きまぐれオレンジロード
恋のステージ HEART ON FIRE! 春はアイドル!

1989年東宝作品

OVA第5弾

 何回かあった恭介のピンチ!今回はその中で最大のピンチをむかえるシリーズ中、最大人気を誇る「春はアイドル」です。


ストーリー

 5月のある日、恭介はまどかからの電話に呼び出された。春の街はもうすぐ開催されるタレントスカウトキャラバンで賑わっている。街角で出会ったひかる達も、そのキャンペーンに大忙しだった。恭介が呼び出されたスタジオでは、まどかがいとこの秀のバンドで練習の真っ最中。スカウトキャラバンに参加するバンドのキーボードがいなくなった為、その助っ人になるというのだ。優勝すれば、プロとしてデビュー出来るという。だが、そのゲストがプレイボーイで有名なアイドル歌手、早川ミツルであることを知った恭介は、まどかの参加に猛反対する。しかし、まどかはそんな言葉に取り合おうとしない。

 まどかに嫌われ、とぼとぼと街を歩いていた恭介は、ファンに追いかけられていた早川ミツルと偶然にも衝突してしまう。その衝撃で、普通の男の子に戻りたいと願う早川と、アイドルになりたいという恭介の心はお互いに入れ替わってしまった。

 突然三枚目顔になって絶句する早川とは対照的に、モテモテのアイドルになり鼻の下が伸びっぱなしの恭介。しかし押し寄せる女の子の集団パワーはすさまじく、身動きが取れなくなってしまった恭介は、しおりという少女に救われた。彼女の話によると早川と彼女は、高校時代に同じ放送部にいたらしい。さらに早川はしおりを幸せにするために歌手になったというのだ。食事に入ったレストランで、しおりはいつまでも早川のファンだと告げるとその場を去ろうとする。自分のことを忘れてしまっている早川を責めもしない彼女に、恭介は本物の早川に会わせてやろうと決心するのだった。

 その頃恭介となった早川は、まどかに会っていた。すっかりまどかに一目惚れした早川は、そのまま朝まで一緒にいることを約束する。まどかの家への帰り道、恭介達の通う高睦高校の前にさしかかった早川は、自分の学生時代が懐かしくなり、まどかを放送室に誘う。久しぶりに触れた機材に早川の脳裏にしおりの姿がよぎった。そばにあったCDを手にし、早川ミツルが女ったらしである淡さを話すまどか。それに断固講義する早川の声は、マイクを通じて校外へ流れていた。しおりを外に残し、学校の中に飛び込んでくる恭介。まどかに気づかれぬように恭介は元の体にもどるために早川に頭突きををお見舞いした。そのショックで二人の心は再び元に戻ることが出来たのである。

 星空の下一人たたずむしおり。人の気配に振り向いた彼女の前に本物の早川が現れる。アイドル歌手の早川ミツルではなく、幼なじみの早川和人として・・・。彼にお帰りなさいと言ったしおりの頬に涙がつたう。二人を暖かく恭介とまどか。だが優しく微笑む恭介は、胸の中で一人つぶやいていた。早川ミツルが僕のパワーをどれだけ覚えているのか・・・と


  これは前編後編で、構成されているうちの前編です。早川に能力を悟られてないか気になる恭介。これは後半になってわかることです。ドキドキものですね。

スタッフ

監督:吉永尚之
企画:藤原正道
キャラクターデザイン:高田明美
脚本:寺田憲史
総作画監督:後藤真砂子
美術監督:三浦 智
音響監督:松浦典良
撮影監督:小松寿一
音楽:鷺巣詩郎
製作:東宝・スタジオぴえろ

声の出演


春日恭介:古谷 徹
鮎川まどか:鶴ひろこ
檜山ひかる:原えりこ
春日くるみ:本多智恵子
春日まなみ:富沢美智恵

秀:中原 茂

主題歌
オープニング
「チューズ・ミー」
唄:坪倉唯子

エンディング
「ときどきBlue」
 唄:橘 友賀