部屋に帰ってきた彼女を口説き始めた。強引にキスを奪い、押し倒すカーク・・・ジェニーはいつものカークとは思えぬその行動に、その頬をかきむしった。
カークは、ジェニーを襲う彼をとどめようとしたフィッシャーを殴り倒し、逃走した。
ジェニーとフィッシャーはの報告にスポックは調査を開始するが、ずっと部屋にいたと主張するカーク。そして、その顔にジェニーがつけた傷がないことから、もう一人のカークがいることがわかってきた。
スポックは、捜査班を編成しもう一人のカークを追った。カークは、もし自分なら下部のエンジン・デッキに隠れるはずだと、スポックとエンジン・デッキに向かった。その頃、惑星の地表は刻一刻と温度が下がり始めていた。この星は、夜間は零下120度まで下がる。ヒーターを転送しても複製が現れ、機能せずこのままでは加藤ら地上班は凍死することは確実であった。
一方カークは決断力を次第に失っていく自分に呆然となる。悪の要素が抜けたために、カークの指揮官の能力は著しく落ち始めていた。ようやく、自分の偽物と対決するカーク---スポックが首筋をつかみ、偽物は捕らえられるが、はたして二人はこれからも別れ別れなのか。
転送装置は二人の銃撃戦で更に傷つき、加藤達は岩をフェイザーガンで暖めて、やっと暖をとる始末であった。
複製に分かれたため、二人のカークの体力は弱まっており、死にそうになる凶暴なカーク。「怖がるな、私の手だ。にぎれ」「君にも心があるはずだ。さあ、生きることを考えろ!」野獣のように凶暴で、冷酷な男、しかしそれでもカークには必要な人間であった。彼はカークの一部なのだ。マッコイは同意する。悪の面があったって醜いことはない、それが人間だからだ!マッコイは勇気は知性と理論を持つ君の方がある、と、善良なカークを励まし続けた。
転送機の修理が完了したが、合体させた一角獣はその未知のショックに耐えきれずに死んでしまった。恐怖に耐えきれないカークはどうしていいのか判らなくなる・・・・。しかし、地上にいる上陸班を救うためには試みるしかない---体が弱まる善良なカークのスキをつき、凶暴なカークは惑星を離れる命令を出しエンタープライズを乗っ取ろうとした。しかし、善良なカークがマッコイと共にブリッジへ現れ、凶暴なカークに迫った。「俺がカークだ!俺が!!」と力説する凶暴なカーク。
「このままではいずれ死ぬ!」
凶暴なカークは、そのまま近づくと殺すぞと警告した。「君も一緒に死ぬ」「頼む!撃たせるな!殺したくない!撃たせるな!僕は戻りたくない。頼む!殺さないでくれ!」
善良なカークは、相手を抱きしめた。「生きるんだ。私と一緒に!!」善良なカークは彼を説得し、共に転送機の上に立つことになった。---そして、転送。
こうしてカークは無事に一人となり、上陸班も回収された。正義と悪---それは共に必要な私たちの心の両面の姿なのである。
エンタープライズは、正体不明の小型宇宙船を追跡していた。返答しない宇宙船は、危険な小惑星帯の中へ突入していった。カークは電磁スクリーンを張って、小型宇宙船救助を命令するが、広範囲のスクリーンは過負荷を生み、エネルギー源として重要なリチウム結晶が犠牲になってしまう。
エンタープライズは、リチウム結晶をエネルギー源としているが残りの結晶はもう一つとなり、それもひびが入ってこわれるのは時間の問題であった。
小型宇宙船の乗組員は、宇宙船が小惑星に衝突する寸前救助された。乗員は、船長と謎の魅力をたたえた美女三人のみで、カークはその一行の素性に疑いを抱いた。
宇宙船の船長マッドは、コンピューターの調べで以前に密輸や、数々の犯罪をしていたことが判明する。彼は、今、開拓星に美女を高く売り込む商売をしているのだった。エンタープライズが、燃料を補給するため、リチウム鉱山のあるライジェル12号星という開拓星に向かっていることを知ったマッドは、先に鉱夫達と連絡を取り美女との交換の約束を取り決めてしまう。
しかし、その頃三人の美女の一人、ルースを調べていたマッコイは彼女が普通の女性とどこか違うことに気づいていた。実は彼女らは、マッドから与えられていた伝説の薬、ビーナス薬で美しく変身していたのである。
マッドは三人の美女を連れてライジェル12号星にカーク達と降り立つが、美女の一人イブが行方不明になり、鉱夫のベンによって救出された。
その際、薬が切れてしまったイブは元の醜い姿に戻っていた。
カークはビーナス薬のことをベンに伝え、最初はベンも怒るがイブが薬と思って飲んで美しくなったものが、実はただのゼリーだったのを聞きベンの怒りも解け、カークの要求をのんでリチウム結晶を渡す取引に応じるのだった。
カークは言う。「信じる心がそうさせたのだ・・・・」と。
リチウム結晶を受け取ったカーク達は、マッドを逮捕し今はともに心をかよいあわせベンと恋仲になったイブを惑星に残して、エンタープライズに帰還した。
再びエネルギーを得たエンタープライズは、次の冒険の旅に出発した・・・。