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讃岐うどん屋
(成田空港)
関東周辺の住民が、海外に出かけるには、成田空港を使うというのが、一般的な方法である。もちろん私の場合も、韓国に行くために、この成田空港を使うことにした。たまたま世界同時多発テロなどという大事件が起きた影響で、各種チェックが、厳しいと見て、早めに空港に向かうことにする。本当なら十条のすみたで、かしわうどんを食べてから空港に行く予定だったが、こういう状況なので仕方ない。しかし、成田空港にも讃岐うどん屋が、あることが、わかっていたので、それほど落胆はしていない。それに、こういう機会でないと成田空港でうどんを食べる機会なんてない。
飛行機の搭乗手続きが意外と簡単に終わり、時間が余りすぎたので、とりあえず、空港内のお土産屋さんを冷やかしながら、讃岐うどん屋さんを探す。案内板を見ると、5階にあるらしい。空港が、出来て、テナントを決めるときに、料理の種類が重ならないようにしているようだ。いろんな種類の食べ物屋さんがある。やはり、出発前には、和食系統を食べておきたい。日本食では、すし屋もあったが、どうも値段が高すぎる。これから安くて旨いものがたくさんある韓国に行くわけだし、機内でも軽食くらいは、出るだろうから、ちょっと軽目の食事でいい。と、もう、ここの讃岐うどん屋で食べることは、はるか以前から決めていたくせに、改めて決断の正しさを再確認しながら、5階に向かう。

あった。あった。特に店の名前はない。讃岐うどん屋とだけ表記してある。見通しのいい客席には、いわゆるスチュワーデスとか、空港関係らしい美人が多い。私の想像だが、成田空港の食堂全体でもここが、いちばんスッチーの比率が高いんじゃないだろうか。のみならず、讃岐うどん屋全体で見ても、これだけスッチーが、訪れる店は他にないに違いない。入り口には、乾燥麺、半乾燥麺が、お土産用に売られている。一般店だけあって、客席数が多いが、景色がよさそうな窓際のカウンター席を確保した。きつねとたぬきが、入った温かいうどんを注文する。窓の外では、飛行機が、行き来している。これだけ、いろんな種類の飛行機を眺めながら、うどんを食べられるところは、日本では、いや世界でもここだけに違いない。
やがて、待望のうどんが、届いた。きつねとたぬきに隠れていて麺は見えない。いりこの香りは、感じない。色香からして、どちらかというと関西風の出汁だ。麺は、想像していたより、本格的なものであった。場所柄経営効率を最優先にし、味は、二の次かという悲劇も予想していたが、これなら讃岐うどんと表示しても何ら問題はない。これから海外に行く前に食べる日本食として、また、海外から帰ってきて食べる日本食として、成田空港では、ここでしか食べたことがないくせに、ここしかない、と思った。成田空港は、外国人が最初に到着する日本の入り口、つまり日本の顔である。そういう難しい立地にある讃岐うどんを標榜するうどん屋が、まあまあのレベルを保持していることに安心した。このホームページにアクセスしてしまった外国人の方も日本に来たら、是非ここのうどんを食べて、香川で本場の讃岐うどんを食べるという妄想にひたってほしい。
2001.9.20
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