うる星やつら オンリー・ユー

1983年(株)キティ・フィルム作品
監督:押井 守


うる星作品待望の映画化第一弾作品。

 銀幕にラムちゃんの姿が初めて写ったときには、感無量でした。思えば小学校の帰りに立ち読みしていたマンガの主人公が、スクリーンに。ところでこの映画、エンディングがTV版と同じでした。スタッフはTV版の延長線という意味でそうしたらしいが、ファンは手抜きだぁと言ったいわくも!?この話がでてPart2から映画独自の主題歌に変わったのはいうまでもありません。


ストーリー

 夕暮れ時の公園。男の子は女の子を追いかけていた。男の子は勢いよくジャンプし、着地するとこう言った。
「影踏んだ!」
「ホント?私の星では影を踏んだら、結婚の約束をしたことになるの。あなたは、わたしと結婚しなきゃいけないのよ。」
11年たったら迎えにくるといい残し、女の子は去っていった。
 幼き頃のあたると、エル星女王エルの姿であった。


 それから11年後、友引高校はあたるの噂で持ちきりだった。面堂やしのぶ達のところに、結婚式の招待状が届いたのだった。差出人は、あたる並びにエル・・・。真相追求のためラム親衛隊のメンバーは、あたるを捕らえ友引高校の時計塔で尋問を開始した。
が、あたるには見覚えの無いことだった。エルが誰であるのか、全く心当たりが無いのであった。それでもみんなの怒りは、あたるに集中する。そして面堂は、ついに機構師団を率いて友引高校へ乗り込んできた。

 と、その時である。友引高校上空に、巨大な宇宙船が出現した。エル星からあたるをエルとの挙式のため迎えに来たのである。あたるには11年前にエルとの婚約の事実があるというのだ。怒ったラムは電撃を放ったが、あたるの体はバリヤーで封印されてしまう。そしてエル星の使者は、明日迎えにくると言って去っていく。
 どうしていいのかわからないラムは、夜の街を寂しく歩いていた。そんなラムに弁天が耳うちをする。どうも何か作戦があるらしいのである。

 一方、諸星家ではあたるがエルとの結婚話に浮かれていた。そこへラムが現れ、あたるを、あたるの父母を、錯乱坊をUFOへと吸い込み、飛び立っていく。その頃弁天は、恒星間用マイクロバスに、面堂やしのぶ達を積み込んでいた。あたるがエル星につれて行かれる前に、ラムとあたるのとの結婚式を挙げようというのである。その出席者として、面堂やしのぶ達は集められたのだった。

 やがてラムのUFOとマイクロバスは、ラムの父のUFO母艦とドッキングし、うる星へと向かうのであった。やっと夫婦になれると幸せに浸るラム。エルとの結婚が、まだあきらめきれないでいるあたる・・・。

 そんなときである。UFO母艦の前方に、宇宙船団が姿を現した。エル星の艦隊が待ち伏せていたのである。戦闘のさなか、あたるはマイクロバスに忍び込んでいた潜入工作員ロゼの手によって連れ去られていってしまうが、そのシャトルの客室には、面堂やしのぶ、メガネ達までもが紛れ込んでいた。騒ぎに気が付いたラムは、あたるの後を追うが、その機は修理中の物であり機体は炎に包まれてしまう。かろうじて脱出したラムであったが、今まで艦隊のいた空間を、ただくやしそうに見つめるのみであった。


 エル星に到着したあたるたち一行は、ついにその星の女王エルと対面することになった。エルはこの世のものとは思えぬほどの美しさであり、あたるはすっかりその気になってはしゃぎまわる。それをうらやましげに見る面倒以下の男達・・・。
 その面堂は、深夜エルに呼び出されるが、連れて行かれた部屋には巨大な冷蔵庫があった。エルには宇宙中の美形を冷蔵してコレクションする趣味があったのである。その様子を物陰から見ていたあたるは、急に結婚する気はない、と言い出した。が、抵抗むなしく、あたるは結婚式まで閉じこめられてしまう。

 ラムの故郷へと送り返されたメガネ達から、エル星の出来事を聞いたラム。その心は、晴れようもなかった。
 あたるは一体何を考えているのか?
 結婚式は明日へと迫っていた・・・!



私から一言

 あたるもあたるだが、エルの趣味はすごい。あたるが結婚をことわるところで、エルは「あなたも同じ...」に対してあたるの一言。「おまえとはスケールが違う!」
あたるにいわれたら、おしまいですよねぇ。


声の出演


ラム>>>>平野 文
あたる>>>古川登志夫

面堂>>>>神谷 明
しのぶ>>>島津冴子
テン>>>>杉山佳寿子
サクラ>>>鷲尾真知子
錯乱坊>>>永井一郎
あたるの父>緒方賢一
あたるの母>佐久間なつみ
メガネ>>>千葉 繁
パーマ>>>村山 明
カクガリ>>野村信次
チビ>>>>二又一成
ラン>>>>井上 瑶
弁天>>>>三田ゆう子
お雪>>>>小原乃梨子
レイ>>>>玄田哲章
クラマ>>>吉田理保子

ババラ>>>京田尚子
ロゼ>>>>丸山裕子
門衛A>>>田中秀之
門衛B>>>塩谷 翼
ドライバー>桜庭裕一
ラム鑑艦長>寺田 誠

あたる(子供)>鈴木一輝/藤枝成子

エル(子供)>>詩 織
エル鑑艦長>松谷裕子
エル>>>>榊原良子



スタッフ


東宝(株)配給/キティ・フィルム作品

製作:多賀英典
企画:落合茂一
脚本:金春智子
脚色:押井 守
音楽:小林泉美/安西史孝/天野正道
音楽監督:早川 裕
美術監督:新井寅雄
作画監督:遠藤裕一/青島克己/高沢孫一
演出:安濃高志
メカ作監:山下将仁
撮影監督:若菜章夫
音響監督:なん波重冶
アニメーション製作プロデューサー:布川ゆうじ
監督:押井 守

製作協力:スタジオぴえろ

 この頃はまだぴえろだったんですねぇ。あの有名な押井さんも、ぴえろ所属になってます。


参考資料:キティLDノーカット版より