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こくや(3)

飯能市

 

うどんに似合うのは、ほのぼのした風景と店構えだと思う。ハイソっぽい店構えや、モダンな店内はうどん屋としては、多少の違和感があって、何の用もなくて、漠然とした、けだるい昼下がりにはしっくりこない。

最近は、一滴八銭屋をはじめ、おしゃれなうどん屋も増えてきたが、そういうタイプのうどん屋には、少しはおしゃれでもしていかないと、肩身が狭い。日常食としてのうどんを食べるなら、少し古びて、落ち着いた時間の流れる空間で食べたい。そういう店でなにも考えずに、スポーツ新聞を読みながら、うどんをすする。これは、これで、ひとつの形である。そんなとき、関東人としては、讃岐うどんより、関東土着のうどん屋の方がぴったしくる。

新しくできた駐車場に車をすべりこませる。あいかわらず、店には、のれんもないので、少々不安があるが、思いきってドアを開けて、中に入った。お昼時ゆえ、ほとんど満席だったが、デジカメの画像が映えるように一番入り口側の明るい席を確保した。いつものように肉汁うどんを注文する。待つこと数分、肉汁うどんが、やってきた。

ちょっと粉っぽいが、独特の存在感があるうどん。釜から、むんずと、うどんの束を掴んでそのまま丼にほおりこんだような盛りつけ。麺のつやつや感とうどんから立ち上る湯気が、ゆでたてであることを証明する。スポーツ新聞を読みながら、うどんを腹につめこみ、家路に急いだ。

2000.8.17


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