透明 TUUSIN no 5  '98.8.8


雁坂トンネルを通って山梨へ行ってきました!

 今年の8月は、山梨県の八ヶ岳南麓、大泉村にあるギャラリーを持つあかり工房「森のあかり」で 作品展を開かせて頂くことになりました。工房の火がはいっているとなかなか搬入に行けないのですが、 7月の末に火を落としたので、新鮮な山の空気を吸いに搬入を兼ねて2泊3日で行ってきました。
 透明工房のある嵐山町はは埼玉県の中央よりちょっと西寄りにあり、埼玉県と山梨県を結ぶ雁坂トンネルは、 今年の4月に開通し1度通ってみたいと思っていました。
 嵐山町から秩父までは山を通った方が近いので(山道を通るのも好きなので)定峰峠を通って横瀬町に抜け 国道140号を雁坂トンネルに向かいました。秩父湖のあたりから山が迫り民家が無くなります。この日は 曇りで時折激しく雨が降っていました。山が墨絵のようにかすんで幻想的でした。「姫神」のテープを聞きながら 走りました。山また山の蛇行した道をずいぶん長い間走ったような気がします。山間にトンネルに通じる橋が 見えてきました。橋の下は遥かな渓谷、このトンネルは随分大変な工事だっただろう、そして歴史のある 秩父往還の道、甲州へ続く雁坂峠を通った昔の旅人の苦労はいかばかりだっただろうと感慨深いものが ありました。6キロ余りのトンネルを抜けると料金所、通行料710円なり。


  行きの所要時間(高速道路は使わず、休憩時間は含まない。)
    嵐山→<1時間>→横瀬→<1時間>→雁坂トンネル→<2時間>→小淵沢

  帰りの所用時間(長坂、勝沼間は高速道路)
  長坂→<30分>→勝沼→<30分>→雁坂トンネル→<2時間>→嵐山
雁坂トンネル 雁坂トンネル


“トンネルをぬけたら寄り道!”
 料金所の横はパーキングがあり、近隣の案内図があったので眺めていると牧丘町に “オーチャードヴィレッジ フフ”を発見、ここはテレビで見て一度行ってみたいと思っていた所でした。 私は色々な建築物を見るのが好きです。特に日本建築と現代的な物に興味があり、出かける機会があれば 立ち寄っています。
 牧丘の桃畑?の丘(かなり急です)を登って行きます。“フフ”は小高い丘の2万1千坪の敷地に宿泊、 レストラン、自然を生かした公園 などがあります。回廊によって内と外がつながれ、傾斜地を生かし階段がたくさんある不思議な木造の建築です。レストランで食事をしているとスコールのような大雨、窓の外を眺めるとこの雨を活かして滝が現れる 仕掛けになっています。雨の愉しみを作っておいてくれたみたいで少しうれしくなってきました。しばらく建物の 中を探索していると雨も小止みになりました。ここの宿泊は次の楽しみに取っておいて、今日の宿泊は小淵沢の “スパティオ小淵沢”ここも楽しみな所です。まだ先は長いぞ。
オーチャードヴィレッジ・フフ

牧丘町から小淵沢へ
 国道140号を通り甲府を抜け甲州街道をひた走ると小淵沢右折の表示板、高速道路でもないのに山の中を螺旋に上がっていく 道を抜け(そうだ、小淵沢は高原だから上がっていくのだ!)などと納得しながら走っていると、高原らしい 赤松林やログハウスのショップ、別荘などが見えてきました。
 スパティオ小淵沢に到着!「寄り道したし、思ったより埼玉から遠かった、疲れたー・・・。」 と思いつつも、あたりをきょろきょろ、赤松林に囲まれた広々とした空間と モダンなスパティオ小淵沢の建物、その手前にほかにもある私の目を釘付けにした広い池の中に建っている “ガラスの建物”そこはコーヒーが飲めるらしい。一応外のチェックが終わり、チェックイン。
 スパティオ小淵沢は宿泊、温泉、中華&薬善レストランからなり、新しい建物は清潔感があり、 薬善料理、モダンで明るい温泉など、ゆっくりと休養が出来ました。ガラスの建物でのコーヒーも楽しみました。 透明工房だけにガラスの建物の中にいるととても気持ちがいいのです。
スパティオ小淵沢、延命の湯(山梨温泉情報26番です)


 右、写真はスパティオ小淵沢、最上階は八ヶ岳の見える中華レストラン。写っている女性は同行者で私では ありません。誰でしょう?
森のあかりへ
 小淵沢から大泉までは車で20分くらい「森のあかり」に到着しました。雑木林に囲まれた山小屋風の暖かい雰囲気の建物です。 中に入ると、オーナーであかり作家の内田勝巳さん、桑田愛子さんの制作したあかりたちが迎えてくれました。 ほかにもオーナーの目で選んだ手仕事にこだわった陶器、布物、アクセサリーが並んでいます。
 2階の南向きの 光の燦燦と入る部屋が、私のガラスたちに用意されていました。展示には随分時間がかかってしまいました が、ガラスたちはそれぞれの居ごごちのよい所を選んだようです。外の木々の緑もガラスたちを一層輝かせている ようです。明日は作品展初日、どんな人たちがガラスに会いに来てくれるのだろうか。その日は近くのペンション に泊まりました。
 翌朝「森のあかり」へ。今日は、朝からお客様の出足が早いとのこと。お客様は、近くの別荘の方や、都内から 中央高速で八ヶ岳山麓へ来られる方が多いそうです。

また寄り道しながら帰路へ
 帰りが心配なので、早めに森のあかりをおいとまして高速の長坂インターへ。ちょっと寄り道して小学校跡地 につくられた清春芸術村へ。貸しアトリエとなっている煉瓦造りの16角形の3階建ての古い洋館の前に佇むと 何か不思議な気持ちになります。詩情のある建物です。 清春芸術村
 長坂インターに入り高速を走り、勝沼インターを出て雁坂トンネルへ向かいました。道路の両脇はずっと 葡萄園。葡萄もワインも売っています。お土産にワインを買って、喉の渇きをいやすのに巨峰を買いました。 葡萄園の奥さんが冷えた巨峰を持ってきてくれました。その美味しかったこと!葡萄を食べながら雁坂トンネル へ向かいました。トンネルを抜けると夕暮れの秩父の山の中。暗くなってくるので、国道140号で寄居へ、 寄居から国道254号を通って嵐山へ帰って来ました。
 計画から数十年、埼玉県と山梨県を結ぶ念願のトンネルの完成。日本中、大きな橋やら立派な道路ができる中、 このトンネルはどういう意味を持つのでしょう。どう活用されるのでしょう。とにかくトンネルまで遠い。 便利さに慣れ旅行といえば、高速道路や飛行機を使うことが当たり前という自分の感覚に気づきました。 雁坂トンネルを通るなら発想を転換して、過程を楽しまなきゃ損ですね。秩父には、日本の山里ののんびりと した風情があり、山梨には豊かな果物が実っています。

 

透明通信・4 '98,4