4歳の春
まだ幼かった君は
ゲートをくぐり抜けたりして
たくさんの人をあっと言わせていたね
でもそんな状態でも
君は素質だけで常に他馬を圧倒していた
そして素質開花の5歳・・・
もう君の前を走る馬は何処にもいなかった
前半ラップをハイペースで進み
そのまま後半も押し切ってしまう
そんな桁外れの走りを僕達に披露し
とうとう春のグランプリの頂点に輝いた
そして秋緒戦
君は見る者を圧倒させるかのような凄まじい走りで
6連勝というメダルを手にし
絶好の秋のスタートを切った
そしてその勝利は
秋の盾は誰もが君の手にあると確信した勝利だった
まさか最後の勝利になるとは
誰が予測できただろうか・・・
誰よりも早くゴールに着きたくて
誰よりも速く駆け抜けていった君の瞳に
この世界はどう映っていたのだろう
3コーナーの欅の木の辺り
魔物に襲われた君は
あっという間に逝ってしまった
僕達に逃げることのすごさを夢見させたままに・・・
もう
誰もついて行けないところまで行ってしまった君に
最後に「ありがとう」と言おう
そして
お疲れさま