不朽の名作!うる星映画化押井作品第二弾。
うる星5作の中で、どれが一番良いか考えたとき、いつも挙げられるこの一作。わたしも、この作品は大好きです。押井さんてすごいなぁ。
この作品は、全作の宇宙を舞台にした世界から一転してラムの内宇宙。無邪鬼がつくった世界に閉じこめられてしまう面々。この世界でもやっぱりドタバタは続くのだが...
ストーリー
学園祭の前日、準備でごった返す友引高校。廊下をかけまわるバルタン星人。階段にはモスラとモゲラ。面堂が持ち込んだレオパルド戦車の中で乱闘する面堂、竜之介、そしてあたる。そこへ天使のように舞い降りたラム。戦車の中のあたると竜之介を見るや形相一変、怒りの電撃。それでもラムは幸せ。保健室で「いま、とっても幸せだっちゃ」というラムにサクラもしのぶもアゼンとするのだった。
朝、学園祭の前日の朝。生徒達が動き始めた。疲れはてている面堂たち徹夜組。ズタズタボロボロの温泉先生はサクラに精神安定剤を貰う。元気なのはラムばかり。温泉先生は自分の疑問をサクラに打ち明ける。
「世界全体が同じ日を一日ずつずっと繰り返しているのではないか?」
そんなバカな!取り合わなかったサクラだが、学校に戻って何かを感じた。友引高校に何かが起こっていると。
その夜、温泉先生は異変の正体を突き止めるため、強引に泊まり込み組を追い出す。雨の中、あたるとラムは一つ傘で空中を飛んで帰る。メガネとパーマは電車、カクガリとチビはバス、面堂としのぶは車で帰る。しかし全員、堂々めぐりの末学校の正門へ戻ってきた。町から出られないのである。そこであたるの家へ泊まることになった。
翌朝、一同は学園祭の準備に学校へ向かった。お好み焼き屋でサクラは友引高校の異変を皆に告げたが、あたるもメガネもあてにならない。面堂がお好み焼き代をタテにとって、ようやく真相究明委員会が結成された。
不気味に静まり返る友引高校の夜。サクラとしのぶを外に残し、一同は暗い校内へ。だが校内はまるで迷路。チビとカクガリがたまらず電灯をつける。そこに見た物は、無限の合わせ鏡になった教室、廊下がどこまででも続いていた。空間がメチャンコ歪んでいるのだった。非常事態である。学校から脱出した一同は、面堂家友引地区の緊急脱出用ジェット機、ハリヤーで急上昇した。そして信じられない光景を目にすることに。友引町は巨大なカメの背中に乗って宇宙空間を漂っているのだ。カメと町の空間を支えているのはチェリー、温泉先生の石像だった。ハリアーはガス欠を起こし、仕方なく町へ戻る。
その日から町はあたるたち以外人の気配が消え、荒廃していった。奇妙なサバイバル生活が始まる。だが、どういうわけか諸星家の近くのコンビニには食料が供給され、諸星家には電気、ガス、水道、新聞さえが毎日届くのであった。気楽で愉快な日が続いた。学校後の池で泳ぎ、釣りをし、廃墟の映画館で「ゴジラ」を観る。夜は夕涼みに花火。食い盛りが5人も増えて食事の仕度に忙しいあたるの母をしのぶが手伝う。仲の良い二人にラムは面白くない。
異変の正体を探っていた面堂が、廃墟の町の水道の蛇口をひねる。水は出ない。スイカを持って飛んできたラムが蛇口をひねると、水がほとばしる。
「とっても楽しいっちゃ」
と満足そうなラムにハッとする面堂。
しのぶが消え、続いて竜之介も。面堂が崖下を調べてみると、二人は石像になって町を支えていた。報告を聞いてサクラはつぶやく。
「次は私の番じゃな。」
そして、ついに決心した。
「今宵を期して攻撃にでるぞ!」
と。
私から一言
このあとサクラさんはあたるを呼び出すわけだが、「あたるが夜まで待っているわけないじゃないか」という作戦は、まさにその通りと思わされましたね。
この作品のエンディングには私もニンマリしてしまいます。
声の出演
ラム>>>>平野 文
あたる>>>古川登志夫
面堂>>>>神谷 明
しのぶ>>>島津冴子
テン>>>>杉山佳寿子
サクラ>>>鷲尾真知子
錯乱坊>>>永井一郎
あたるの父>緒方賢一
あたるの母>佐久間なつみ
メガネ>>>千葉 繁
パーマ>>>村山 明
カクガリ>>野村信次
チビ>>>>二又一成
無邪鬼>>>藤岡琢也
他
スタッフ
東宝(株)・キティ・フィルム提携作品
製作:多賀英典
企画:落合茂一
脚本:押井 守
音楽:星 勝
音楽監督:早川 裕
美術監督:小林七郎
作画監督:森山ゆうじ/やまざきかずお
演出:西村純二
撮影監督:若菜章夫
音楽監督:なん波重冶
アニメーション製作プロデューサー:久保 真
製作担当:渡辺 明
監督:押井 守
製作協力:スタジオぴえろ