第1章 研究の基本的な考え方
 
T 研究主題
 
 
 情報活用能力を育てる主体的な学習活動に関する研究
 
 
 
U 主題設定の理由
 
平成11年6月のケルン・サミットにおいて採択された「ケルン憲章」では、すべての子どもたちにとって「読み・書き・算数・情報通信技術(ICT)の十分な能力」の達成を可能とする教育が不可欠であるとの合意がなされた。我が国では教育の情報化を日本の教育の最重要課題と位置づけ、「バーチャルエージェンシー」(教育の情報化プロジェクト)を組織し、「子どもたちが変わる」「授業が変わる」「学校が変わる」という3つの目標を示した。また、第15期中央教育審議会の答申では、情報化の進展は想像をはるかに超えて、我々の生活様式を急速に変えていくだろうと指摘し、情報教育の体系的な実施や学校教育の質的な改善等を求めている。さらに、平成10年12月に告示された小学校新学習指導要領では、指導計画作成上の配慮事項として、「各教科等の指導に当たっては、児童がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段に慣れ親しみ、適切に活用していくとともに、視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の活用を図ること」と明示し、新設される総合的な学習の時間においても、その例として、国際理解、情報、環境、福祉・健康などをあげている。情報教育の推進は今や国をあげての課題となってきているといえる。
 これからの情報教育は情報や情報機器を主体的に選択し、活用するとともに、情報を積極的に発信できるようにするための基礎的な資質を育成していくことであると考える。また情報機器はあくまでも道具であり、情報を自ら判断し、自ら行動することの大切さを十分理解させたり、人間同士のコミュニケーションや直接経験の大切さを実感させることも必要である。
 以上の点をふまえ、情報化がさらに進展していくであろう高度情報通信社会において、子どもたちに必要とされる「生きる力」としての情報活用能力とは何か、子どもたちが主体的に生きていくために、情報や情報手段を自ら活用し、問題を解決をできる方法を身につける学習活動をどう展開したらよいかを考え、本主題を設定した。
 
 
V 研究の目的

 1 情報化社会における情報教育の在り方を明らかにする。

 2 授業の実践を通して、情報活用能力育成の在り方を明らかする。
 
 
W 研究の方法


 
 理論研究     
  国、県の動向 情報教育のとらえ方 (文献研究)
  大学の講義受講、授業研究会、各種研究会参加




 
 実態調査と考察
  児童の生活実態・授業における情報手段等に関する意識調査
  熊谷市・深谷市 10校において調査(平成11年7月)   
  アンケートは質問紙法 149名 
   








 
 実践授業     
  情報教育の目標と教科の目標を統合した授業
  小学校社会科 5年生 単元名「私たちの生活と情報」
  12時間扱い
  事前調査 
  指導案作成
  授業実施  10/4〜10/16 1/18〜1/29
   熊谷市立籠原小学校 5年2組  5年3組
  事後調査    考察


 
研究のまとめ   
   研修報告書作成
   研究紀要作成