TV Episode

1st season


本編はUSでの放送順でお送りしております。
日本での放送は「TV AIR SCHEDULEをご覧下さい。

ここでは第28話-第29話までをお楽しみ下さい。

第28話 「危険な過去への旅」(THE CITY IN THE EDGE OF FOREVER)

監督:JOSEPH PEVENEY/脚本:HARLAN ELLISON

第29話 「デネバ星の怪奇生物」(OPERATION-ANNIHILATE !)

監督:HERSHEL DAUGHERTY/脚本:STEPHEN W.,CARABATSOS


第28話「危険な過去への旅」

 何百万キロの彼方から時間波動をたどって、エンタープライズはある惑星に到着した。この惑星上の何かが時間流に影響を与え、空間をゆがめる障害波を出しているのだ。その頃、許容量2、3滴のコルドラジンを謝って百滴あまりを自分に注射してしまったマッコイは、強い被害妄想狂となり下の惑星へと脱走した。転送機の焦点は、時間障害波の発信源にセットされている。上陸班を編成して後を追うカーク。彼等がそこに見た物は、廃墟に佇む巨大なエネルギー・リング、永遠の管理者ガーディアンであった。

 機械ではなく、生命でもなく、40億年以上の太古から彼等の質問を待つ続けていたという。カーク達に理解できるのは、それが時の門であるということだけだった。

 輪の中を飛ぶように過ぎ去る人類の歴史。その時、突進したマッコイがカーク達の制止を振り切って、その中へ飛び込んでしまう。次の瞬間エンタープライズが、彼等の地球が、この宇宙のどこにも存在しなくなっていた。マッコイが歴史を変えたのだ。

 宇宙の孤児となった今のカーク達には、過去のマッコイを追い、歴史を元通りにするしかなかったのだ。スポックと共に大恐慌の1930年代アメリカに到着するカーク。伝道会館に転がり込んだ二人は、失業者に尽くす社会事業家エディス・キーラーと知り合った。時給15セントで掃除や皿洗いをする傍ら、コンピュータを組み立てるスポック。まもなくマッコイが現れるはずであった。

 いつしか、カークとエディスは、互いに惹かれ始めていたがスポックは急造コンピュータで重大な事実をつかんだ。彼女には未来が二つあるのだ。六年後に国家的重要人物となる彼女と、今年事故で死ぬ彼女である。彼女の提唱する平和運動のため、アメリカは参戦、原爆開発に遅れをとり世界をナチス・ドイツが握るのだ。エディスは死なねばならなかった。判っていながら、階段でよろめく彼女をカークは思わず助けていた。

 一方、マッコイもまたエディスの介抱を受けていた。彼女から映画に誘われ、再会する三人。その時彼女めがけて突進してくる乗用車!助けようとするマッコイを抱き止めるカーク。正確無比な運命の歯車がエディスをひき殺した瞬間、歴史は救われた。

 カーク達は惑星に戻り、この魅惑的な過去をさぐる<地獄の門>を残して宇宙へと戻って行った。

第29話「デネバ星の怪奇生物」

 エンタープライズは、銀河の一角で起こっている原因不明の集団精神異常の原因を探るために、惑星デネバへ向かっていた。記録によると、まず、古代にベータ・ポーランに始まり、200年前にラベニアス第五惑星で起こり、次に白鳥座ゼータ第12番惑星、二年前のイングラムベータ、そして推測すると次はデネバでこの狂気の嵐が吹き荒れると思われたのだ。デネバにはカークの兄一家が住んでいた。

 デネバに向かう途中、カーク達は太陽に突っ込む宇宙船に遭遇、救出しようとするが失敗し、パイロットは燃え尽きる瞬間「やったぞ!遂に消えた!!」と叫んで死んでいった・・・・。

 集団精神異常がデネバ星に発生していると感じたカークは、急いで連絡を取るが何の応答もない。ようやく通じたプライベート通信で、通じたカークの姉オリーランの通信も、助けを呼ぶ声で途切れてしまった。

 急ぎデネバ星へ渡ったスポックとカークは、姉とその子供ピーターを助け出すが、兄ジョージは既に死んでいたのだった。

 姉と話したカークは、彼女が何か強い力で神経を制御されていることを知る。というのも、彼女が謎の侵略生物のことについて語ろうとすると、激しい苦痛に見回れるのだった。

 スポックは調査に向かうが、逆にその生物に襲われ神経組織を中心にその生物に侵された。一時は半狂乱になったスポックも、精神をコントロールできるバルカン人の特質で苦痛と戦い、それを克服したのだった。宇宙生物に取り付かれても正気でいられるスポックは、それを利用しデネバへ降り、宇宙生物を一匹捕らえることに成功する。

 その生物を調べた結果、その組織は単細胞で人間の脳細胞と似ており、攻撃したときに人体に針のような物を残し、それが急激に繁殖して人間をコントロールすることが判った。しかも、この生物はいかなる熱や放射能にもビクともしない。しかし、デネバの太陽に突入した男が残した「遂に消えた」という言葉をヒントに光が弱点だと知ったカークは、スポックの志願を受け強力な光線で生物を殺すことに成功するが、スポックもまた失明してしまった。

 その直後、光の中の紫外線だけで宇宙生物が死ぬことが判り、惑星上に紫外線放射衛星が作られて宇宙生物を一掃した。スポックの眼も、やがてバルカン星人の特質で全快し、謎の集団精神異常事件はここに解決した。