佐々木 寧
2.植生帯について
他地域のタヌキラン群集は,海抜高度でみると,青森県下北半島でのほとんどOmの沿岸地帯から,富山県の標高2000mを越える亜高山地帯にまで広く分布している.植生帯でいう夏緑広葉樹林帯・ブナクラス域を中心にコケモモ−トウヒクラス域にまで発達している.これに対し,荒川のタヌキラン群集は海抜高度約80〜300mの範囲に分布しており,植生帯としては常緑広葉樹林帯・ヤブツバキクラス域に発達している.タヌキラン群集の主要分布域である夏緑広葉樹林帯に位置する秩父湖より上流の荒川源流域にはタヌキラン群集は確認されていない.
5.遺存群落としてのタヌキラン群集
(前略)太平洋側気侯下の関東山地では,タヌキラン群集は荒川本流の秩父盆地を中心とした地域にのみ局限していることになる.(中略)荒川のタヌキラン群集は地形,地質や気候条件,あるいは群落組成のいずれをとっても,中心分布域である日本海側気候域のタヌキラン群集と大きく異なっている.(中略)したがって,遺存的植物の多数生育する秩父山地の一角で,このタヌキラン群集も過去の冷涼期に分布した植物が荒川の河川沿いに遺存し,残存した群落と考えられる.(後略)
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Fig. 5. Autumn aspect of Caricetum podogynae is characterized Angelica polymorpha, Artemisia princeps and Miscanthus sinensis.. |
Yasushi SASAKI
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