きまぐれオレンジロード
吾輩は猫であったりおサカナであったり

1989年東宝作品

OVA第4弾

 ときめきBlueというエンディングがとっても好きなんです。
 お魚になった恭介は、女性のナマにであって・・・・


ストーリー

 暑い暑い夏。恭介は今日も宿題に追われていた。隣では猫のジンゴロが金魚鉢の金魚を狙っている。「こんな時金魚か猫にでもなれてしまえたら。」机に向かいながら、ふと恭介はそんなことを考えていた。これから自分の身に降りかかる災難のことも知らずに。
 その頃、くるみは上京したおじいちゃんの鞄から一本のロープを見つけていた。あわててそれを取り上げたおじいちゃんは、これは端と端を持った物の魂を入れ替える魔法のロープだと説明する。信用しない家族達に怒ったおじいちゃんがくるみにロープを投げつけた途端、二人の人格は本当に入れ替わってしまった。

 面白がったくるみが恭介にもそのロープを試そうとした瞬間、偶然ジンゴロが金魚鉢をひっくり返し、何と恭介は金魚と魂を入れ替えてしまう。更に金魚になり、窓から落ちた恭介は事もあろうに通りがかった金魚すくいの水槽の中に飛び込んでしまった。

 その夜、恭介と縁日に行く約束をしていたまどかとひかるは、一向に現れない恭介を待ちきれずに境内を回り始めた。金魚すくいを始めた二人に目を付けられた恭介は、ついにまどかにつかまってしまう。縁日でまどか達と出会ったまなみとくるみは、恭介は風邪だとごまかすと、夜店の金魚を片っ端からすくっていくのだった。

 まどかから金魚をゆずってもらったひかるは、金魚を部屋へ置くと再びまどかの家へ遊びに行った。その頃まなみとくるみは金魚の恭介がひかるの家にいることを知り、ジンゴロを連れてひかるの部屋へテレポートする。だが、金魚の恭介を見たジンゴロは思わずそれに飛びついてしまった。その弾みでジンゴロの首に巻いていた魔法のロープがほどけ、今度はジンゴロと恭介が魂を入れ替えてしまう。そんなことに気づかない二人は、金魚をつかむとあわてて姿を消してしまった。

 急いで家へ帰ろうとした猫の恭介は、夜道の曲がり角で買い物帰りのまどかと衝突してしまう。買い物かごから落ち、割れたワインにそまってしまった恭介は、酔いとショックで気を失ってしまった。

 恭介をただの猫だと思ったまどかは、自分の家に連れて帰ることにする。ワインに酔い、ひかるとともに大胆なポーズで恭介にせまるまどか。そんな二人に恭介はめろめろになってしまう。ひかるを送りだし、シャワーを浴びようと服を脱いだまどかを見て、恭介はついに失神してしまった。

 その頃、恭介の家族達は、恭介の魂を呼び戻す儀式を始めていた。一方意識を取り戻した恭介は、部屋の中にガスが漏れていることに気づく。ワインに酔ったまどか。給湯器のスイッチをいれたまま寝込んでしまったのだ。ガスを止めようとする恭介だが、ジンゴロの体ではスイッチまで飛び上がれない。おまけにおじいちゃん達の力で、自分の魂は今にもジンゴロの体から吸い出されそうなのだ。自分の体を気遣ってくれるまどかの声に励まされ、恭介は最後の力で壁に飛びついた。力つきてそのまままどかの上に落ちてしまう恭介だったが、そのおかげで気が付いたまどかは無事一命を取り留めたのだった。

 やっと元の体に戻れた恭介。今日も自分は宿題に追われ、窓際ではジンゴロが金魚を狙っている。しかし、一見平和そうに見える猫や金魚の世界にも、彼等なりのくるしみや、悲しみがあることを恭介は感じていた。


  お勉強になりましたね、恭介くん。

スタッフ

監督:中村孝一郎
企画:藤原正道/布川ゆうじ
キャラクターデザイン:高田明美
脚本:静谷伊佐夫
総作画監督:後藤真砂子
美術監督:三浦 智
音響監督:松浦典良
撮影監督:小松寿一
音楽:鷺巣詩郎
製作:東宝・スタジオぴえろ

声の出演


春日恭介:古谷 徹
鮎川まどか:鶴ひろこ
檜山ひかる:原えりこ
春日くるみ:本多智恵子
春日まなみ:富沢美智恵
おじいちゃん:緒方賢一

主題歌
オープニング
「チューズ・ミー」
唄:坪倉唯子

エンディング
「ときどきBlue」
 唄:橘 友賀