真剣について

 

「真面目」と「真剣」。何気なく聞くと、それほど違いのない言葉のように思ってしまう言葉だ。実際、辞書で調べてみると「真面目・・・本気・真剣であるさま」「真剣・・・本気で事に取り組むさま」とある。しかし、よくよく考えてみると、全く違った面を持った言葉同士だと言うことに気付く。

例えば「真面目な人」「真剣な人」という二つの言葉を聞いて、どちらにより良い印象を受けるか、また同じ印象かという質問をすると、ほとんどの人はどちらか一方に良い印象を受けると答えるだろう。おそらくこれを読んでくれていう方もどちらか一方に、より良い印象を感じながら読み進んできたことと思う。これは間違いなく「真面目」と「真剣」との間に微妙なニュアンスの違いがあるということを感じ取っているからだ。

もっとわかりやすい例をだしてみると、真面目に授業を受けても全く興味が湧かなかったという経験は持っていないだろうか。これは俺自身、実際に経験したことの一つだ。そして真剣に授業を受けてみて、つまらないと思っていた授業に新しい発見をしたという経験もある。また、真面目に遊んでも、たとえそれが普段楽しいと思っている遊びだとしても、あまり楽しくは感じられない。けれども、真剣に遊べば大概の遊びは面白い。

それでは「真面目」と「真剣」に隠された微妙な違いとは一体何であろうか。それは、どちらにも能動的・積極的な意志が含まれてはいるが、「真剣」という言葉の中には、その意志が「真面目」という言葉にある以上に、強く含まれているというところではないだろうか。

ともあれ、俺はどんなことに対しても、いつも真剣でいたいと思う。