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池上(1)

(高松市)

   

 讃岐のホテルに滞在している間、夜テレビを見ていたら、どっちの料理ショウという番組でこの池上が紹介されていた。持参したシンクパッド+H“で調べたら、有名なうどん屋らしい。そういえば、オールアバウトジャパンのうどんサイトでも、この池上が掲載されていたのを思い出した。よくわからないが、せっかくだから、池上にも寄らねばなるまい。これだけの有名な番組に出演したばかりなら、行列は、必至であろう。実は、前日も北山でうどんを食べた後にこの池上へ向かったのだが、開店時間より少し早めに到着したにもかかわらず、行列はなく、なんと臨時休業の紙が貼ってあった。今回は、昨日のリベンジである。

 昨日、初めてここにたどり着いたときは、何回かその建物の前を通り過ぎていたにもかかわらず、どこが、その池上といううどん屋なのか、さっぱりわからなかった。今日こそは、やっているだろうという期待を持って、開店時間より、少し早めに行ってみると、やはり、大行列であった。店の人もここまで行列したことはない、と驚いていた。この大行列がうどんの味に悪影響を与える可能性はあるが、池上でこれだけの大行列に並ぶ機会のほうが、貴重である。並んでいる間、すでにうどんを食べ終わった人が通り過ぎるが、深い満足感をたたえたにやけ顔で通り過ぎる人は、いない。少し硬めの表情の人が多かった。大行列に配慮した表情づくりなのかどうかは、よくわからない。

 池上は、店が開いている時間が極端に短いというのが、特徴の一つだが、開店時間より30分近く早くから並んでいたにもかかわらず、極東MLから先遣隊で派遣した3賢人が座ったという伝説のいすの前を通り過ぎて、私が店内に入り込めたのは、いつもなら閉店時間を過ぎたころであった。店内は、入り口近くに一応座席があり、奥の方でうどんを製造している。緑アヒルの粉袋がおいてあったので、それを使っているのだろう。狭い店内は、人でごったかえしていて、ようやくうどんを注文できた。

 うどん一玉65円という驚異的な価格も池上の特長の一つである。今回は、うどん2玉に卵1つをとって、釜玉で食べることにしたので、200円支払い、お釣りは寄付することにした。隣で製麺機にかけられているうどんが、茹でられて、釜の前にたつおばさんが、製麺機を操るおじさんに、「もううどんあげていいかい?」と何回か確認するが、ようやくおじさんから「うん」の返事をもらい、茹でたてのうどんが、どんぶりに入った。すぐさま、卵を入れ、鎌田の出汁醤油をかけていただく。緑あひる特有の強いこしがここのうどんの特徴の一つである。

 私も自分で讃岐うどんを作るときには、緑あひるをスタンダードにしているため、その性能を少なからずわかっているからだろうか、前述したように大行列が、味に悪影響を及ぼしているからだろうか。あまりにも期待が大きかったからだろうか。私の想像力の範囲内に収まり、それほど驚異的なうどんには、感じられなかった。釜玉でなく、冷たいうどんにした方が、よかったかもと考えたりもしたが、店内は、追加注文できるような雰囲気でなく、また、さらに増えている大行列に再度並ぶのも、空しいので、次回の楽しみにとっておくことにした。うどんを食べ終えたら、どんぶりを洗う。これも、ここ池上の決まりである。先ほど入った入り口とは逆の方向から出て、大行列の先にある自転車にのらなければ、ならない。どんな表情で大行列をやりすごそうか。


平成14月11月22日


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