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野らぼー

(神田)

 

 淡路町の駅で降り立ち、B7の出口をめざす。長い階段をのぼりきって、まっすぐ、歩き始めるとすぐに讃岐うどんという文字が目にはいる。讃岐うどんという文字を見るだけで、都会の中にオアシスを発見したような気がするのは、私だけでは、あるまい。店は、地下一階にあるらしい。ともかく、階段を降りて、店に入ることにしよう。階段をおりる途中、「讃岐のこころ ほのぼのとあじわっていきなはれ」という大きな文字が、書いてある。店のドアを開けると、意外に広い空間が、私を待ち受けていた。とりあえず、あたりをみまわす。発見報告がされたばかりなので、同じ讃岐うどん好きの知り合いがいるかもしれない。幸いにも知り合いはいないようだ。店の中は、カウンター10席、テーブルが7、8つだろうか。カウンターから見える厨房には、大釜が鎮座されている。これは、期待できる。メニューを見てみると、かけうどんに、あつあつ、ひやあつ、ひやひやという文字が並んでいる。関東のうどん屋でこの表示をみるのは、まだ、珍しいだろう。私には、当然のメニューになってしまっているが、、、。都会では、うどんは、蕎麦に負けつづけてきたが、本場讃岐系統のうどん屋は、もしかしたら、うどんと蕎麦の勢力図を変えてしまうかもしれない、とひそかに期待している。蕎麦における、技術と思想性、本場讃岐うどんに関しては、蕎麦を凌駕する技術と思想性があると思う。根拠はない、、。


 生ビールとひやひやの大盛り(580円)、玉子天、下足天を注文した。先に玉子天と、げそ天がきた。玉子天は、不思議な味わい。このしょうゆとのバランスがいい。ただの玉子を天ぷらにしただけで、こうも変わるとは。いか下足天は、もう少し大きいのを期待していたが、それほどでもなかった。玉子天と下足天をつまみに生ビールを飲んでいたら、うどんが、やってきた。第一印象は、讃岐の宮武のような麺、ひねりが利いている。それほど、固くはないが、味わいがある麺。だしは、イリコが、利いている。ネギは、細いネギ。なにやら、ピンク系統のかまぼこみたいなものが、のっていたが、あとで、聞くところによると、魚肉ソーセージらしい。
 東京にまた、新たな、讃岐うどんスポットが誕生したと評価してもいいと思う。讃岐うどんの神髄は、綾川、土器川周辺にあるという説がある。私も去年、本場讃岐うどんツアーを実践して、綾川、土器川から、離れたときのちょっとはずした感覚を体験した。観音寺出身の大将は、観音寺ゆえの限界があるようにも感じられたが、それもこの不毛な極東の地では、ささいな問題にすぎない。

 

2000.8.12


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