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きくや

(東村山市消防署前)

 

東村山駅から、小島屋という、うどん屋を経由し、きくやに向かう。昔の武蔵野風情を想像しながら、歩くのだが、どうもこの周辺は、小麦の産地だったに違いない。高い山などなく、なだらかな丘陵が、続く。昔は、水がきれいで、川のそばでは、わずかに、田作もあっただろうが、比較的川は、低いところを流れている。川から離れた平地、少し小高いようなところは、小麦作だったに違いない。したがって、うどんは、この地域の日常食だったのだろう。もちろん、蕎麦屋もあるようだが、どうも、地元から発生してきたというような感じがしない。この周辺は、間違いなく、おいしそうなうどん屋が、多そうなので、ハイキングがてら、うどん屋めぐりするのも楽しそうだ。

きくやの系列店は、3店あるらしい。以前ステルスしたことがある、東村山駅近くのきくや。今回行った消防署の前にあるきくや、所沢駅のそばにある、涼太郎といううどん屋が、その3店である。涼太郎といううどん屋は、昔、どっちの料理ショーに出演したことがあるそうだ。私が、調査した限りでは、これらのうどんは、ほとんどというか、まったく同じように思えるが、同じうどん屋でも、日によって、違うことがあるわけだし、当然、店ごとに差異があるに違いない。この3店のうどんを詳細に比較検討、探求し、差異を明らかにする活動をしていけば、相当深いレベルまで、うどんを理解することができそうな予感はある。

そんなことを考えながら、ようやく、きくやに辿り着いた。今回は、消防署の前のきくやである。店の前には、郵便局のバイクがおいてあり、ちょうど消防署の職員が店に入るところだった。その後に続いて店に入ることにした。長方形の狭い店内、机2つとカウンター席10席くらい。おばちゃんが4人くらいカウンターの奥で働いている。とりあえず、カウンター席のひとつを確保して、注文した。「肉汁、天付、3Lください。」この注文方法が、標準である。ラーメン界では、二郎というラーメン屋の注文方法が難しいとされているが、うどん界においては、このきくやでの注文方法は、難しい部類に入る。自信がない人は、この暗号を覚えておいて、注文して欲しい。このパターンで650円である。

待つこと、数分。うどんが、きました。一味みたいな七味とごまを振りかけて、うどんに取り掛かることにする。麺は、しこしこした感じのもの。粉の原料、打ち方、寝かし時間まで、相当吟味しただろうことが、伺われる。麺は、細目。長さは適当。はじめ固くて、中にいくと、さらに粘り腰があるという讃岐うどんとは違って、はじめ、ちょっと抵抗されるが、中に行くと、すぐ、かみ切れちゃうようなうどんである。肉汁は、竹の器に入っている。肉は、3枚肉で、それほど、いい肉ではないが、標準以上に肉の量は多いだろう。天ぷらは、うまくできている。あつあつの天ぷらでなく、あげてから、時間がたっているが、胸焼けしそうな感じはしない。汁につけても、長時間原形をとどめている。

今回3Lを食べたが、このくらいの量がちょうどいいようだ。小食の人は、2L、大食漢の人は、5Lくらい。替え玉ならぬ、麺の追加もできるので、慣れぬ間は、少な目に頼んでおいて、後から追加するとよい。1玉50円である。1玉といっても、普通のちゃわん1杯を1玉と数えているようなので、それほど、量は、多くない。食べやすくて、あきのこないような麺なので、いつか、何玉食べることができるか、挑戦してみたいと思った。

帰りは歩いて、武蔵大和駅から電車にのったが、こちらの方が、東村山駅より全然、近い。きくやのうどんを食べるだけなら、武蔵大和駅、きくや、武蔵大和駅というルート。武蔵野うどん文化に浸りたい人は、東村山駅から、数多のうどん屋を経由して、武蔵大和駅まで歩く、というルートをお勧めしたい。

 

2001.10.20


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