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ジャンボうどん豊(1)

(国分寺町)

 さすがに、お腹もいっぱいになってきたので、ドライブがてら、道の駅滝宮に行ってみることにした。目的は、うどんアイスである。うどんを食べ歩いていると、急にアイスが食べたくなる。これまでうどん仲間と行ったツアーでも、途中にアイスをはさむことは多かったので、私の個人的な性向というより、普遍的な法則があるようだ。

 この道の駅滝宮では、うどんアイスというのがある。超こってりは、いつか機会があったら、挑戦してみることにして、とりあえず、こってりを食べてみた。うーん。確かにイリコとうどんの味がして、期待していなかった割には、うまい、といっても差し支えないだろう。そういえば、昔加須うどんツアーでうどんパフェというのを食べてみたが、このうどんアイスとうどんパフェどちらかをもう一度食べろと言われたら、間違いなくこのうどんアイスをとるだろう。

 サンライズ瀬戸号で、香川に入ってくるときに、車窓からこのジャンボうどん豊がみえるので、いつか、行ってみたいと思っていた。ちょっと古い感じの店である。時間は午後4時30分頃、うどんを食べるには中途半端な時間かもしれない。店に入ってみたが、他に客はいないようだ。少し暗い店内でご主人さんが一人、ぽつりとカウンターの奥の調理場に座っていた。男が一人で店をやっていると、店の中もそれなりの雰囲気になってしまう。第一印象さえないオヤジさんだなあ。

 席に座り、釜揚げうどんを注文した。漫画本を読みながら待つ。うどんの茹でからはじめているようで、それなりの時間はかかった。やがて、とっくりに入った出汁と釜揚げうどんが、届いた。大きなとっくりには、川島という文字が書いてある。高松の川島ジャンボと関係があるのかもしれない。いままで食べた釜揚げうどんというと、麺の断面は、まるくなっていたのだが、ここの釜揚げうどんの断面は、四角さが残っている。 麺に腰があって、口に入れると熱々の麺が中で暴れまわる。

 すごいぞ。このうどん。このオヤジは、すごいやり手うどん職人だ。第1印象さえないオヤジさんが、ルパン三世にでてくるニヒルで超人的な脇役に見えてきた。帰りがけ、オヤジさんが、にやっとしたような気がした。少しは食べ歩いているようだが、お前さんにオレがつくったこのうどんが、わかるかい?そう問いかけられたような気がした。もちろん、実際にそんな会話はしていない。

 いまは、何でもマニュアル化の時代である。現象やノウハウを文字に変換して誰でも同じことができるようになってきている。しかし、このうどんをマニュアル化しても、絶対同じものはできないであろう。文字に変換するときに重要なものが、抜け落ちてしまう。あのオヤジは、きっと、この重要なものが、なんだか、わかっているに違いない。

平成16月9月2日


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