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四国屋
(新中野)
私の趣味のひとつに将棋がある。将棋は一見地味な趣味に思えるが、実際は、ダイナミックかつ繊細なゲームである。その将棋の業界用語の中に、「利かし」という表現がある。「利かし」といっても、いろんなパターンがあり、一概には言えないが、一例をあげれば対戦相手の手抜きを許さない手と表現できるかもしれない。この「利かす」感覚が解れば、有段者だろう。
さて、前置きはこのくらいにして、本題に入ろう。小雨の中、丸の内線に乗り、新中野の駅で降りた。この駅で降りたのは、2回目だ。前回は、讃岐うどんML「極東支部忘年会」昼の部でこのうどん屋を訪れた。駅のホームから降りるととあのときの記憶が蘇ってきた。その記憶を頼りに、四国屋に向かう。あ、この100円ショップは、あのとき寄ったなあー。と感慨にふけりながら、進むこと、5分くらい。着きました。セブンイレブンの隣にあるこの店が四国屋です。時間は、5時頃、客は、ほかに誰もいませんでしたが、迷わず、のれんをあげて、店の中に入りました。カウンターのみの店内、奥のガラスばりの中で大将が、うどんを打っています。
とりあえず、カウンターに座り、五目いなり(250円)と、かしわうどん(750円)を注文しました。五目いなりは、すぐにきました。なかなかの迫力です。普通のいなり寿司の2倍から3倍はあるでしょう。五目いなりの味も二重丸です。おもわず、讃岐うどんがたべたくなるような味付けです。五目いなりをつまみながら、待つこと10分くらい。きました。かしわうどんです。
暖かいうどんにかしわ、すなわちとり肉と、ねぎ、かまぼこ、たけのこが、のっています。ねぎは、讃岐のような細いネギでなくて、太めのネギです。
うーん。このイリコの利いたにおいがたまらない。汁の色もイリコが、利いた色だ。店内を改めて見直すと、イリコとかかれた段ボール箱が、積まれている。ひとくち、汁をすする。うーん。このイリコの味がたまらなくいい。イリコが、利いている。讃岐うどんとイリコ、かしわ、これは、絶妙の組み合わせだ。目論見どおり、五目いなりとの相性もいい。イリコの「利かし」が、わかれば、讃岐うどんの有段者だろう。このイリコの汁を残したら、罰があたる。一滴のこらず、飲み干して、お代を払い、小雨の中、新中野の駅に向かった。
2000.6.24
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