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川島ジャンボ
(高松市)

レンタサイクルで郊外に足を伸ばし、幹線道路の脇にある川島ジャンボを目指す。ちょうど、少し上り坂になっていて、見過ごしてしまったが、少し進んだら気づいて、また引き返して古ぼけたうどん屋を発見した。9時少し経ってから、到着したが、のれんがでていない。私の持っている本では9時開店と書いてあるのにどうしたのだろうか。店の人が、中で準備していたので聞いてみると10時から開店するそうで、仕方ないそれまで時間をつぶすことにした。少し離れたところにあるコンビニで立ち読みしてみたが、30分も立ち読みしていると飽きてきた。次は、レンタサイクルでうどん屋の周囲を広範囲にわたって、ポタリングする。何の変哲のない田舎町であるが、外車とか高級国産車の比率が異様に高い。豊かな土地なんだな。
10時になって、のれんがかかっているのを確認して、店に入った。他に客はいない。古ぼけた店内に有名人らしき色紙が数枚。食い逃げOKの文字もある。食い逃げ達成者の名前ものっていた。近くに香川大学の農学部があるのだろうか、その名前と完食時間が、貼られていた。なつかしい雰囲気の椅子とテーブルに落ち着いて、釜揚げ普通盛りを注文した。10分くらい待つけど、いいかい、と言われたので、あ、待ちます。と答えた。もう、1時間も待っているのだから、10分くらいなんていうこともない。店内の細かい飾り物も一見たいしたことがないのだが、よくよく考えると、深いなあ、と考えたりして、待ち時間は、苦にならなかった。
先に大きなとっくりが来た。器に出汁を注いで、ネギしょうがを入れて、一口。うーん、濃いんだけど、さっぱりしている不思議な味覚。続いて川島と書かれた丼にうどんが、来た。四角さの残る麺、麺の周辺部は、半透明でなんとも悩ましげな姿だ。太さもそれなりにある。ちょっと、ぬめぬめしていると同時につるつるしこしこしている、うまいうどんの要素をすべてもっている。もう、見ただけでわかる。これは、うまいぞ。
あつあつの麺を取り出し、出汁にくぐらせて、あつあつの麺を楽しむ。すごい。ジャンボ3兄弟の中ではここが、一番好きかもしれない。次は、国分寺ジャンボだ。それにしても、すごい。こんなにすごいうどんが、こんな場所にひっそりとあるなんて。もし、新宿の一等地で営業してもこのレベルなら、充分儲けがでるに違いない。私は、うどん屋を直接ほめることをしないのだが、あまりにもうまかったのと、その場には、私と店主しかいなかったので、うまかったよ、と言い残し、店主から、また、来てくれといわれて、店を出た。
再びレンタサイクルで高松市街地に戻る途中、川原でうどんの記録をメモしていたら、後ろで人の気配と足音が聞こえたような気がしたので、振り返った。でも、誰もいない。はるか、2,300m先に人が見えるだけである。同行二人とは、このことであったのか、もしかしたら、最高の讃岐うどんに出会っただけでなく、空海にも出会ったのかもしれない。

平成16月11月6日
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