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おあがんな

埼玉県入間市新光256-22

武蔵野うどんなるジャンルのうどんがある。讃岐で赤坂のおじちゃんから教えてもらった「danchu1999年10月号」で知りました。情けない話ですが、讃岐までわざわざツアーをくむほどなのに、身近なうどんのことは、ほとんど知らない。

そこで、武蔵野うどんをテーマに攻めてみることにし、インターネットで探してみました。

この「おあがんな」は、珍しい店の名前です。「食べてちょーだい。(^_^)」標準語では、こうなるはずです。場所は、非常にわかりづらい。私自身は、こういう見つけづらい店の方が好きなのですが、飛び込み客が少なくなるから、よほど味に自信がなければ、一般に営業は難しいでしょう。そういう難しい立地で店が成り立っている、これは、旨い証拠です。

国道299号から左に曲がって、バイパスに入ります。そこから左に曲がります。店の看板を目印に、また、左に曲がります。そして、また左、さらに左、、、おいおい、左にばっかり曲がって、一周以上したでないかい(^_^;)。でも完全には1周していません、こういう行方なのです。「なると」の渦のような地理感覚です。

住宅街の奥に入ってきました。いわゆる仏子ニュータウンと呼ばれています。この街が、できた頃にはきれいな若奥さんが、濶歩していたのでしょう。住宅街の真ん中に、どうしてこんな場所に店があるのか、わかりません。脱サラで始めたのでしょうか。駐車場のスペースが何台かあったので、そこに愛車をとめて、店に入りました。外観と立地が少し怪しく、中に入っても少し違和感が、ありましたが、これらはもちろん許容範囲内です。

店の中には先客が5人家族連れです。有名人のサインが3枚壁にはってあります。厚くて立派な木のテーブル席が2つ、座敷に4テーブル、カウンターが3席ありました。音楽は、前川清の演歌がかかっています。この歌は、店の雰囲気に似合っています。漫画本、焼津鰹節と書いてある段ボール箱、ひょっとこ、おかめ、天狗の面、唐傘、七福神、絵画、、、ちょっと飾り付けのしすぎかもしれません。壁のメニューには、「秩父錦」、「だんべえ」とあり、秩父の地酒が、使われていて、秩父人としてはやっぱりうれしい。(^_^)実は、店に入ったときは、単なる居酒屋かなと思ってしまいました。壁のメニューには酒の肴みたいのが、多くて、うどんの文字が見えない。一瞬あせったのですが、机の上のメニューをみたら、もちろん、うどんとありました。

奥さんがお茶と注文をとりにきました。奥さんは、ピンクのバンダナを頭に巻いています。ちなみにご主人は水色のバンダナです。ざるかき揚げ700円を注文しました。種類はたくさんあります。牛しゃぶうどんとか、いうわけわからないものもありました。

居酒屋主体のメニュー、うどんのメニューにも変わったものが、多い。これは、期待はずれだったかな、と思索にふけっていると、うどんが、きました。麺は、少し黄色がかっていて光沢があります。地粉を使っているのでしょう。麺は少し細いというより、薄いような気がします。麺の断面は長方形です。やけに、質量、重さを感じる。どっしりした安定感、存在感があります。この重さを相殺するために麺を薄くしているのかもしれません。麺には、光沢があります。一見固そうだが、そうでもない。かみしめると小麦粉のいい味がする。この味覚は、よく水洗いしていないで残っている小麦粉とは、全然違う。だしは、薄めだが、しっかり味がついている。関東と関西の中間的な味か。わかめ、しそ、ねぎをだしの中に入れる。わかめは、珍しい。かきあげは、玉葱、人参、かぼちゃ、いかが入っていて、大迫力、これだけでも価値がある。

おそらくこれこそが、正統派武蔵野うどんといえるのかもしれない。洗練されてないが、媚びをうらないところに好感がもてます。主人は、こういううどんをつくろうとして、このうどんをつくった。これは、これで自己主張が完結しています。麺には、筋など入っていなかったが、主人のうどん哲学には、一本筋が入っています。何度か通ってみたい店です。

1999.10.10


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