ACT-4”Final Force ”

1997年 バンダイ・小学館作品


 STORY

 終業のベルが鳴る。ビデオカメラがつとむを捕らえる。カメラを構える早宮。映像研究会に入ったという。つとむも一緒にと誘うのだが、今日も逃げるつとむだった・・・・。

 シャトルでワインの調査結果を聞くバーディ。その液体からはモンデット事件と同じ成分が出たという。スピリッツだ。バーディの種族には免疫があるが、地球人がこれを飲んだら、進化を退行させ、サイパワーを宿らせるかも知れないと言う。阻止するためには、ハイパーリゾルブしかないが、地球には無い。使う前に止めるしかない。

 ゴメスと氷川の所にアーカソイドがスーツケースを持ってやってきた。回収できたのはこれだけ・・・それはオンディーヌの腕だけだった。それにはバーディの仕掛けた発信器も入っていたのだが・・・。氷川はレビに「木偶人形は役にたたなかった。」と伝えるようサラマンダに言う。ゴメスはレビの愛情を判ってないと言うが、氷川にとってはレトロソルジャーが全てだった。立ち去るサラマンダにゴメスは優しく声を掛ける。氷川も行動を開始した。

 山崎警部達は氷川の過去を調べていた。例の事件は何かあると信じて・・・

 バーディはオンディーヌに仕掛けた発信器を追って、廃工場に来ていた。それは先程までゴメス達がいた場所だ。何気なく端末をたたくと、そこには浄水場の系統図が。いったいこれは・・・バーディはそばにあるケースに気づく。罠だ・・・その途端工場は爆発した。氷川はスピリッツを水道に撒こうと言うのだ。バーディーは・・・・

 その頃氷川達は、浄水場の施設に到着していた。そして施設の占拠を始める。その報告はまもなくレビへ伝えられた。

 つとむは慌てて浄水場へ向かうため電車に飛び乗る。その車両にはたまたま山崎警部と部下が乗っていた。部下は生徒手帳の一見を思い出すのだが・・・。山崎警部達は氷川の住んでいた屋敷を訪問していた。今は人の姿はない。そこで警部は氷川の日記を発見する。それによれば、ある日訪問者がやってきて、50年前の実験に興味を持っていたこと。そして自分の求めていたものと同じ薬を持っていたこと。それを自分の身体を使って試したことなどが綴られていた・・・。

 一方浄水場の氷川の身体にも、副作用が出始めていた。それを見破るゴメス。ゴメスは計画が不十分だと、計画の中止を宣言する。それを皆に伝えようとした瞬間、氷川の手に持った拳銃が火を噴いた。ゴメスに邪魔はさせんとばかりに銃弾を浴びせる氷川だった。そして氷川はアーカソイドに送水を指示する。アーカソイドが送水しようとした瞬間、バーディがアーカソイドを木っ端みじんにして阻止した。

 バーディの背後に氷川が現れる。バーディのパンチが炸裂する・・・が、氷川には効かない。氷川のサイパワーが活動を始めたのだ。氷川はパワーで水門を開けようとする。バーディの力は通用しなかったのだ・・・。そして遂に門は開けられた。

 氷川はバーディをはじき飛ばし、タンクローリーをぶつける。つとむが心の中でバーディに何とかしろと叫ぶ。しかしバーディは「もう手遅れよ・・」と言う。あとはハイパーリゾルブを使うしか手がないが、それは地球には持ってきていない。ハイパーリゾルブ、それはつとむに浴びせた電気ショックの何千倍ものエネルギーで、スピリッツを電気分解させるものだった。

 そんな中、氷川がバーディにとどめを刺そうとしたとき、自らの身体に異変が起こり始めた。副作用だ。氷川は苦しみもがき始めた。

 バーディからつとむにチェンジした後、バーディの返事はない。つとむは高圧電流注意の張り紙を見ると、何を思ったのか鉄塔に登り始めた。高圧電流をエネルギーにすれば・・・つとむの考えを読んだのか、バーディは再び身体をチェンジする。しかし、バーディの身体が高圧電流に耐えられる保証がない。もしだめならつとむの身体も崩壊する。バーディにためらいが走った。しかし、つとむは「きっとうまくいく!」とバーディを促す。バーディはエネルギーを蓄え始めた。

 再び施設へ舞い降りるバーディ。そこへ氷川のサイパワーが炸裂する。しかし、それは氷川の最後の力となった。氷川を抱えたまま水槽へ飛び込むバーディ。バーディの持つ高エネルギーで氷川も息絶えた。またスピリッツも電気分解されていく。

 浮き上がる氷川を見下すゴメス。ゴメスは死んでいなかったのだ。ゴメスは計画は失敗だったとレビに報告する。レビは明日のフライトのチケットを予約するのだった。

 山崎警部の部下が施設の死体が氷川であったことを報告に来る。その時警部は施設のモニタビデオを見ていた。すべて消えているのに、1シーンだけ残っている、それはバーディの姿だった。

 千川家の朝は相変わらずだ。今日もいつものように登校するつとむ。それをゴメスが待っていた。「しばらく、この国を離れる。今の力では、このオレ、ましてやレビなどとうていかなうはずもない。」と告げる。ゴメスは、レビが何をしようとしているのか、自分が見極め判断するというのだ。そんなゴメスに変身して向かっていくバーディだったが、「君は冷静さに欠けるな」と軽くかわされ、ゴメスは姿を消していった。

 妙に納得するつとむであるが、当分、バーディとの同居生活は続きそうなつとむであった。

私から一言

 ということで、最終回、氷川の計画も失敗に終わりました。最後にゴメスは、バーディが追ってこれない理由に、つとむの学校が新学期が始まるので日本を抜けられないよ・・というのがあった気がしますが、これって原作でしたっけ??

 早宮へのことも、結局なにも終わってないのでこれはきっと第二シリーズがあるなと期待しつつ、今回のシリーズを締めくくるのでした。ちゃんちゃん。

 STAFF & 声の出演

原作:ゆうきまさみ

製作:渡辺 繁浅見 勇

プロデューサー:杉田 敦植田文郎池口和彦丸山正雄吉本 聡

監督・脚本:川尻善昭

絵コンテ・演出:林 秀夫

キャラクターデザイン:高橋久美子

作画監督:浜崎博嗣

美術監督:青木勝志

撮影監督:山口 仁

音響監督:三間雅文

音楽プロデューサー:佐々木史朗石川吉元

音楽:大谷 幸

編集:尾形浩敏

効果:柴崎憲治

調整:山田富士男

スーパーバイザー・クリーチャーデザイン:出渕 裕

メカニックデザイン・CGワークス:佐山義則

音響製作:テクノサウンド 高寺 雄

協力:小学館「週間少年サンデー」編集部

アニメーション製作:マッドハウス

製作:バンダイビジュアル小学館


バーディ:三石琴乃

千川つとむ:岩永哲哉

氷川:市川 治

ゴメス:大塚明夫

レビ:兵頭まこ

早宮夏美:野上ゆかな

千川耕一郎:キートン山田

千川いずみ:太地琴恵

千川はずみ:丸尾知子

山崎:青野 武

サラマンデル:中村大樹


主題歌

「サヨナラから始めよう」

作詞:佐藤ありす

作曲・編曲:TA,Cool

歌:THE s・h・e

音楽製作:ビクターエンターテイメント